トップページ


完全犯罪 第4部 2ページ目

完全犯罪4部1ページへ戻る

下へ




ダイスケ 「ルーレットっていうのは赤と黒の2種類の色で分かれていてそれに数字が重なってるってことは知ってるだろ?」

ユージ  「確か色の付いてない0とかなかった?」

ダイスケ 「ああ、0もあるな。でもあれは入る可能性が少ないから今は無視でいい」

アク   「それでそれで?」

みんなが黙って一人の話を聞くのは久しぶりのことだ。

ダイスケ 「で、その赤と黒って2倍なんだけど。まあ奇数と偶数でもいいんだけど。それに賭けるんだ」

ダイスケがボケてしまったのではないかとみんながキョトンとしていると。

ダイスケ 「ごめん。説明が足りないな。とりあえず赤なら赤に1万とか賭けるわけ。それで当たったら2万になるだろ。当たればまた1万を賭けるんだ」

ミサキ  「うんうん、それで?」

ダイスケ 「仮にそこで黒に入って負けたらら没収されるんだけど。そしたら次はどっちでもいいから2万賭けると・・・・・」

ユージ  「当たれば4万か」

ダイスケ 「そう、倍賭けることによって最初の負け分を含めた以上の金がもらえるってわけ」

カネイチ 「ほう・・・単純だな。それで、2回連続負けたら?」

ダイスケ 「そしたら4万片方に賭ければいい。そしたら勝てば8万もらえて1回目と2回目で負けた分が合わせて3万だからプラス5万だ」

カネイチ 「なんか、すげーな」

けんた  「まあ、2分の1だと考えて3回同じ方に賭ければなんとか一回は当たりそうだよね」

ダイスケ 「そう。仮に3回外れてもその倍で4回目やればいいだけのこと。肝心なのは当たったらまた1万に戻すってことね」

ユージ  「なんか凄いかもしれない」


ダイスケ 「やったことないから分からんが、たぶん一人でこれやるとバレるっていうかたぶん禁止されてると思うんだ。だからみんなで上手くやろうぜ」

ゴウ   「ほお・・・。俺数学とか苦手なんだよな。もう一回話してくれよ」

ダイスケ 「ああ・・・」




9人がそれぞれ完璧に分かるように説明した。



ゴウ   「なるほど!」


ダイスケ 「よし! じゃあ9人いるから4と5で別れてさりげなくやってみようか」

ゴウ   「いきなり実践かよ」

ダイスケ 「余裕だって」



カネイチ、けんた、ユージ、ミサキ ペアとアク、ミッキー、ゴウ、まどか、ダイスケのペアに別れた。


カネイチがサイフから現金100万をダイスケに渡し、いざカジノへ。


ルーレットを始める前は一回様子見で賭けず、素人を装うことやカメラを意識しないこと。
とにかく普通に楽しんでいる雰囲気を出すことなど細かいことを決めた。



9人は貴重品だけを持ちラスベガスのド真ん中と思わせるような、まばゆい光のホテルが並ぶ密集地帯へ行った。

そして自然と、4と5に別れた。

アク  「そーいえばさ、カジノって何歳から入れるんだ?」

ダイスケ「んー。二十歳じゃないか?」


雑談をしながらカジノへ。


そのときカネイチからダイスケに電話がかかってきた。

カネイチ「おい、俺んとこ21歳からしか入れないみたいだ」

ダイスケ「まじか。ちょっと待ってこっちは・・・・・・」

ダイスケは入り口の隣にある注意事項のようなものを読んだ。

ダイスケ「こっちもなんか21って書いてある」


カネイチ「けんたが言ってるんだけど、東洋人はパスポートを見せることもあるんだって」

ダイスケ「なんか、やばそうだな。一回さっき別れたところで会おう」

カネイチ「わかった」



カネイチとダイスケの携帯は世界旅行すると決めてから携帯を世界中で使えるものに買い換えていた。

