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完全犯罪 第7部 2ページ目

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一番下へ。




愛華知恵 「こんばんは、隣に引っ越してきた愛華というものです。迷惑掛けるかもしれませんがよろしくお願いします」


アク   「は? と、隣? あぁ……」

愛華知恵 「≪酒くさ……≫ はい。一応挨拶しろと母がうるさくて」


アク   「あ、そう」

アクはドアを閉めた。


愛華知恵 「≪冷たっ……≫ でもカッコいいかも」

愛華知恵はアクの部屋の表札をみた。

愛華知恵 「≪A.GOTO≫ 後藤君か、年上かなあ?」



部屋に戻ったアク。

ユージ 「誰だったー? まさか警察?」

ユージが散らかった酒のビンを片付けながらそう言ってきた。

アク  「いやー、女だったよ。隣に引っ越してきたんだってさ」

ミッキー「可愛いかったー?」

アク  「さーなー。俺からはなんとも言えねーよ」

ミッキー「気になるなー。見て来ようかなー」

アク  「今は誰にも顔を見せない方がいいって。そんなことよりテレビ見ようぜ」

ユージ 「お預けだって。確かに捕まったら人生終わりなわけだし今は慎重が一番だな」


アクはテレビをつけた。


たまたまテレビに映ったのはニュース番組だった。

アク  「あれ? この女どっかで見たな」

ユージ 「え? この女弁護士? どこで?」

ミッキー「えー。めちゃ可愛いじゃん。俺達いつも一緒にいるのにアクだけずるい〜。えーん」

ユージ 「26にもなって、”えーん”は、ねーだろ」

アク  「あ、……って今だ。隣に引っ越してきた人だ」

ユージ ミッキー 「うっそー!」

アク  「嘘じゃないって」

ユージ 「なんか凄い偶然だなあ」

ミッキー「東京っぽい。ドラマっぽーい」


ユージ 「弁護士かあ、仲間にしたらなんか使えそうだな」

アク  「それ俺も思ってたところだ」


……。


ユージ 「それにしてもこんなとこ住むって凄いよなあ。俺達とタメらしいし」

アク  「大卒の初任給がだいたい18万だっけ? ここ家賃20万近くするから……稼いでるなあ」

ミッキー「稼ぐ女、いいかも」

アク  「ミッキーって可愛いけりゃ誰でもいいんじゃね?」

ミッキー「そうかも……えへっ」

ユージ 「まあ男はそんなもんだな」


しばらくテレビを見ているとアク達がやった強盗の報道が流れた。


アナウンサー 「以前として犯人の行方は分かっておらず……」


アク  「分かってないんだって」

ユージ 「女装ぐらいは見抜いてると思うんだけどなあ」


アク  「なぁ。万が一バレたとして、捕まったとするだろ。そしたら俺が一番悪いことにして二人は俺に脅迫されたとか言って罪軽くなれよ」

ユージ 「……何言ってんだよ。今更?(笑)」

ミッキー「アニキそれはないわ」

アク  「まあ、そういうとは思ったけどさ。俺がやりたいって言ったから結果的にこうなったわけだし」

ユージ 「中学のとき仲間になるって言った瞬間からもう運命共同体だって」

