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完全犯罪 第5部 2ページ目

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キョウが指した場所は砂漠のド真ん中だった。

アク 「・・・・・・砂漠?」

キョウ「おう」

アク 「どういうことだ?」

キョウ「今さら驚くことでもないだろ、本拠地が砂漠の地下にあるってことだ」

アク 「そんなこと知らなかったぞ」

キョウ「へー。まあ、ここは本拠地と言っても一般には知られてない場所だからな。エーエスの宝物が貯蔵されているらしい」

アク 「ところでこの中はどうなっているのか知ってるのか?」

キョウ「さーなー、地図なんて誰も持ってなかったしなぁ」

アク 「じゃあどーすんだよ。その前に本当にここにそのノートがあるかどうかも分からないんじゃないのか」

キョウ「ノートはある。俺も色々情報集めてたから間違いない。大きな黒い金庫に置いてあるというところまでは分かっている」

アク 「はぁー ≪その金庫探すだけでも一苦労って感じだな≫。で、どうやって侵入するんだ?」

キョウ「華麗に行こうか」


デブ 「か、カレー?」

キョウ「いや、食いものじゃないぞ・・・・・・」

キョウは作戦を語りだした。

---
本拠地には6つの出入り口とヘリコプターが出入りできる大きな入り口がある。

ヘリの出入り口を除きどの出入り口にも入る手前にライフルを持ったマフィアの門番が監視しておりAASSの幹部しか中には入れない。

そこでキョウが考えた作戦は

1、新たに独自で穴を掘って侵入する。

2、門番と戦闘。

3、幹部に成り済まして侵入する。

---

キョウ「俺が思いつくのはこれぐらいなんだけどなんかあるか?」

アク 「2の門番と戦闘はなんか違う気がするな。それで中に入ったからって金庫がどこにあるかも分かんねーだろうし」

メガネ「そうですね。私戦いは得意でないので」

チビ 「とにかく全ての出入り口の場所を確認しておかないと逃げるときも大変そうだね」

アク 「あ! 相手のヘリ奪ってそれで逃げるってどう? 華麗じゃね?」

アクは笑った。

デブ 「俺が乗ったら飛ばないかもねー」

キョウ「いやいや、そもそも無理だろ」

メガネ「私一応運転できますよ」

アク 「みんなやる気だ」

サル 「俺だけ置いて行くとかそういうボケはなしでお願いしますよ」

デブ 「一番心配してるの俺だし・・・・・・」

キョウ「・・・・・・っておい! そんなムチャなことできねぇって。もっと現実的なこと考えようぜ」


アク 「仕方ねーなー。でも華麗にって言ったのキョウだし」

キョウ≪・・・・・・あれ呼び捨て・・・・・・≫


アク達の話し合いは続いた。


2時間後――。

デブ 「腹減ったなぁ・・・・・・」

・・・・・・。

アク 「おし! じゃあそれで行くか!」

アク達が考えた作戦は強行突破!
穴を掘るという作戦も一瞬頭に浮かんだが、そんなダサくてめんどくさいことできないとアクが言うので却下された。


サルは知力が少し劣るのでみんなが作戦を話している間に強行突破するための煙幕を始めとするアイテムを用意していた。

アク 「サルー? 防弾チョッキあるか?」

サル 「はい」

サルは大きいカバンから”ナベのフタ”を出した。

アク 「おい! 漫画じゃねーんだからそんなもんで防げるハズねーだろ」

メガネ「ボケがありきたり・・・・・・」

サルは軽く頭をアクに殴られると最近の防弾チョッキをカバンから取り出した。

アク 「いーのあるじゃん」

最新の防弾チョッキとはもちろん銃で撃たれても何も感じないし、海や足の届かないような川に入ったときは浮くようになっており、
小さいのではあるがピストルも装着してある。
そして、体温の上下にあわせ体内の温度を平常に戻すために防弾チョッキが温まったり冷たくなったりする。