けんたの携帯は最初から海外で使うことができるもので他のメンバーの携帯は時計とメモ帳の役割しか果たせていなかった。


9人がまた集まった。

人工的に作られたと思われる川が近くを流れている。

ミッキー 「21歳以上の人手〜挙げて〜」

「はーい」

と、カネイチ、ダイスケ、ゴウ、ミサキの4人が手を挙げた。

アク 「うん。4人で頑張ってくれ!」

ダイスケ「仕方ねーか」

けんた 「くれぐれも熱くならないでね」


それなりに4人は楽しそうな顔をしていた。

そして、ダイスケが連絡用に自分の携帯をアクに渡すとカネイチ達はカジノへ向かった。

アク  「これからどーしよっか? この辺の凄いホテルでも見て回るか?」

ユージ 「そうだね。あの寝るだけの安い部屋に戻るよりここら辺回ってたほうが安全そうだし」

ユージの考えは正しかった。

空港から追ってきていた3人はまだアク達に気付かれないように身を潜め近くに隠れているのだ。

なぜ空港からアク達を追ってきているのかというと、その原因は簡単でカネイチの腕時計がまぶしかったからだ。

「この集団は金持ちだ」と判断されたから後を着けられている。

でも彼等は思う。なんで金持ちなのにあんな安い部屋に泊まったのか。

3人はアク達のメンバーをそれなりに勉強してからこっち(アメリカ)に着ていると思って慎重にアク達の見せるスキを見計らっていた。

もちろん彼等はナイフやピストルを所持している。


まばゆい光を放つ豪華な風景を見ながら道を歩いているアク達。

けんたは英語で自称マフィアにメールをしているようだ。

アク 「なんか俺達ってまだまだガキだよなー。カジノ1つ入れないんだなんて」

ユージ「まだ俺達18だもんな。まどか17だっけ?」

まどか「はい」

アク達より少し後ろを歩くまどかが心配でユージはときどきまどかに話しかけていた。

ミッキー「やっぱこのメンバーが一番落ち着くよね」

アク 「ずっと一緒だからなー」

まどか「仲間っていいですね」

まどかがニコッと笑った。

アク 「ああ。最高さ」


だんだんホテルをいくつか回り大きな噴水がある公園でしばらく時間をつぶしていると日が暮れてきた。

アク 「結構、回ったなー」

ユージ「どこのホテルも日が暮れるに連れて光を増していく」


ミッキー「あー!」

と、ミッキーが遠くを指差すと遠くのほうで打ち上げ花火が綺麗に上がっていた。

アク  「毎日上がってんのかな」

ユージ 「かもねー」

まどか 「綺麗ー」


と、みんなで見とれて花火を見ていると後ろからユージに小さい子供がぶつかった。

ユージ 「いてっ」

小さい子供 「ソーリー」

子供はあやまるとそのままどこかへ行ってしまった。

けんた 「あ! ユージ、サイフある?」

ユージは後ろのポケットに長サイフを入れていたが。

ユージが後ろのポケットを手で押さえると

ユージ 「無い!!!」

アク  「さっきの子供じゃねーか?」

ミッキー「それしかないでしょ」

ユージ 「くっそー!」

アク  「追いかけるぞ! けんたはまどかを頼む」

けんた 「大丈夫か?」

アク  「このままガキにやられっぱなしでこれから世界なんて回れるかよ」

・・・・・・ユージにぶつかったのは空港から追ってきていた3人組みの一人だった。

彼等は子供に適当に物を奪わせる。
それで一応は満足なのだが彼等は追ってきた奴からもさらに脅しで金品を奪うというエビでタイを釣るというようなやり方。

特にアジア系の若い男がねらい目でこっちは子供一人と思わせることも重要なポイントだ。


アク  「確かあそこ右に曲がったよな」

アクは相手が子供一人だと思い込んでいる!

