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完全犯罪 第6部 2ページ目

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病院についたアク。


アク ≪あきが目覚めたってマジかよ・・・・・・≫


アクはタクシーから降りて急いで病室へ向かった。


なぜか走っているのに足取りが遅く感じ、いつもと同じ廊下なのになぜか違う病院のような気がした。


アクがあきのいる病室の扉を開けた。


ユージ 「アク!」

アク  「あきが起きたってマジかよ!」

アクがあきの顔の見える位置まで移動すると、あきがベットに座っていた。


あき  「ア・ク・・・・・・?」

確かにあきは座っていた。

その周りにはユージの他に医者と看護師。
それに、あきの母親と姫野あゆみ、あゆみのマネージャーだろうか、スーツの男が一人座っていた。

ミッキーもいる。

アクはあきの近づいた。


アク  「おー久しぶり」

あき  「ア・ク・会い・たか・ったよ」

あきの声は小さく声がかすれていた。

アク  「おう! 俺も会いたかった」

そういうとアクは無理やり笑顔を作った。




アクはこういう状況では嘘でも元気に振舞ったほうが良いことを知っていた。
ここでアクが泣くようなことがあるとユージ達に数時間後の作戦に対して不安を持たせてしまうからだ。

そう、大停電まであと6時間を切っている・・・・・・。


医者 「意識が戻ったということは奇跡だ。記憶もしっかりしているし問題無い。もしかしたらリハビリ次第で仕事もできるようになるかもしれない」

あき母「本当ですか?」

あきの母はアクが来たときから既に泣いていてやっと頭を上げそういった。

医者 「はい。よく今までがんばりましたね」

あきの母は言葉にならずまた泣いてしまった。


姫野あゆみ 「また一緒に仕事しようね」

あき  「あ・り・がと」


あきはアクが思っていた以上に普通だった。

見た目は明らかに病人だが目はしっかりしていた。


ミッキーは柄にもなく泣いているようだった。

ユージも目は赤い。

二人はアクがSOILに行ってから毎日のように通っていたからそうなのだろう。

このまま死んでしまうかもしれない人の看病が身を結んだ。これは泣いて当然のことだった。


医者 「栄養をちゃんと取って、リハビリは大変だと思うけど頑張ってね」

あきはゆっくりうなづいた。



――。


病院、休憩場所(廊下)。

自動販売機と小さなテレビと長いすが置いてある場所にアクとユージがいる。

アク 「まさか目覚めるとはなあ」

ユージ「本当だよ。あきのおばさんから電話があったときはビビったよ」

アク 「ゴメンなあ、すぐに電話に気付かなくて、ちょっとうるさいところで遊んでたから」

ユージ「スロット? 俺は映画見てたけど途中で抜けてきちゃった」


――。


アクはゆっくり背中を背もたれに当てた。

アク 「もう暗くなってきたなあ・・・・・・。準備は整ってるし」

ユージ「ヘリはどうなった?」

アク 「あぁ。1億円で手を打った。さすがにヘリに乗ったら捕まりそうだしな」

ユージ「っていうかぁ。アクって何やるんだっけ?」

アク 「え? 俺は特に無いよ。停電したらどっか店入ってレジでもぶっこわして金盗ろうかな。ぐらい」

ユージ「あはは。そうだよな。爆弾はちゃんと仕掛けてあるし、ヘリにも乗らない。やることないよなあ」

アク 「ユージもないの?」

ユージ「俺はさ。アンズから渡された大量の爆弾仕掛けたからもういいでしょ」

アク 「ってか実際楽だよなー。なにせこっちは1万人近くマフィアが集まってるって話だし」

ユージ「爆弾落として1万人が暴れて・・・・・・それでいいのかなあ」

アク 「今回は国会議事堂爆破してSOILの奴等に利益が出るようにするだけだし、いいんだって」

ユージ「アクがいいならいいんだけど」

アク 「それよりあきだよ。なんでこんなときに目ー覚ますんだろ。なんか運命みたいだよ」