それになにより動き易い。


デブ 「俺のサイズもあるってすばらしいね」

アク 「はいはい」

デブ ≪冷たっ≫

――。

アク 「じゃあーどーすっかなあ、入り口が丁度6つ在るわけだしバラバラに行こうか?」

キョウ「なんでだよ。俺はともかくこいつら(アクを除いた5人)は戦闘に向いてないってさっき言ってただろ」

アク 「あぁ。そりゃプロボクサーとボクシングだったら負けるけど、プロボクサーと拳銃ありの殺し合いなら勝てるさ」

キョウ「は?」

アク 「だから簡単に言えばなんでもありのルールだったら負けないってこと、この5人で今までに何人殺してきたか知ってんの?」

キョウ「いや・・・・・・何人なんだよ?」

アク 「3人」

キョウ≪ダメじゃん・・・・・・≫

ノッポ「あはは。殺せといわれれば殺しますが大概は重症か失神程度で終わりますしね」

キョウ「本当かよ・・・・・・」

アク 「人は見た目に寄らないんだってデブなんて倒立で歩けるしな」

デブ 「うんっ。倒立して歩いたらステーキおごってくれるって言ったから」

キョウ「いや、気合でどうこうなるレベルじゃないだろ」

アク 「あはは、その中気合と根性でなんでもできるんだって」

キョウ「・・・・・・≪意外とそうかもなあ≫」


キョウも思い返せば昔気合と根性でマジックを覚えたときがあった。

父親からお前はまだ早いと言われるとついむきになって寝るのを忘れて必死でマジックを 覚えて翌日父親の目の前でそのマジックを見せて驚かすということをやっていたのだ。


スケさん「失礼します」

スケさんが突然アク達のいる部屋に入ってきた。

キョウ 「お?どうだった?」

スケさん「言われた通り準備はできました。あと電話一本で動きます」

キョウ 「おっけー! これであいつ等も終わりだな」

アク  「何が?」

キョウ 「ただ奪い返すだけじゃあ俺の気が治まらないからなちょっと意地悪してやろうと思ってな」

アク  「だから何するんだよ?」

キョウ 「マジックのネタは明かしたくないからヒントな」

サル  ≪わくわく≫

アク  「ヒント?」

キョウ 「砂漠に大雨洪水警報!」

アク  「ありえねーって」

キョウ 「ありえることしないからマジックなんでしょ」

メガネ 「カッコ良いー」

キョウ 「惚れるなよっ!」

メガネ 「そういう意味じゃないですよ・・・・・・」



そして準備万全とし、夜が更けるのを待った。


アク  「よし、そろそろかな。じゃあ作戦通り奇襲を仕掛けるから俺とキョウでノートを奪いに行く、お前たちはサポートな」

サル  「混乱させるのは得意です」

ノッポ 「人に巨人と言われることは聞き飽きました」

デブ  「美味いものあったら食べていい?」

チビ  「人の後ろに隠れて中まで一番乗りさ」

メガネ 「成功する確率76.7%ってとこでしょうか」


キョウ 「おい、こいつら大丈夫か?」

アク  「大丈夫! いつものことだ」



そして、アク達は暗闇の中AASSの本拠地へ乗り込もうとホテルを後にした。

キョウ ≪やっと夢が実現する!≫


外に出たアク達はアクとキョウを残し他の5人はそれぞれ散らばって行った。

そして、しばらく歩くと一面砂漠となり真っ暗の中上を見上げると綺麗に星が輝いていた。

アク 「ちょっと寒いなぁ」

キョウ「でもこの防弾チョッキすげーよな。だんだん温まってくるの分かる」

アク 「ああ、そうだな」