人気のないところで彼等は3人で待っている。

身長190もあるゴツイ男が二人、ナイフやピストルも持っている。

そんなことは知らずにアクとユージとミッキーは子供を追って走り出した。


アク 「やべ。見失ったかな」

アク達は子供が曲がったと思われる方向へ全速力で走っている。


遠くに子供姿が見えた。

アク 「いたいた」

普段から鍛えていたアクはユージとミッキーより速く子供を追いかける。

子供は曲がるとき一瞬振り返りアクが追ってきているのを確認すると人気のない道へ向かっていった。

高級そうなホテルが並ぶラスベガス。

子供は道に詳しいのか右へ左へ曲がって行く。

いつしか子供は古く大きなピエロの壁画が描かれている建物のある道へ出た。
それに続いてアクも子供との距離を縮めピエロの壁画のある道へ。

ピエロの壁画はライトで照らされているがそのライト自体も古くあまり光が当たっていない。

ほんの1、2分前までは豪華なホテル街にいたのだが気が付けば人気のない路地である。

アクは正面を見ると行き止まりになっており「やっと捕まえた」と思った。

子供がアクの方を振り返る。アクと子供との距離は約10メートル。
ユージ達はまだ追いついていない。

うっすらと笑うピエロの絵が描かれた壁画が照らされる中そっと子供の後ろから大男が二人影の中から現れた。


アク 「ゥ・・・・・・!」

アクは息をのんだ。

大男はアクにも分かるような大きな拳銃をアクに向けているのだ。

大男は子供を自分の後ろに移動させると拳銃をアクに向けたまま近づいてきた。


ピエロの壁画の真正面で弱い光を当たりながら動けないアク。

大男との距離が5メートルとなる。

大男 「ストップ!」


一番分かり易い言葉だ。

文章ではなく単語!

拳銃を向けられ明らかにヤバそうな服装、筋肉のつき方。

左腕には青と黒の混じったような色で炎のような絵が彫られているように見える。

アク ≪クソッ・・・罠だったか・・・≫

大男がアクに一歩一歩近づいてくるとライトの光も大男に当たりだんだん姿がはっきりとしてきた。

大男 「マネー」


もう一人の大男は子供からユージのサイフを渡されると中身を確認している。


大男 「マネー」

アク ≪必ずスキができるはずだ・・・≫

アクは両手を挙げ動けない状態ではあったがまだユージのサイフを諦めてはいなかった。


大男がどんどんアクに近づきもう手を伸ばせば触れる距離になっていた。

そんな中、後ろからユージが走ってきた。

ユージ「アクっ!」

ユージは一瞬で状況を理解した。


その瞬間ユージが意味深な言葉を大きな声で発した。

ユージ「エ(A)ー!」

アク ≪えー?≫


ユージの約5メートル前にはアクがいてアクの目の前には大男。
その大男の後ろには大男と子供がいる状況。

その中でユージの「エー!」という大きな声の意味をまだアクは理解できていなかった。

大男もなんのことか分からず動かないアクからサイフを奪った。

アクのサイフを後ろの大男に投げたその瞬間。大男がアクの目線から離れた!


アクの心は若干震えてはいたものの精一杯の力で目の前にいる大男の股間を蹴った!

大男 「アウチっ!」

大男もさすがに股間を蹴られれば立ってはいられずその場に倒れこんだ。

倒れ掛かった大男の顔にさらに蹴りを食らわす!

蹴りの衝撃で歯で口の中が切れたのか口から少しだけ血がでた。


後ろの男も黙ってはいなかった。

後ろにいた大男はサイフを子供に持たせるとアクを目標として発砲してきたが、運よくアクには当たらずピエロの壁画に命中!

薄暗い中、ピエロのライトぐらいしか光が当たっていない中そう簡単に当てることもできない。


「バン!バン!」とさらに2発撃ってきたがピエロに当たるだけだった。

そのときだった。ユージの後ろから大きな声を上げてミッキーが飛び出してきた。

ミッキー「うわあああああああああああああああああああああ!!!」

ミッキーはどこに落ちていたのか分からないが大きなタルのようなものを両手で持っている!

大男は何のことかわからずミッキーに向かって発砲したが上手いことにそのタルに当たった!

そのままミッキーは大男の目の前に走りこむとに真上から持っていたタルをぶつけた!