ユージ「神様が犯罪するのやめろって言ってんじゃないの?」

アク 「はは。神様かぁ、そうだとしても辞めないんだから意味ないよな」

ユージ「そういえばあきって今自分が動かなくなってから5年近く経っていること知ってるのかな」

アク 「俺に聞くなよー。俺が一番最後に着いたんだし」

ユージ「それもそうだよね。まさかまだ自分が18歳だと思ってたら・・・・・・」

アク 「それはショックだよな。それに明日は東京が壊れる予定だし・・・・・・」

ユージ「まーとにかく1つずつ終わらせて行くしかなさそうだ」

アク 「そうだな。俺は今夜アリバイを作るためにコンビニで立ち読みでもしとくよ。あそこ監視カメラとかあるから映っとけば間違いないし」

ユージ「それ俺も考えてた」

アク 「あはは。じゃあそのときになったら一緒に行こうか」




それから時間は過ぎ午後9時。

姫野あゆみは忙しそうにどこかへ行ってしまった。


アク達はあきのいる病室へ戻っていた。



あきはアクが渡したダイヤの指輪ともう1つアクが最初に渡した指輪を手に持っていた。

あき 「き・きれー」

アク 「それは俺からのプレゼント」

あき 「うん。なんか、そん・な気がし・てた」

アク 「欲しい物あったら何でも言えよ。なんでも持ってきてやるからな」

アクは冗談交じりにそういうと・・・・・・。

あき 「何も・要らな・い・から、アク・ずっとそばに・居・て。あたし・それだ・けで・幸せ・・・・・・」

アク 「・・・・・・ぉ・おう」

アクが一瞬戸惑ったことはユージには気付かれていた。


そして、あきは疲れたのか横になると寝てしまった。


それは午後10時過ぎのことだった。


アク 「よし、そろそろ行こうか」

ユージ「・・・・・・万が一何かで捕まったらもう戻ってこれないかもね」

アク 「いや、仮にこれが最後だとしても最後にあきと話せただけでも良かったよ」

アクは何か超越したような感じでそう言い放った。


アク 「さぁ、行こう」


アク達は病院を後にすると渋谷の方へ歩いていった。



アク 「あと2時間か・・・・・・」







それとほぼ同時刻――。







ゼン 「あと2時間で8日になりますね」

みどり「そうね。8日に”何かが起こる”これしか情報が無い中結局たいしたことはできなかったわね」

ゼン 「本当に何か起こるんでしょうか?」

みどり「1分先だろうと1年先だろうと未来のことは誰にも分からないわ。ただ情報は確かなはず、きっと何かが起こるわ」


ゼン達は少ない情報からもできるだけの準備は整えていた。

警備員を増やし、監視カメラも複数用意。

一番金が掛かっているのは東京を囲むようにして警官が待機していることだ

東京都内で大きな事件が起こればすぐに検問ができるように大きな通りでは警察官が何人も待機している。

その数ざっと3000人。

3000人の警察官達には事件が起こることは教えていない。


みどり≪これでガセだったらあのおやじ許さないんだから≫

みどりはアメリカにいるもっとも信頼できる人を思い浮かべていた。



午後11時。

東京都内で怪しい人物を探すように命じられていた私服警官から1本の電話が入った。

みどり 「どうしたの?」

私服警官「タ・タイマーでしょうか。公衆電話の裏から爆弾のようなものを発見しました。時刻はあと1時間後を指しています」

みどり 「え? それどこにあったの? 詳しく教えて」

私服警官「新宿の○×◆○Д×・・・・・・」


ゼン  「あと1時間後って・・・・・・」

ゼンは腕時計を見るとちょうど12時。8日になることに気が付いた。

ゼン  「爆弾?! テロ?」


みどり 「分かったわ。まだ他にも仕掛けられてるかもしれないから探して! でも、慎重にね」


みどりは電話を切った。

ゼン  「爆弾ですか?」

みどり 「・・・・・・まずいわね。1つや2つならまだいいけど・・・・・・」

警察庁の一室にいるゼン達は動きが慌しくなってきていた。

みどりの隣にいる男が使っているパソコンに次々と情報が届く。