アク達は周りを見渡しながらAASSの本拠地へ向かって行った。

しばらく歩き後ろを振り返るとさっきまで居たホテルが米粒のような大きさになりただかすかに光っているのが分かるぐらいになっていた。


アク 「結構来たな」

キョウ「ああ、もうすぐ着く」


アク達と別れたデブ達はそれぞれアク達より先に本拠地に着いていた。

サル ≪他人の陣地で暴れるのって無責任なところが最高だ≫

サルの片手には少し大きな爆弾が握られていた。


サルとは1キロほど離れた場所にいるのがデブだ。

デブ ≪やっべ、持ってきたお茶全部飲んじゃったよ≫

デブはホテルを出発するときに持ってきた5リットルのお茶を既に飲み干していた。


そして、アク達を除く5人はそれぞれAASSの本拠地にたどり着いた。

5人がいる場所はバラバラで一人1つの出入り口から侵入する。

だが、5人はアクの指示無しでは突入できないのでアクからの指示を砂漠に身を潜めながら待っていた。


アク 「あいつ等もうみんな着いたころかな」

キョウ「俺達ももう着いたぞ」

アクが少し遠くを見ると一箇所だけ変に凹んだ場所があった。

アク 「あそこか」

キョウ「ああ、あそこだ。まさかあいつ等(AASSのマフィア)も誰かが侵入してくるなんて思ってないだろうから焦るぜ」

アク 「だろうなぁ、それに幹部しか来ないってことは意外と手薄だったりしてね」

キョウ「だといいんだけど」



アク達も出入り口の近くまでやってきた。

あと約6,7メートル先には入り口がありアク達は風によって出来た砂漠ならではの山に寝そべって身を潜めた。

アク 「俺達ルパンみたいじゃね?」

アクはキョウが明らかにさっきいたホテルより緊張しているのが分かったので冗談を言ってみた。

キョウ「良くこんなときにそんなこと言えるな」

アク 「少し肩の力抜けって」

キョウ ≪あと少しで手に戻ってくるんだ!≫


アクは少し状態を起こすと出入り口を見た。

アク 「よし、誰もいないし、そろそろ合図して突入するぞ」

キョウ「おう」


そのとき上空では大きなヘリコプターがアク達の真上を3台通り過ぎて行った。

あまりに上空だったので神経を研ぎ澄ましていたアク達はそのヘリコプターに気付くことは無かった。


そして、アクは同時に5人にメールを送った。

アク 【let's go!】


それぞれ待機していた5人は水を得た魚のように走り出した。


次の瞬間。

「どーん!」という大きな音がした。

サルがとりあえず持っていた爆弾を出入り口に投げたのだ。

キョウ「何だ?! 今の凄い音は、誰か爆弾でも投げたか?」

アク 「その可能性は高いな。もう後戻りはできねーぞ」

アクは凄く嬉しそうな顔で笑った。


アク 「よし、俺達も行こうか!」

アク達は周囲に注意を払いながら敵の本拠地に近づいていった。


サルが投げた爆弾のせいで本拠地内部では慌しくマフィアが動く!

中ではどこか海外の政府が攻撃を仕掛けてきたと勘違いしている者もおり何がなんだかわからなくなっていた。

まさか、マフィアの本拠地に攻めてくる奴が数人レベルでいるなんて夢にも思っていなかったからだ。



サルは自分が投げた爆弾で穴が開いた場所から堂々と一人中へ入っていった。

サル 「俺がまず中を掻き乱す!」

サルの特徴は素早い動きだ。100メートルを10秒台で走ることができ、相手がピストルを持っていようとその銃口が向けられている角度を見て弾丸が飛んでくるのを瞬時に予測し交わすことができる。