ユージ 「ナイス!」

ユージのナイスという声と共にアクとユージが子供に走り寄った。

ユージは自分のサイフを、アクも自分のサイフを子供から奪った。

ミッキーも調子に乗ってタルをぶつけたほうの大男からサイフらしきものを奪うと今まで見たこともない速さで3人はピエロの前から姿を消した。

倒れている大男と大泣きする子供を見て笑うようにピエロは笑顔で照らされていた。




全速力で人気の多い通りに出た。


アク 「ここじゃだめだ。もっと走ろう」

特にミッキーは疲れていたがそんなことをかまうはずもなくアク達はけんたと別れた方へ走っていった。


ミッキー「はぁ、はぁ。もうだめ」

ミッキーが疲れ果てながら走るとけんたたちが目の前にいた。

アク 「けんた。ちょっと逃げるぞ」

けんた「え? サイフは無事だったの?」

アク 「ああ、奪い返してきた、なんかこの辺にいるとやばそうだからカネイチ達のところまで戻ろう」

けんた「あー、うん」


まどかに励まされつつミッキーは走った。



それから1時間が経過した。


ラスベガスに着て最初に借りた部屋に集まっている9人。

カネイチ「へー。そんなことがあったんだ」

ダイスケ「ホントにムチャするなあ。普通諦めるだろ」

アク  「あー今考えると諦めた方が良かったかもな。一歩間違えてたら死んでたかもしれねーし。でもあのときは頭に血が上っちゃってどうしても取り戻したかったんだよ」

カネイチ「まーその気持ちも分からんでもないがな。大男が二人も出てきたらさすがに言うこと聞くしかないでしょ」

アク  「まー、一人だったらダメだったね。そういえばなんでミッキーはタルを?」

ユージ 「もしかしたらって思ってさ、先に作戦練ってたんだよ。適当だったけど」

ミッキー「うんうん」

ユージ 「俺が先に言って 『A!』と言ったら作戦Aで『B!』と言ったら作戦Bって感じで、まあ作戦は3つしかなかったんだけど」

ミッキー「Aはタルを持って突撃! Bはなんだっけな?」

ユージ 「Bは何事もないってことで様子を見てそのまま来いってこと」

カネイチ「もう1つは?」

ミッキー「まー、警察に通報っていうか。通行人に警察呼んでもらうって感じかな」

ユージ 「罠で相手が10人とか、手に負えそうにないときはCだったね」


アク  「俺身長180近くあるんだけどさ俺より大きいんだもん。久しぶりにビビったぜ」

ゴウ  「ほー。で、そのミッキーが奪った財布には何があるんだ?」

ミッキーは奪った財布を開けた。

ミッキー「ドル?」

かなりの額があった。

カード類は一切入ってない。

アク  「これ10万ぐらいあるんじゃないのか?」

ユージ 「よくまあこんだけ持ってて、さらに奪おうってか」

アク  「よかったんじゃない。金だけ抜いて財布はどっかに捨てとけば」

カネイチ「結果オーライか」

アク  「で、そっちはどうだった? カジノ」

カネイチ「ああ、教えよっか?(笑)」

カネイチはニヤっと笑った。

ダイスケ「どうせ、負けて帰ってきたらお前達に笑われると思ってさ」

けんた 「おおお」

まどかはみんなが話すのをスゴイと思いながら聞いている。

ダイスケ「まー結論からいうと、プラス500万ってとこか?」

ミサキ 「うんっ(笑)」

ミサキが飛びっきりの笑顔を作った。

アク  「ミサキなんかしたのか?」

ミサキ 「なんかね。スロットやったらそろっちゃってさ」

ユージ 「スロット? ルーレットは?」

ダイスケ「ルーレットは2分の1ならなんとかなるとか言う話になって最初100万ぐらい賭けたんだ」

けんた ≪・・・おいおい、めちゃめちゃ熱くなってる≫

アク  「それで?」

ダイスケ「そりゃもう、ハズれたよ」

アク  「あはは」

カネイチ「それでコツコツ1万ぐらいからアレはじめてさ、マイナス80万ぐらいにはしたんだ。でも最初100万賭けてるからやばくてな最後にまた100万賭けるか?って話になったときだよ。ミサキがスロットやりたいって言い出してさ。まあダメとは言えずやらしたわけ」

アク  「うん」

カネイチ「そしたらなんか1分もしないうちに ピエロみたいなのが揃っちゃってなんか店員が近づいてきて。小切手だよ。あれには笑った。」

アク  「ピエロか(笑)」

ミサキ 「それでそのまま帰ってきたの」

カネイチはパンパンになった財布を出した。

アク  「え? これだけ?」

カネイチ「いや・・・・・・」

カネイチは服のポケットから札束を出した。

ミッキー「うわあああ。ドルだ」

カネイチ「ドルはさっき見ただろ」




そんなこんなでラスベガスは終わった。

翌日。アクがあの大男の一件もあり一刻も早くラスベガスから遠ざかりたいというので飛行機に乗りニューヨークへ向かった。


ミッキー「飛行機ブーン!」

とミッキーが寝言をいいながらぐっすりしているとまもなく飛行機はニューヨークに着いた。


アク  「さっき知ったんだけどアメリカって西と東で時差あるなんて日本では考えられないな」

カネイチ「世界は広いさ」



アクが愛知から東京に出たときは、日本の中心というイメージがあったが今ニューヨークにいるアクは世界の中心にいるような気がしていた。

金もあるのでちょっと高そうなホテルを予約しアク達は9人揃ってニューヨークの街を歩いていると路上でギターを弾いている人やバイオリンを弾いている人もいてにぎわっていた。