数ヶ月前までは何も入ってなかった棚には海外のマフィアや犯罪者の名簿が載った”ブラックリスト”なるものが複数おいてある。


10月8日のための隠し監視カメラの映像を写すモニターは一人では一度に全て確認できないほど並べられてあり、すべて録画されている。


モニターを見ていた男が冷や汗をかきながら部屋中に聞こえるような声で発言した。

男  「まずいですよ! こいつサングラスかけてますけど間違いなくマフィアのボスです」

男の手は振るえながらモニターを指していた。

男のもう一つの手には写真付きのブラックリスト。

ただのブラックリストではなく、ある程度力のある大物ばかりだ。

男  「昨日よりモニターに映る外人の数が増えているのはさっき話してたけど、間違いない。世界中のマフィアが集まっている!」

ゼン 「本当ですか?」

男  「ゼン君もこっち来て見てみなよ。・・・・・・信じられない」

ゼンは男のそばへ行きモニターに目を向けた。

男  「こいつもマフィア、こっちもだ。こっちのモニターのあの黒人も」

男が次々とマフィアをゼンに教える。

ゼンはただ驚くことしかできなかった。

ゼン 「爆弾にマフィア? 世界各国からの注意情報」

みどり「まずい。時間が無いわ」

そういうとみどりは電話をかけた。

どうやらお偉いさんに電話したようでみどりの口調もいつもとは違い少し緊張気味だった。

みどりが電話を丁寧に切るとこう言った。

みどり「今、警視長に連絡したわ。そして、すぐに警視総監から東京都警察全体に指令が出るはず。忙しくなるわよ」

男  「こりゃ大変だ!」

ゼン ≪警視総監といえば東京都警察のトップ・・・・・・凄いことになりそうだ・・・・・・≫

ゼンは自分のいる場所が凄いところなのだと実感し思わず息を呑んだ。


そんなときだった。

みどりの隣で忙しそうにパソコンをいじっていた男のパソコンの電源が切れた。

みどり「何しているのよ! こんなときに」

男  「?」

男も何がなんだか分からない。

男  「いえ、電源切った覚えはないんですけど」


男がいくらパソコンの電源を入れようとしても反応がない。

男  「こんなときにどうしちまったんだ」

するとその部屋に複数ある誰も使われていないパソコンの電源も切れ始めた。

ゼン 「え? 停電ですか?」

ゼンは一瞬そう思ったが部屋の電気はついているので停電ではないことがすぐに分かった。

ただパソコンだけが使えない。


――。


けんた「さーてと、会心のプログラム、どこまで通用するかな」


けんたがこの日のために作っていたプログラムとは簡単にいえば新型のウイルスだ。

その特徴は、ネットに接続できる状態のパソコンの電源を勝手に落としてしまうというもので、 一度電源が落ちてしまうと1時間ほど何も操作できないものであった。


けんた「ふぅ。もうすぐ停電が起きてテレビも見れなくなる。情報を得る手段が一瞬で消えて東京中は大パニックさ・・・・・・」

けんたは足がつかないようにと、ウイルスをばらまいたパソコンを跡形もなく破壊してゴミ袋に入れた。


けんた≪さてと、ゴミ捨てでもいくか・・・・・・≫

けんたはさっき壊したパソコンを捨てるためにどこかへ消えてしまった。






――。

11時35分。

みどりの電話で警視総監から指令を受けた警察官達が私服警官となり街中に散らばりだし、 マフィアだと確認できた男達に気付かれないように見張りに当たろうとしていた。


上空ではいつもの10倍ものヘリコプターが確認できる。

あらかじめゼン達が用意しておいたものと、アク達が用意した爆弾を投下する物。

アク達側のヘリコプターも一機ではなく、複数用意してあった。

それは爆弾を投下するのは一機だが、逃げる際に紛らわしくするために用意していた。



しかし、そんなことが起こっているとは知らずに地上ではいつもと変わらない雰囲気だった。

――。

アク達はコンビニにいた。


アクは別に読みたくも無い雑誌を読んでいた。


そして、アクの心は複雑だった。