ただし最低でも15メートルほど離れていないと交わすことができない。


サルが中に入るために階段を下りると爆風で吹き飛ばされたのか、壁際にライフルが落ちていてそのライフルの隣にはガタイの良い黒人が倒れていた。

サル 「ウキキ」

サルはその光景をよそに薄暗い中、本拠地へ入って行った。


一方デブは、

デブ ≪遠くで爆音がしたな・・・・・・どうせサル辺りがムチャしてんだろう≫

デブは普通に出入り口へ向かった。

地下に降りるため階段を下りるとライフルを持った門番らしき男が立っていた。

ライフル男「?!」

ライフル男がデブに気付いたときには既にデブの拳がライフル男のミゾオチにヒットしておりライフル男は何も発する暇なく気絶してしまった。

デブ   「フードファイターをなめるなよ」

デブは倒れたライフル男からカギの束を奪うと出入り口を開け中に入っていった。


そして他の3人もそれぞれのやり方で侵入することができた。

――。

アク達はまだ外にいる。

アク  「案外静かだなあ、予想外の展開にマフィアもビックリか」

キョウ 「そろそろ行こうぜ」

アク  「ああ」



アク達はサルが開けた穴から中へ入ることにした。

アク  「派手にやりやがって」

キョウ 「・・・・・・」


中では「うわあああああ!!!」という声や銃撃の音が飛び交っていた。

アク  「5対なんだろうな?」

キョウ 「どうだろ、2,30ってとこだろ」

まるで人事のような会話。

アク達は落ち着いていた。

地下だけに辺りは暗くランプが壁に縛られていてオレンジ色の光があるだけだ。

通路の高さは2メートルほどで幅は人が二人並んで歩けるほどしかない。

アク  「中って意外とぼろいな。コンクリートで頑丈に出来てるもんだと思ったぜ」

キョウ 「ここはまだ通路だしなぁ、金庫があるところやヘリがあるところはしっかりできてんじゃねーか」


アク達は先に行った5人がうまく敵を混乱させていることを信じ慎重ではあったが確実に奥へ向かっていた。

しばらく歩くと。



「ダダダダダダダダッ!!!」

「どーん!」

「カンカン!!」

「ウキキッ!」



5人が明らかに暴れているであろう部屋が近づいているのが分かった。

アク 「ここまで一本道だったぞ・・・・・・。どうするよ?」

キョウ「あいつ等本当にプロかよ、暴れる場所も選べねーのか」

アク 「何かあるはずだ。このまま中へ行こう」

キョウ「マジかよ、すっげー仲間信用してるな」

アク 「まぁな、あれでも仲間だしな」


アク達は恐る恐る暴れているであろう部屋を壁際から覗いた。

キョウ「マジかよ」

アク達が目にしたのはマフィアの山だった。

キョウ「・・・・・・」

山と言っても全員気絶している状態で14,5名の男達が部屋の片隅で山となっているのだ。

メガネ「今ちょうど片付けたところです」

アクがキョウの後ろから部屋に入った。

その部屋は20畳ほどの広さで薄暗く壁は一面コンクリートでできている。

ひんやりと冷たく、木造のテーブルとイスが壁際に3セットほど置いてありテーブルの上にはトランプが散らばっていた。

アク 「さすがお前達仕事がはやいな」

デブ 「はー、全員一人でやろうとしたらみんな集まるんだもん、冷めましたよ」

メガネ「全ての入り口からこの部屋に繋がっていたみたいです」

アク 「そうか」

キョウ「え?・・・・・・じゃあ金庫はどこだ?」

メガネ「金庫・・・・・・私は一本道でしたよ」

サル 「俺も一本道だった」


気絶したマフィアの山をよそに7人は部屋の中心で話し始めた。

――。

アク 「全員一本道だったってか・・・・・・」

アクが少し気が抜けたような発言をすると目の前にいかにもあやしい扉があることに気付いた。

アク 「あれ? なんだここ。っていうかお前達金庫の場所も言わせないで気絶させるなんてまだまだ甘いな」

ノッポ≪ダメ出しだ・・・・・・≫

アクがそーっとそのあやしい扉に近づくとさっきまでマフィアの山で気絶していた男が一人気絶から目覚めアク達の様子を人山の中から隠れてみていた。