アク 「こいつら暇人か」

アクは冷めた目で演奏している人を見て歩いていた。

ミサキがお気に入りのブランド物の専門店を見つけた。

ミサキ「あそこいきたい!」

昨日、スロットで大勝した娘の言うことを聞かないわけにもいかず9人は黙ってミサキのあとをついていった。


ダイスケ ≪ここで買い物したらこの先荷物じゃないのか・・・≫

そういう心配をしつつもミサキは服や帽子を見ている。

まどかも興味があるのかミサキと二人で商品を見るようになった。

男性人はイスに座ってけんたは店員と話している。


ゴウ 「なんかあの二人って普通に可愛いよな」

ミッキー「今更ですか」

アクはふかふかのイスが気持ちよかったのかぐっすり寝ている。


結局日本円で6万するブレスレッドをミサキとまどかに買い与えるとその場を後にした。

ミサキとまどかはご機嫌だ。

カネイチ「これなら荷物にならないし丁度いいな」

ミサキ 「うんっ」

普通にニューヨークの街を歩き腹が減っては適当な店に入りものすごい量の食物を見てはビックリしながら普通にニューヨークの街を楽しんだ。


夜、ホテルに帰りみんなが風呂からあがりホっとしていた頃、けんたがみんなを呼び出した。

けんた 「いま。自称マフィアと連絡が取れたんだけど。その話をするよ」

ダイスケ「おおお。軽く忘れかけてたぞ(笑)」

けんたはみんなに話し始めた。

けんた 「まず、自称マフィアの名前と年齢なんだけど、名前はガヴィン=ソイルで年齢があのとき29だったから今30かな」

アク  「ガヴィン=ソイルか、変な名前だな」

ミッキー「ガビーン!」

ユージ 「言うと思った」

ミッキー「えへへ、ありがと」

ユージ 「褒めてないよ・・・・・・」

けんた 「まあ、話を続けるけどいい?」

ミッキー「ごめん、ごめん」

けんたは続けた。

けんた 「俺はソイルって呼んでたんだけどね。とにかく簡単にいうと俺の元フランス人の彼女の元彼がソイルってやつなんだ」

ゴウ  「けんたもよくフランス人と付き合う気になったなー」

けんた 「まぁ。フランス語と英語を手っ取り早く覚えたかったってのが本心だけど実際可愛かったからね」

カネイチ「それで?」

けんた 「んで、なんかそのソイルってやつはイタリア人なんだけど。どうしても彼女が好きでフランスまで会いにきたんだよ。彼女の家で遊んでたらいきなり部屋に入ってきてさ」

アク  「お! 修羅場だ(笑)」

けんた 「彼女はソイルがマフィアってことがわかってそれが嫌だから振ったらしいんだけど、そのソイルがマフィア辞めたやって言ってきたんだよ。そしたら彼女が1週間ぐらい考えてどっちも好きとか言いだしてさ」

アク  「うわっ」

けんた 「んで、それがちょうど去年の今頃だったかな。俺も日本に帰るのは決まってたからさ、彼女をソイルってやつに譲った訳。でも普通に別れたら勿体無いと思ってさ、それなりに演技してソイルってやつから感謝されたってわけ」

ミッキー「さすがナンバー2」

けんた 「・・・・・・で、でね。なんか、お前良い奴だなとか言ってきて携帯番号とメールアドレス交換したんだよ。で、彼女がいないときに実はまだマフィア辞めてないって言ってさ。だから俺も日本に帰ったら仲間と大犯罪しようと考えてるって言ったらそんときは協力するって」