・・・・・・・――。



SOILをクビになりユージ達の親が人質に。

人質解放のための最低条件が国会議事堂爆破ということで、興味のない国会議事堂爆破をしなければいけなくなった。


爆破のためには爆弾を仕掛ける必要があるが、、 国会議事堂は海外での同時多発事件の影響で24時間警備がしっかりしてあり爆弾を仕掛けるのは無理となった。

無理やり爆破させるのは遠くからぶつけるしか方法がなく、ヘリコプターで上空から落とすということに。

ヘリコプターで爆弾を落とすのはリスクが高いためアクは大金を背負い他人にやらせることに。


さらに、街中に爆弾を仕掛け混乱させアク達とは直接関係のない人間が金や宝石を盗んでいく。


これで晴れてユージ達の両親は解放される。

解放されるといっても別に捕まっているわけではない。


これだけのこと。

SOIL側は全てアク達の責任にしようとしているがそのアク達は現在監視カメラ(コンビニ)の中でアリバイはばっちり。




11時45分。けんたのウイルスがようやく街中に、いや世界中に浸透してきた。

アパートや仕事先、漫画喫茶。あらゆるところでパソコンをいじっている人々が混乱しはじめた。


「おかしい? え? なんで?」

      「アレ? おかしいーなー?」

「ねー? パパー! パソコンこわれちゃったー」


  「ばかやろう! 明日までにやらないといけない仕事があるのに!」


「あれ? 昨日買ったばかりのパソコンなのになぁ」



   「ちょ!  何これ? え? マジ? うは、やば!」


「おーーい! しっかりしてくれよー!」


    「まじかよ。友よ」


「・・・・・・これなんてウイルス?」




次々とパソコンの電源が落ちていく。

面白いように落ちていく。

データ保存する直前だろうと、オンラインショッピング中だろうと、大事な取引中だろうと関係なく電源が落ちていく。


警察庁の中もパニック。

ネット関係の会社は社員が全員青ざめている。


「わからない。わからない!」で10分が過ぎた。


アクはちらっと時計を見た。

11時55分。

アクは事前に約束しておいた通りそのことには一切触れず雑誌を読んでいた。

仮に「あと5分だぜ」なんて言おうものならそれであやしまれる。

ユージはアクの隣でファッション雑誌を読み、ミッキーは床に座りながらジュース片手に漫画を読んでいた。


冷静な顔をしている3人だが、3人の心臓は小学生のころ学芸会の出番直前のような気持ちになっていた。



――。


そのころ一人暮らしで平凡な生活をしていたサラリーマンは、いつものように上司に付き合わされ酒に酔い帰宅し寝ようとしていた。

サラリーマン 「もうすぐ12時か、明日も早いしあなぁ・・・・・・」

サラリーマンはスーツのまま寝てしまった。






・ ・ ・




10月8日。深夜0時。



ダイスケは持っていたボタンをそっと押した。

「ピッ!」




「どーん! ドカーン! ボーン!」



凄まじい音と共に仕掛けておいたリモコン式爆弾と、時限爆弾が爆発した。

二種類用意しておいたのは必ず爆破させるためで特に重要な意味はない。



ダイスケ ≪・・・・・・とうとうやっちまった。さて、この装置をぶっこわして俺も消えるか≫

ダイスケは東京から姿を消していった。






「どーん! ガガガガガガッ!」


アク達のいるコンビニにもその凄まじい音は聞こえていた。

店員が何事かと思い外に出て爆発音のした方角を見ている。

 
アク達意外の客も何事かと思い外へ出行った。

アク達も何食わぬ顔で外へ出ると客と混じって遠くを見ていた。


ミッキー 「何、何? 戦争?」

――。



ゼン  「・・・・・・?!」

ゼンのいる警察庁には爆弾は仕掛けられておらずそこから見る光景は目を疑うしかない状態だった。


ゼン  「・・・・・・街中から火が出てる・・・・・・」


ゼンがそういうと一瞬明かりが消えた。

ゼン  「あ!」

みどり 「クソッ」



新宿、渋谷を中心に電気が消えた。