ミッキー「運命共同体。カッコ良いー」


アク  「あはは。やっぱいいよ。仲間は」



――。


翌日。

ユージとミッキーは久しぶりにアクの部屋を出て家に帰った。

銀行強盗から10日ほどが経ちもう普通にしていたほうが良いと思ったからだ。


もちろん警察は以前として銀行強盗の犯人を追っている。


タクヤではない仲間の警察官がわざとアク達がやった強盗の書類にコーヒーをぶちまけるも、パソコンに元のデータが入っているため無意味だった。

――。

ユージ達と久しぶりに別れたアクは一人で部屋にいた。


別にどこに行くでもない。

行く当てもない。

アク  ≪こうやって誰もいないところで落ち着くのっていつ振りかな≫

テレビを消し電気を消すと部屋の中は真っ暗になりアクも目を閉じた。


アクのベットの下には奪った金が置いてある。


アク ≪落ち着いて考えれば、俺の夢って叶ったのかなぁ≫


中学のころ3億円事件をテレビで見てそれだけの金があれば幸せに暮らせると思ったあの日。

軽自動車を乗り回していた父親、それで満足していた家族が嫌いだった。


アクが中学を卒業してからけんたの家で生活するようになったのは無意識的に自宅には居たくなかったのだろう。

”家で家族といるより、友達と一緒に暮らした方が面白い”のではなく、

”ただ、どこでもいいから家から出たい”と無意識的に思っていたのかもしれない。



――。


ユージ達の帰り道。


ユージ 「なぁ、ミッキー。誰にも言わないか?」

ミッキー「え? どうした?」

ユージ 「特にアクには言うなよ」

ミッキー「俺口軽いよ?」

ユージ 「だから言うなって、ちょっと誰かに話さないと心が整理つかないんだ」

ミッキー「じゃあアクにしてよ。俺は責任持てない」

ユージ 「アクじゃだめなんだ。アクに関わることだから」

ミッキー「じゃあ聞くよ。明日には忘れるけどね」


ユージ 「それでいい。自分の心を整理したいだけだから」

しばらく歩き二人は腹が減りファミレスに入った。


ユージ 「さっきの話なんだけど」

ミッキー「うん」

ユージ 「俺、ずっとあきのことが忘れられないんだ」

ミッキー「えー。あきって季節の秋じゃなくて? 人間の姫野の方?」

ユージ 「季節な訳ねーだろ。こっちは本気なんだからいちいち分かってること聞くな」

ミッキー「ごめん。……あきが好きって? もうあきに振られてから吹っ切れたって言ってなかった?」

ユージ 「あぁ。一回はな。違う中学に行くことが決まって会うことがなくなったと思ったからさ。忘れられると思ったんだよね」

ミッキー「そしたら、アクと知り合って……また会いだしたらやっぱ好きって?」

ユージ 「まーそんなところかな。んで、アクが行ってから看病だろ。4年間もあんな生活したら情が移るよ。だろ?」

ミッキー「確かに、俺も好きだけど、ファンとしての好きだからなあ」


……。

ユージ 「でさ、俺、もうずっと恋愛してないの。姫野あゆみを見たとき、コイツならあきの変わりになるかなって思ったけどやっぱ違うし。まあその前にあっちが俺のことなんとも思ってないだろうしさ」