アク  「ほお・・・・・・。上手い話だな」

けんた 「で、こっからが本題なんだよ。今メールしてたんだけど、信じられない話なんだけどいい?」

アク  「いいもなにも(笑) 言うしかないでしょ」

けんた 「だよね。なんかマフィアもいくつかのグループに分かれてるみたいでヨーロッパの中で大きく3つに分かれてるらしいんだ」

アク  「それで?」

けんた 「で、ソイルのいるグループは3つの中では一番強かったらしいんだけど近いうちに残りの2つが合体してソイルのいるマフィア組織を潰すっていうらしいの」

ダイスケ「お・・・・・・おう?」

カネイチ「マジかよ」

ゴウ  「ほう・・・・・・?」

ユージ 「信じがたい・・・・・・」

ミサキ 「ヤクザのことならちょっと詳しいんだけどなっ」

まどか 「あはは・・・・・・」

ミッキー「フムフム」

アク  「それで?」

けんた 「だからなんか合体するまえに弱い方を先に潰すとか言ってるんだ。それで今ソイルはドイツにいるらしい」

アク  「とりあえずソイルってやつがいるグループって何人ぐらいいるのかな?」

けんた 「んーそのグループの中にもいろいろ別れてるらしいから全部は分からないらしいよ」

アク  「相当いそうだな」


ダイスケ「話が大きすぎてよく分からないな」

けんた 「んで・・・・・・もしよかったらそれに参加しないかって・・・・・・」

カネイチ「は?」

アク  「それって?」

けんた 「弱いとこを潰すのを」

アク  「なんで俺達がそんなことを。全く関係ないし」

けんた 「なんか、少しでも手伝ってくれたら日本で犯罪するときは組織全体で協力してもいいって言ってるんだ」


関係ないような顔をしていたアクが今のけんたの発言を聞いて表情が変わった。

アク  「ちょっと手伝うって例えばなんだ?」

けんた 「まあそうだね。考えられるとしたら日本人ってことを利用するんだろうけど詳しいことは分からない」

カネイチ「アク。やめとけって。マフィアは危険すぎるだろ」

アク  「そうかなー? でも逆の発想でそいつら仲間にしたら凄いことになるぞ」

カネイチ「マフィアが仲間になるわけねーだろーが」

ユージ 「決め付けは良くないよ。会ってみないことには、ただマフィアなだけでダメっていうのはおかしい」

アク  「けんたはどう思うんだ? 結局英語がまともにしゃべれるのはけんただけなんだし」

けんた 「ソイルが彼女といるときの笑顔は犯罪者という顔ではなかった。マフィア全員というわけではなくてソイルさえ仲間にすればそいつの子分が付いてくるハズだし」

アク  「じゃあ、軽く協力して弱いほう潰したあと、ソイルだけ仲間にしてマフィア全体は捨てるか」

カネイチ「何言ってんだよ、アク。マフィアは日本のそれと訳が違うぞ」

アク  「アハハ」

カネイチ「どうした? なんで笑った?」

アク  「いや、マフィアの一人ぐらい仲間にできないやつが完全犯罪なんてできっかよ」

カネイチ≪壊れてやがる・・・・・・・≫

アク  「昔からリスクはチャンスっていうだろ。マフィアを仲間にできるチャンスなんてもう二度とないと思う。ここは少々リスクを背負ってでも仲間にするべきだ」

ユージ 「まあ、ミサキとまどかはどっか遠いところでブランド物でも見とけばいいし。他にも嫌なら別れて行動しておけばいいでしょ」

アク  「そうだな。さすがに女は無理そうだ」

カネイチ「勝手にしろっ! ちょっと外でタバコ吸ってくる」


カネイチはホテルの部屋から外に出た。


アク 「とりあえず、俺とけんたとユージとミッキーはOKな? ダイスケどうする?」

ダイスケ「あー。微妙だな。その協力の内容によるって感じ」

けんた「どうせ見張りぐらいだと思うよ。俺達何も分からないんだから」

ダイスケ「見張りぐらいならやってもいいな。本物のマフィアにも会ってみたいし(笑)」

アク  「ダイスケは話が合うなー」

ダイスケ「まー、人生一回だしな。これぐらいは余裕でしょ」

アク  「その考え好きだ。できればカネイチもやって欲しいんだけどなー」

けんた 「ゴウさんは?」

ゴウ  「うん・・・・・・。俺なんて今までバイクのことしか興味なかったからいきなりマフィアだなんて言われても実感ないしどうしよ」

アク  「じゃあわかった。上手くいったら金やるよ」

ゴウ  「金?」