「ゴン!ゴン!」っとアクがあやしい扉を蹴った。

隣のコンクリートの壁を蹴っても何も音がしないのにその扉だけは音がする。

一同 ≪ここだ!≫

アクが振り返りそれぞれが顔を合わすと少しニヤついた。

アク 「どうやって開けるんだろうな」

アクがそっと目線を扉の左側に向けると鍵穴を見つけた。

アク 「お、鍵穴だ」

キョウが少し慌てたような感じでアクの元へ近づき鍵穴を見つめた。

キョウ「鍵を外すのは得意だ」

キョウはどこに隠し持っていたのか、工具用のドライバーのような器具を持って穴に音を立てながら入れてカギを外そうとしている。

アク 「できそうか?」

キョウ「・・・・・・」

キョウは集中していたためアクの声が耳に入らなかった。
あと、少しで長年の夢だった父親のノートが戻ってくると信じていたからだ。

そして、「ガチャン・・・・・・」という少し大きな音と共にカギが外れたような音がした。

キョウ 「これで開いたはずだ」

デブ 「すっげ」

アクが扉を全力で前蹴りしてみた。


「バンッ!」という凄まじい音で扉が反対側に激しく動いた。


サルはキョウがカギを開けれなかったときのために持っていた爆弾をそっとカバンにしまった。

キョウ「やったっ!」

キョウは思わず子供のようにハシャいだ。

そして、アク達は開いた扉に入ろうと足を動かした。

キョウ ≪・・・・・・やっとか≫

アク達7人は開いた扉の向こうへ姿を移した。


アク達が気絶しているマフィアの山から完全に意識を逸(そ)らすと、じっとアク達の様子を人山の中から見ていた一人のマフィアの緊張が解けた。

そのマフィアは思っていた。

デブ達5人に自分を含め武装したマフィアが一瞬でやられたことで一人だけ目覚めそのまま再度出て行ったところでどうせまたやられるということ。

さらにそのマフィアが”それ以上”にアク達を金庫に向かう唯一の道へ行かせたのも理由がある。

その最も大きな理由はアクの存在だった。

アクは悪魔の子と呼ばれていて非道なことを平気でするやつとAASSの間でも噂されていたからだ。

実際、盗撮した写真でしか見たことがなかったそのマフィアだったが観察していたことではっきりアクだと分かった。



――。

アク達は全面コンクリートで作られている道を急ぎ足で移動していた。

アク 「間違いない。明らかに頑丈そうな作りだ」


「タッタッタッタッタ!」と走ると大きな部屋に出た。

アク 「お、ヘリだ」

アク達は大きなヘリを目の辺りにした。

ヘリコプターがある部屋はカナリ大きく作られていて金が掛かっているのは素人目でもはっきり分かった。

ヘリコプターの真上を見ると割れ目があり少し大きめのボタンが壁にあったので開くことは明確だった。


サル「おおお。興奮しちゃう」


キョウ「悪いがそんなことより、ノートだ。ここまで来て取れなかったじゃすまさねえ」

アク 「そうだな。とりあえずヘリは置いといて金庫を探すぞ」


ヘリコプターがある大きな部屋からはアク達が来た道とは別に2つの道があった。

2つとも大きさは同じでどっちにいけばいいか分からない。

アク 「どっちだ」

キョウ「とにかくさっきのマフィアが目覚めて追ってくるかもしれねーから二手に分かれて探そう」

デブ 「俺もう走れない」

明らかにデブだけ顔に汗を光らせていた。

最新型の防弾チョッキと言っても冷却するまでには時間がかかるらしい。

デブ 「暑い寒いというよりしんどい。俺はここで今来た道からまた追っ手が来るかもしれないからここを命がけで見張っておくよ」


と、デブがカッコ良さ気に言ったもののその場にはメガネを残して他のメンバーはいなかった。

デブ 「・・・・・・」

メガネ「私はヘリが飛べるかどうか見といてくれだってさ」

デブ 「あー。そう・・・・・・」



アクはデブが何かほざいている間に落ち着いて地面を見ると足跡が多い道とそうでもない道があることに気付いた。