停電だ。


発電所に仕掛けておいた爆弾が意味を果たしたのだ。



・・・・・・。


ゼンはどうすることもなく、外を見ていた。




次の瞬間だった。予定より遅かったが国会議事堂へ爆弾が落とされた。


「ドーンンンンッ!」


一番大きな爆弾が落ち一瞬にして国会議事堂の7割が無くなった。





「キャアアアアアアアアアアアアア!」


  「テロだああああああああああああ!」


「助けてええええええええええええええええ!」

  「おーいいいいい!」


「テロ? テロ?」


「うわああああああああああああああああああああああああ」


「誰だばかやろううううううううううううううううう!」

国会議事堂が爆破するのを見ていた通行人やその付近をドライブしていたドライバーが叫ぶ。


人が少ない場所や建物を選んで爆弾を仕掛けたユージ達だったがその爆弾の威力が凄ま じく建物の破片に人が挟まったり、もろ爆風で人が吹き飛ばされたりして多数の死者が出た。



電気が止まり、その日の終電が出発することもなく電車も止まった。


ラジオからの情報も無い。

ラジオすら止まっていた。

各駅では人が溢れ携帯電話も繋がらない状態で人々は大パニック。


街では、銀行やコンビニのATMが次々とトラックに乗せられていく。

宝石店にトラックごとツッコミ宝石類を根こそぎ持っていく。



マフィア達が暴れだしたのだ。

また、マフィアとは全く関係のない一般の不良たちもここぞとばかりに暴れ始めた。





日本が終わろうとしていた。



ゼン 「・・・・・・」



――。



政府はすぐに緊急会議を開き自衛隊を出動。

爆弾処理班などの特殊訓練を受けた人間が徴集されていた。



――。


普段なら一瞬で世界中へ広がるはずのこの事件もけんたが流したウイルスのせいで情報が渡らなくなりまだ知らない人間がたくさんいる。


この光景を目の辺りにした日本人の多くは、泣き叫び元に戻せという人間が多かった。

また、少数派ではあったがこの光景を喜ぶ人達も少なからずいた。

リストラされた人間や夢をなくした人々。

社会に認められない人間や借金まみれの人だ。


自分は不幸だと思っている人が心の底では別にどうでもいいなんて思っていた。


――。




アク  「・・・・・・やりすぎだろ・・・・・・」


アク達はコンビニを後にすると街の方へ歩いていた。

交通も止まり大渋滞。その中では車より遥かに歩いたほうがはやく進めた。


道にはビルの瓦礫(がれき)が散乱していてときどき歩くのも困難な道さえあった。


アクは周りを気にしながらユージに話しかけた。

アク  「こんなに爆弾仕掛けたのか?」

ユージ 「俺達二人で50個ぐらいだったはず。俺達意外にも仕掛けてた奴がいたのかもしれない」


実際アンズが裏で仕切っていることは知っていたが、あまりにひどい光景が目に飛び込んでくる。

ガソリンスタンドに爆弾を仕掛けてあったのかスタンドが跡形もないところもあった。



――。


ATMや宝石を奪っていたマフィア達はあらかじめ爆発させないでいた道路を使い次々と東京から抜け出そうとしていた。



そのマフィア達は知らなかった。

ゼン達が東京中を囲むように警察官を配置していることを。


いつしか、マフィアと警察官達の銃撃戦のようなものが各地で始まっていた。




――。


12時40分。




東京中に電気が戻ろうとしていた。


地上の明かりが消えていたときは星がいつもよりは見えていたが空気の汚れは消えずあまり見えなかった。




12時50分ごろだろうか、ようやくテレビが使い物になってきた。

放送されている全番組がこの事件のことで、誰がなんのためにやったのかなど討論したり、 ロボットカメラに映る映像や偶然録画された国会議事堂爆破の映像が流れていた。




テレビによる情報で日本中の人々がそれに気付きだし、東京に出て行っている人間の心配をするようになった。



”アク達とは無関係に大阪や名古屋でも不良達が暴れ始めていた。”