ミッキー「ってことは、アクからあきを奪いたいってことなの?」

ユージ 「俺が話したいのはそこだ。俺としてはアクとあきが付き合っていくのは賛成なんだよ」

ミッキー「ん? どういうこと?」

ユージ 「んー。俺も分からないんだって。他に、あき以上に好きな人が現れないかって思ってるんだけどダメだ」

ミッキー「そりゃーあきは可愛いからなぁ。性格もいいし、あれを超えるとなると……」


ユージ 「なぁ、俺どうしたらいい?」

ミッキー ≪ユージが俺にそんなこと言うってことは相当悩んでるなあ≫


……。

ユージ 「なぁ、聞いてるか?」

ミッキー「聞いてるよ考えてた。 あきはアクのことが好きってはっきりしてるから諦めるしかないね」

ユージ 「やっぱそうだよな……。あきのことを1番に考えるなら俺が入る隙はないよな」

ミッキー「せつないなあ〜。今日は飲むかーーー」



それから二人はファミレスでビールを飲みまくった。


――。


それから1週間が経った。

ユージはあきのことを思うほど心が複雑になり、ときに落ち込むことがあった。


アクは一人で1週間を過ごしていた。

携帯やインターフォンが鳴ると警察なのではないかといつも思ってしまいビクビクしてしまうことがあった。

過去にマフィアだったころは何か大きなものに守られている感じがしてどんな犯罪をしても別に怖くなかった。


アク ≪落ち着けよ。バレるはずないんだ≫

奪った金も使ってない。

テレビでは足取りが掴めないと言っている。


アク ≪……高校のときのデパートのやつを思い出す≫


アクはただ時間が過ぎるのを待っていた。

警察が諦めるまでの辛抱。

手がかりがすべて無くなれば警察だって一時諦めるしかないとアクは思っている。

毎日のようにニュースでは殺人事件など凶悪な犯罪が起きているのでアク達がやった事件のことをいつまでも捜査しているのはおかしいと思っている。


アク ≪慎重に、慎重に≫


――。

アクの思いとは裏腹に警察は全然諦めていなかった。

ゼン 「おかしいですよね。犯人が入ってからたった50秒で全てが終わっていますし」

中田 「その道のプロですかね?」

ゼン 「プロでも相手が人間ならそう上手くはいかないと思いますよ。銀行員とグルなら渡すだけなので早いでしょうけど」

中田 「銀行員とグルですか?」

ゼン 「難しいですね。もう一度犯人に金を渡した銀行員に話を聞いてみますか」


ゼン達はあらゆる可能性を考えながら犯人を捜していた。

中田 ≪外のカメラにも映ってないし、知能犯は難しいな≫

仕事だからという理由ではなく、ゼンはただ自分が任された仕事に夢中になって取り組んでいた。
――。









時間は過ぎ去り結局、上の命令でアク達の銀行強盗の件は一時捜査打ち切りとなった。

それは事実上警察の負けを意味し、ゼンは自分の力の無さと悔しさで一人誰にも見られない場所で目を熱くした。




――。


11月。アク達がやった銀行強盗のニュースは一切テレビで放送されなくなった。

アクの隣に引っ越してきた愛華知恵はアクのことが気になりながらも毎日の忙しいスケジュールを消化していた。

ゼンも次から次へと起こる犯罪を1つでも多く解決しよう、または防止しようと毎日忙しく働いている。

ゆきは東京でボチボチ仕事をこなし、食うには困らない生活で親も一安心していた。


アクは、奪った金をいまだ使えずけんたにまた借金をしては生活していた。


アクの最近の行動は仲間集めだった。

高校生からヤクザまで幅広く知り合いを作ることに時間を使っていた。

アクが渋谷で女子高生3人に声を掛けカラオケに誘うと翌日3人同時から告白されるという事件も起こった。


今のアクの目的は大きな組織を作ることだった。

街で顔を見て、なんか生きてる目的が無さそうな奴を見つけると声を掛けていった。

ケンカも当然あり、ホストに誘われたり、ヤクザに目を付けられたりしてだんだん知名度のようなものが上がっていった。


アクは一人で行動していた。

ユージとミッキーはお互い連絡を取らないので会ってない。

別にケンカをしているわけではないのだが、ユージがあきをテレビや雑誌で見るたびに好きという気持ちが膨れ上がってしまいユージからアクに連絡することができない状態だった。