アクは迷わず足跡が少ない道を選びキョウを連れて走っていった。

アクの行動を見て他のノッポとチビとサルは足跡の多い道へ走った。

アクは金庫なんてそう使うわけがないと思い足跡が少ない方を選んだのだった。



――。

アク達がヘリコプターの置いてある部屋から出て行って5分ほどが経った。

デブ 「だーれもこないね」

メガネ「・・・・・・」

メガネは黙々とヘリコプターの状態を調べている。

デブがそっと周りを見渡すと壁にはいくつかのゴツイライフルが置いてあるのに気付いた。

デブ 「はぁ・・・・・・そんなもんより食い物ないかな・・・・・・」


そのころ一人だけ早くに目覚めていたマフィアは気絶している仲間を叩き起こすとアク達が金庫の方へ向かったことを話した。

目覚めたマフィア達はアク達を慌てて追うものとAASSの幹部に伝えるものとに別れ行動をし始めた。


――。

アク達は走っていた。

しばらく走ると今までオレンジ色の薄暗い光しかなかった道の光が突然白色の光に変わった。

人を感知するセンサーで蛍光灯がついたのだ。

アク キョウ 「!」

一瞬驚いた二人だったが白色の光で一気に遠くまで見えるようになり、目の前に広がっている光景を見て思わずアクは笑ってしまった。

アク 「あはは、こりゃすげーや」

キョウは息を呑んだ。

壁にダイヤが散りばめられていで眩しい。

蛍光灯が壁のダイヤを光らせアク達を祝福しているようだった。

そのダイヤの道は遠く5,60メートルは続いているようだった。

アク 「無駄に金使いやがって」

とは言うものの何か嬉しかった。

キョウ「とにかく早く!」

アクとキョウは今まで以上のスピードで奥へ走っていった。


一方ノッポたちが行き止まりになった場所はトイレだった。

ノッポ 「ここから隠し扉とかで金庫にいけると思う人ー?」

チビ サル「・・・・・・」

ノッポ 「よし、引き返そう!」

ノッポたちは今来た道を引き換えした。



――。


アク達はダイヤが散りばめられている道を突き進むと頑丈そうな扉を見つけた。

車のハンドルのようなものとカギ穴があり前面黒色で出来ている。

アク 「爆弾でも壊れそうに無いな、大丈夫か?」

キョウ「任せろ」


キョウは本当にカギには詳しいしらく手馴れたようすでカギ穴に持っていた工具のようなものをぶっさし「カン、カン」となにやらやっていた。

アクはどうすることもできないので今来た道のダイヤをじっと眺めていた。


3分後・・・・・・。

アク 「大丈夫か?」

キョウ「思ったより難しい」

アク 「時間は有りそうだから落ち着けよ」

キョウ「うるせー、分かってる」

――。



一方そのころ、デブ対マフィア7人の戦いが始まっていた。


デブ 「・・・・・・痛っ・・・・・・」

デブは自慢の拳で攻めて来る敵を殴ろうとするがサッと交わされ相手にダメージを与えられないでいた。

デブ ≪こいつら、さっきまでの奴等とはレベルが違う・・・・・≫


敵は1対7というより1対1でも互角のレベルだった。

メガネがヘリコプターの準備を整え終わりノッポ達もメガネがいるヘリコプターのある場所へ戻ってきた。
デブはメガネがいる部屋へ入られないように通路に出て向かってくるマフィアと戦っていた。



デブ 「くそっ」

狭い通路なので7人に囲まれることはなかったがそれでも1対2,3という戦いだった。


7人いるマフィアの後ろからさらに人が走ってくるのがわかった。

デブ ≪クソ、こんなに早く援護が来るなんて≫

少しずつ押されてデブはメガネのいる部屋へ近づいてきた。


デブ ≪こいつら一体何者なんだ・・・・・・≫



---


-------ここからしばらく英語では感情が伝わりにくいので英語を日本語に訳して書きます------

ちなみに英語の箇所は<>で囲みます。
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そもそもデブ達5人は5歳のときに全員SOILの幹部に拾われたのだった。