一瞬で人々を不幸にしたこの事件がまとまりだしてきたのは朝の5時過ぎのことであった。

爆弾の破片からどこで作られた爆弾なのかを識別することができたらしく、海外で作られたものだと分かったのだ。

そして、カメラに映ったマフィア達のこともあり、そのような情報が流れるにつれ日本人は怯(おび)えきっていた


「何も悪いことをしてないのにひどいことするよな」

「子供を返せ」

「俺の人生どうしてくれるんだよ」







人々は口々にそういう発言を繰り返した。





――。



ゼン達はテレビを見ていた。


その場に重い空気が流れる。






ゼン 「なんでこんなことするんだよ・・・・・・」


ゼンは椅子に座り両手を強く握り締め、普段はどんな場面でも敬語を使いあまり感情的にならず冷静で居られるがこのときばかりは大粒の涙を流し下を向いて泣いていた。



ゼンの頭の中が壊れそうだった。

具体的には分からずとも事前に情報があった中で最悪の結果になっているこの状態を受け止める心が警察官として未熟だったのかまだゼンには無かった。


ゼンの周りにいるベテラン達でも冷静で居られる人間はおらず、どうしたらいいのか混乱していた。


唯一冷静を保っていたのはみどりだけだった。

みどり 「マフィアが相手。・・・・・・これだけの数どうしたら」

10人20人なら全て捕まえることは可能だがこれだけの人が暴れれば全てを捕まえるのは不可能に近い状態であることは間違いなかった。



1時になり、2時になり。もう暴れているマフィアは当然いない。

まだ暴れているのは各地の不良ぐらいで次々と地方の警察に捕まっていた。



大地震と同等の被害が出たのか。

それ以上なのか、専門家もそれぞれまとまらず被害総額はこの段階では誰も分からなかった。




12時ごろに寝てしまったあるサラリーマンは小便のために目が覚めた。

トイレにある小さな窓からボーっと外を見ていた。

いつもは隣のビルの壁しか見えず何も面白くない景色だったが・・・・・・。


サラリーマン 「・・・・・・え?」

サラリーマンは一瞬で酔いが醒めた。

昨日まで隣に建っていったビルが無い。

遠くまで見渡せる。遠くを目を凝らしてみると火がところところで確認できた。


サラリーマン 「いや、こんなのありえない。夢だ」

サラリーマンはほっぺたを強くつまんだ。

サラリーマン 「・・・・・・」


そして、慌ててテレビをつけた。


テレビにうつる無残な光景。

サラリーマン 「嘘だろ・・・・・・。たった2時間で世界が変わっちまった」





――。



アク、ユージ、ミッキーはけんたの部屋にいた。

もちろんけんたもいる。


4人でテレビを見ていた。


けんた 「どうやら成功したみたいだね」

アク  「あぁ。街見てきたけど相当凄かったぞ」

ユージ 「ひどかったな」

ミッキー「ある意味祭りだったね」


アク  「何人ぐらい死んだんだろうなー」


けんた 「テレビでは少なくとも60人って言ってたけど」


ユージ 「そんなもんか」

アク  「まぁ、この時代テレビで情報くれるからあとは落ち着くまで黙っておけばいいな」

ミッキー「ここにちょっと引きこもろー」

ユージ 「そうだね。渋谷、新宿あたりはひどいけどここは大丈夫だし」


アク  「さて、マフィア1万人、警察はどう捕まえるのかな」

アクは少し笑った。





――。

朝が来て真っ暗だったから良く見えなかった部分も見えるようになり、被害の大きさがだいたい浮き彫りになってきた。



アク達は興奮のあまり余り寝られず朝からテレビをみていた。



国会議事堂が昨日までどんな建物だったか想像がつかないほど破壊されているのは目に焼きついた。


アク  「みんなどうしてっかなー」



――。




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