ミッキーはユージが落ち込んでいるのを見ているし相談されたりしていたのでユージと会うことが多くアクとは会えていなかった。

――。

アクはすぐに人を信じる。

当然ユージ、ミッキー、けんた、この3人は一番信用している。

この3人に裏切られることがあればアクは自殺する覚悟もあった。

ゆえにこの3人から連絡が1ヶ月無くてもそれはそれで信じているので別に不安というのはなかった。



深刻なのがユージだった。

今までいつも冷静でいられたユージがミッキーに相談してからどうか様子がおかしい。


好きな人がテレビに映る。

芸能人ではなかったら、見る機会もあまりないので忘れられるがどうしても目に入ってしまう。


忘れられない。

――。
ユージとミッキーが住むマンション。

ミッキー 「ユージー大丈夫ー?」

ユージ  「あー。悪いな。恋の病ってやつだ。あはは」

ミッキー 「もうアクとも全然会ってないし、もう会わないの?」

ユージ  「会うよ。アクは大事な友達だ。あいつがいたから今の俺はいるんだしな」

ミッキー 「アクに言えばいいと思うよ。俺もあきが好きだ。忘れられないって」

ユージ  「あはは。そんなこと言っても仕方ないんだよ。あきの気持ちがアクに行ってるから」


ミッキー ≪はやく、ユージにもっと良い人が現れないかなぁ。って恋の病ってすごい病気だなぁ≫


ミッキーは考えていた。

もし自分がユージの立場になったらどうなるか。

どうやっても付き合えない人を好きになってしまったらどういう行動をとるのか。

ミッキー 「……んー。本人にならなきゃわからないや……」


そんなときだった。

最近次々と知り合いが増えテンションが上がっているアクからミッキーに電話がかかってきた。

ミッキー 「あ。アクだ」

ミッキーは電話に出た。

アク  「もしもーし? 久しぶりー最近何してんだ? まだ金あるか?」

ミッキー「久しぶりー。金ならなんとかあるよ。最近はボーっとしてるかな」

アク  「なんだそれー。俺次の目標決めたから」

ミッキー「えー? 完全犯罪はもう終わり?」

アク  「銀行強盗を2回も3回もやったら捕まるだろ?」

ミッキー「まーあれなら大丈夫だと思うけど。で、何すんの?」

アク  「組織だよ。組織。裏の日本を俺が操る」

ミッキー「アク? まさか酔ってる? ていうか目的がデカ過ぎるよ」

ミッキーは少し笑った。


アク  「いーじゃねーかー。どうせ俺なんてもう会社員なんて無理だし。やってやるよ。それに目標はでかい方がいいだろ」

ミッキー≪アクが会社員だったら面白いな≫

ミッキーは少し想像したら笑えてきた。

ミッキー「組織ってどういうこと? ヤクザみたいなの?」

アク  「まー政治の世界まで力が及べば最強だよな」

ミッキー「政治? またまた……アク政治なんて全く興味ないでしょ?」

アク  「面白いじゃねーかー。どうせ人はいつか全員死ぬんだぜ? なんでもやってやろうじゃねーか」

アクは銀行強盗が上手く行ったことで昔より自信がついていた。
マフィアだったころいつか自分がソイルのような立場になって人を動かしたいという思いも少しあった。

ミッキー「なんか豊臣秀吉と会話しているようだ」

アク  「は? なんか言ったか?」

ミッキー「いや、何も」

アク  「そういや、ユージはいるか?」

ミッキー「いるよ」

アク  「かわってくれよ」

ミッキー「あーうん」

ミッキーは携帯をユージに渡した。

アク  「ユージ! 次は組織だ。 最強の組織を作ろうぜ」

ユージ 「……」

アク  「あれ? もしもーし?」

ユージ 「あきを大切にしろよ」


ユージは電話を切った。

アク  「え? 切れた? 切った? 俺、調子乗りすぎてたかなぁ?」


ミッキー「ちょっと、何電話切ってんの。アク怒るよ」

ユージ 「あーごめん。あきがいるのに変なこと言ってたから切った」


ミッキー「いやいやいやいや、まずいって」

ユージ 「あああああああああああああああ! どうしたらいいんだよ! 自分がムカツク」

ミッキー「……まずいなぁ」


――。


アクは銀行強盗をやってからハワイに住む予定だったがそんな長く住むことができる金もないので日本にいることにした。


アクの今の目標は組織を作ること。ただそれだけだった。

18のときに約束した”10年後あきと結婚する”ということはとっくに忘れていた。

あきと連絡ももうずっと取ってないのであきは他の人を上手くやっているものだと思い込んでいた。


アク 「さーてと。やると決めたらやる! 1から組織を作るか。面白そうだな」


アクは26歳。もう数ヶ月経てば27になる。

1つ夢が叶えば新たな夢を見つけまたそれを実現させていく。


案外人間はそれさえ守って生きていけばどんな状況、環境でも生きていけるような気がした。


---

一時は植物人間となり皆に迷惑を掛けたが、あきはただアクの約束を守っているだけだった。