拾われた場所はそれぞれ違うが貧困で明日食う飯の保障さえなく全員栄養失調で、周りでは同じ子供達が食い物を求めケンカや観光客に金を貰おうと必死だった。

特にデブの居た場所は悲惨で毎日近くで紛争が起こりデブの友達は地雷で足を無くすという者も少なくなかった。

道端では飢え死にする子供が普通に倒れており誰もどうすることもなく放置されていた。

デブ自身両親の顔すら見たことも無くなぜ自分がこんなとこでそんな生活をしているのか分からなかった。

言葉はある程度分かったが文字にすることはできなかった。

今の生活が当たり前で誰からも教育を受けていなかったデブは海があることすら知らず、国の皇族やその関係者以外の人間は全員自分と同じ生活をしているのだと思い込んでいた。

ある日、デブの元に黒いスーツの男が現れた。

彼はSOILの一員で”一生SOILのために働かせられる人間”を探していた。

たまたま路地でビール瓶を加えていたデブを見かけると彼はデブに話しかけた。

男 <まだ、生きたいか?>

デブ<?>

デブは当然のことを聞かれたので反応できなかった。


男 <親はいるのか?>

デブ<いない>

黒いスーツの男に全く驚くこともなく平気な顔をしている。

デブには失うものは何も無いし死ぬことも日常的に見てきたから別に怖くもなかった。

男はそういうとカバンから持っていたパンをデブに差し出した。

男 <食うか?>

デブは無言で差し出されたパンを見ると物凄い速さで人が変わったようにパンに手を伸ばした。

男 <こいつなら生きるためになんでもしそうだな>


男はデブが両手、両足があることをボロボロのズボンや服の上から手で触って確認すると、パンをガムシャラに食べているデブを肩に担ぎどこかに消えてしまった。


そしてそれからデブ達はSOILのSS施設と呼ばれる場所で生活することになった。

教えられるのはまともなことはほとんど無く人の殺し方や現在世界を仕切っている国の悪口だった。

そんな教育を受けたデブ達は誰にも負けない格闘家になったり科学者レベルの知能の持ち主へと変わっていった。


『食うか食われるか』の世界を肌で感じてきたデブ達は強くなるということになんの抵抗もなく人も殺せといわれれば平気で殺せる人間になっていた。

SS施設から出て初めての仕事は16歳のときで、それからも施設を出るときはSOILの指揮の元で動き彼等に自由と呼べる自由は1つも無かった。


まだSS施設には数多くの子供がいて将来SOILを裏で支える人間になっていくのであった。



そして、今デブと戦っているAASSのマフィアもまたAASSが各地から拾ってきた人間を1から教育しAASSのために動く人間であった。



---

そして、デブ達はSS施設と外の世界を行き来し笑うという感情はほぼ無いに等しく笑い方すら変になっていた。

ある日、そんなデブ達にファンバードと一緒にアクが現れた。

アクはファンバードからここにいる奴等を好き勝手使っていいと言われたので個性のありそうなデブ達を選び一緒に仕事をしていたのだった。

アクと一緒にいたデブ達は自然と笑えるようになり、今までのSOILの幹部等とは全然違った”人ととして”の優しさをアクから教えてもらった。

そのためデブ達5人はSOILの幹部達よりアクの方が好きだったのである。

そして、5人は今まであまり勉強しなかった日本語の勉強をしアクに少しでも近づこうと日本語を覚えたのだった。


---

まさかデブが戦闘で苦戦しているとは知らずにアクはキョウが鍵を開けるのを待っていた。


「キーーーーーー」

と、キョウがハンドルの部分を動かすとなんとカギが開いたような音がした。


アク 「お?」

キョウ「やったぜ」

アク 「キョウにしては時間かかったな」

キョウ「うるせーってこのタイプのカギはどうしても時間がかかるんだよ」

そして、アク達は待ち焦がれた金庫へ入っていった。

金庫の中に入ったアク達は金塊が3メートルほど積まれていること驚きその近くには円を含めドルや他に見たことのない紙幣のお札が山積みされていた。

アク 「金塊眩しいな」

キョウはそんなものにも目も留めずノートを探していた。

アクはキョウに自分でノートを探させようと他の宝石や麻薬の入った袋を見ていた。

アク 「SOILの金庫にもこんなものあるのかな」

キョウ「いーからお前も探せって! 追ってが来たらどうするんだよ」

アク ≪あえて、探さないでいたのに≫

アクは見ていた宝石から目を外しキョウがいる方とは逆の方に歩き本棚のようなところへ行った。

アク 「ノートなら本棚にあるだろ」

アクは2メートルほどある本棚の自分の目線より少し上の部分を端から順に目で追って行った。

アク 「ポイのはねーな」

本に目をやりながら歩いていると「バサッ」っと落ちている本のようなものを蹴った気がした。

アクはそれに気付き目を下ろし蹴ったであろう本を手に取った。

アク 「ホコロまみれだな、大事なものならちゃんと保管しとけよ」

アクはそのホコリまみれの本の表紙を右手で「パンッ」と掃った。

そうすると今までホコリで隠れたていた文字が浮かび上がった。

アク 「magic?(マジック?)」

キョウ「なんか言ったか?」

アク 「いやー、英語でマジックって書かれたノートっぽいの見つけただけだよ。キョウが探しているのはそんなベタな名前書いてないよな?」

キョウ「・・・・・・どれどれ」

キョウがアクの元にやってきた。

キョウ「これだよ! まじか! やった! やったぞ! うっしゃー! アクありがとな! あはは! まさか本当にあるなんて」

アク 「ちょっと、落ち着けって」

キョウ「落ち着いてられっかよ! やった!やった!」

キョウは心の底から喜び、そのノートを体と防弾チョッキの間にしっかり挟み大事そうにしまった。

数分後――。

アク 「よし、じゃあそろそろ行くか」


いつの間にかアク達二人は王様のような格好になっていた。

指には眩いばかりの指輪や首にはダイヤのネックレスが身にまとわれていた。

アク 「完璧♪」

キョウ「これだけあれば一生遊べそうだな」

アク 「あはは」


総額いくらになるのだろうか、ありえないほど身にまといアク達は金庫から入ってきた廊下に出た。

すると、廊下には30名ほどの武装したマフィアが並んでいた。

アク キョウ 「・・・・・・」


男 <なめたマネしてくれたな。ここをどこだと思っている。>

アクはその男がデブの頭を持っていることに気付いた。

アク 「!」

男 <ああ、こいつはお前の仲間か。悪いが殺したぜ>

デブは後から追ってきた男に遠くから新型のショットガンで撃たれ即死していた。

そのショットガンの威力はハンパではなくデブが着ていた防弾チョッキを貫通させるほどだった。


死んだデブの頭をアクに見せつけようと首をノコギリのようなもので切断しわざわざ持ってきたのだ。

そして、アク達が何の反応もする暇なく男の列から4つの頭が飛んできた。

残りの4人だ。

メガネもサルもノッポもチビも全員首を切断されアク達の前に転がった。

メガネはデブが倒れたことを確認するとSOILに助けの連絡をいれた。

アクからは仕事中は絶対に連絡するなと言われていた。

助けを呼ぶということは仕事に失敗したということでありそのグループを指揮っていたリーダーに重い罰が与えられるからだ。

しかし、デブがやられ数十人というマフィアが襲ってくることが分かるとメガネももう助けを呼ぶしか手がなかった。

そして連絡を終えるとメガネは殺されてしまった。


5つの頭を目の前にキョウは気絶寸前だった。

アク 「大丈夫か?」

キョウ「ぁ、ぁ、なんとか・・・・・・」

男 <人の心配をするより自分の心配をしろ。悪魔の子と呼ばれているからってココを攻めるとは調子乗りすぎだ>


アク 「さすがにヤバイな・・・・」

武装した男はアク達にライフルを向けた。




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