アクとは18のとき10年間連絡をしないという約束で結婚の話をしたので連絡ができないだけであきはアクと話がしたかった。

ときどきテレビや雑誌に写るあきの指にはアクがプレゼントした指輪がいつも光っていた。

ただ、アクはあきにそれほど興味がないのでそのことは全く知らないでいた。


---

アイドルの寿命は短い。

30を過ぎればもう用無し状態。

次から次へと新しい若いアイドルが芸能界に入り上は実力が無ければすぐに消えてしまう世界。

たまたま、あきとあゆみのペアは上手く行ってるようだが26にもなった”あきあゆ”のペアもそろそろ限界という声も聞こえてきていた。


――。

1月。

けんたから金を借りまくりアクは一生過ごせそうな”億”という金を得ていた。

いずれ返す予定だが、今のアクが自由に使える金だ。


そんなけんたは日本を代表する金持ちの仲間入りをしようとしていた。

天才プログラマーと呼ばれるようになり、名誉もあった。


アク達が奪った金は上手く裁き切った。

ゆかりやタクヤにももちろん金を渡し丸く収まっていた。




日が経つに連れてアクは人脈を作っていった。

意外と簡単だった。

一人が釣れればあとも釣れる。

まさに芋づる状態。

パチンコやスロットで連荘しているようなものでアクは毎日が楽しかった。

自分に自信があり、人見知りを全くしないアク。

それに金。女は金に付いてくるというのを肌で感じていた。



ただ、まだ組織という形はとっていない。

携帯のメモリが増えていくだけで深い関係の人はあまりいない。

アクが組織を作るときめてから100件近いメモリが増えた。

――。

ユージは深刻だった。

”あきを諦めないといけない”という現実をただ一人で受け止めていた。

もう遠い昔、小学生のころ。

あきに振られたときからもう諦めていたのだが見るたびに好きになってしまう。


ユージ 「なんだよ。これよおおお。ああああああああ」

ミッキー「本当ヤバイよ」


ユージもずっとこんな感じだというわけではない。

違う話をしてたり飯を食べたりゲームしてたりするときは一切ないのだが、音が無くなり静かになると思い出してしまう。

ミッキー「アクの組織作りを手伝おうよ。俺達はアクに付いていくんでしょ?」

ユージ 「いっそのことあきを嫌いになりたいのに、なれない。あーだめだああああ」


ミッキー≪だめだ。ユージ異常だ。……こんなの恋の病っていうレベルじゃない≫

ミッキーは思い切ってアクに相談しようと決めた。

アクならきっと解決策を見つけてくれる。そうミッキーは思った。


ミッキーはユージに用事があると嘘をつき、部屋を出てアクに連絡しアクの住むマンションに向かった。

――。

億という金を借りているアクではあったがまだ隣に愛華知恵のいるマンションだった。

愛華知恵とは、たまたま廊下で会うとき少し話すぐらいでアクにとって別にどうでもよい存在だった。


アク  「どうしたんだよ?」

ミッキー「ユージがやばいんだ」

アク  「はぁ? あいつが? どうした?」

ミッキー「……あきのことが好きでどーしても忘れられないんだって」

ミッキーは勇気を振り絞って言った。

アク  「?」

アクは驚いた。

アク  「何言ってんだ? 好きならアタックだろ」

アクは右手の親指を立ててミッキーの目の前に出した。

ミッキー「え?」

アク  「え?ってなんだよ。こっちが え? だよ。好きなら奪えよ」

ミッキー「いいの?」

アク  「え? ダメなの? 俺あきのこと別に嫌いじゃないけどさ、ユージがどーしてもっていうなら良いよ。だってユージは俺の大切な仲間だから。ユージはあきよりよっぽど大事だし」

ミッキー「あ? だって病院で指輪とか上げてたじゃん?」

アク  「いつのこと言ってんだよ。それにあきだって俺のことなんてとっくに忘れてどっかのアイドルと付き合ってんじゃねーの?」

ミッキー「うそーん。 アクなんか、なんだろ。不思議。変」

アク  「変なのはそっちだろ? 人は皆、自己中でいいと思うんだ。どーしても叶えたいことなら叶えちまえよ。俺はそれが仲間なら応援するだけだ」

ミッキーはアクのはっきりとしたものの考え方が少し羨ましかった。

ユージを長く見てきたせいか、物事を複雑に考える頭になっていた。

ミッキー「わかったよ! じゃあユージにそう伝えてくるね!」

アク  「お、おう。でも振られても知らねーからな」

ミッキーは少し笑い走ってユージの元に戻った。


ミッキー≪なんだ。すっげー分かりやすい。どーしても叶えたいことは叶えちまえば良いんだ≫


ミッキーは朗報を伝えにユージのいるマンションへ戻った。

だが、そこには信じられない光景がミッキーを待っていた。



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