アク  「ああ、マフィアなんて仲間にできたらもう最強だ。金なんていくらでも稼げるだろ。とりあえず成功したら俺の貯金の半分をやるよ」

ゴウ  「アクの貯金って?」

アク  「えーっと。いくらだったかな。通帳みてないから分かんないけど、適当にホストで稼いだから4,5百万はまだあるんじゃないか」

ゴウ  「200万か」

アク  「とりあえずな。また日本で強盗とかやったときその5倍ぐらい渡すし。今からゴウも引くわけには行かないだろ」

ミッキー「ゴウだけにGOってね」

ゴウ  「あはは。そりゃおれもレースではとことんコーナー攻めてたしなあ」

アク  「じゃあ決まりだな(笑)」

ゴウ  「でも命が危ないと思ったら即逃げるからね」

アク  「大丈夫でしょ。あとはカネイチかー、あいつ101事件でリーダーだった訳だしどうしよ」

ダイスケ「俺が説得するよ」

アク  「おおお」


ミサキ 「なんかすごいねー」

まどか 「うん」


けんた 「じゃあ俺ソイルに協力するって連絡しとくよ」

アク  「おう。頼む」


アク  ≪この旅行で仲間を増やしたいと思ってたから丁度いいや≫

アクは今までにない怖い顔つきでホテルの部屋のベランダからニューヨークの夜景を見下ろしていた。

翌日。

昨日の話し合いの後、ダイスケが外でタバコを吸っていたカネイチをなんとか説得しカネイチも不本意ながらマフィアに協力することになった。

そして、ソイルのいるドイツへ向かうために空港へ向かった。


空港に着くと。

アク 「そうだ。ここからはマフィアと会う訳だし女はフランス当たりで遊んでおくか?」

ミサキ「んー。どうしよう」

ユージ「女だけで大丈夫か?」

ミサキ「そこは心配ないんだけど、別れたあとでまた会えるかな?」

アク 「んー。なんかめんどそうだから、一緒にドイツに行ってからドイツで別行動の方が良さそうだなぁ」

けんた「まどかはドイツとフランスどっち行きたい?」

まどか「そうですねぇ。どっちでもいいです。みなさんに合わせますよ」

けんた「そうじゃなくてさ、まどか的にはどっちがいいかってこと」

まどか「んー・・・・・。フランスですかね。本場のフランス料理とか食べてみたいです」

けんた「ふーん」


ユージ「ふーんってそんだけかいっ」

けんた「いや。今どきの女子高生の意見を聞きたかった(笑)」

ユージ「けんたおっさんかー」


今からマフィアと会おうとしてみんなが普段より緊張していることがわかったけんたが何気なく場を明るくした。


アク 「じゃあ、とりあえずドイツね。マフィア達と仲良くなったらフランス行ってけんたの家で一泊とかするか?」

けんた「フランスの俺んちは日本とは比べ物にならないよ(笑)」

ユージ「日本の家は、全焼してるからね(笑)」

けんた「あぁ・・・・・」

ミサキ「見てみたいなあ」

カネイチ「けんたもなんでそんなボンボンなのに犯罪なんてしようとするかなあ」

けんた「あはは、最初から何もかも揃ってた人生もつまんないもんだよ」

ユージ「まあ、俺は何もなかったけどね・・・・・」

アク 「おいおい・・・・・・。そんな話は日本に帰ってからでいいからとにかく行こう」


ゴウ ≪ヨーロッパかあ、フェラーリ見れるかなあ・・・・・・≫

アク達はドイツ行きの飛行機に乗りアメリカ大陸を離れた。


この旅行だけで飛行機に乗るのももう3回目。

しかも1週間もしないうちに3回。

予定よりずいぶん早いペースの旅行となっている。


そして、しばらくするとドイツに着いた。


アク 「機内では寝るのが一番だな」

ユージ「だねー。英語が機内を飛び交うのも聞いてるだけでなんか疲れるし」


入国手続きを済ませ、空港から出ているバスに乗り、フランクフルトというの中心街へ向かった。

バスの車内。

アク 「フランクフルトにソイルがいるんだ?」

けんた「うん、いるはず」

ミサキ「私達一緒に来ちゃったけどいいのかな?」

アク 「中心街で別れればいいでしょ」

カネイチ「ほらよ」

カネイチは無造作にミサキに60万を渡した。

ミサキ「こんなにいいの?」

カネイチ「いいよ。カジノで予想以上に勝ったからね」

ミサキ「やったね。まどかぁー!」

まどか「はーい」


フランクフルトの風景はすごい。

東京にあるのような高いビルがいくつも並ぶ中で少し目線を外せば遠くに山も見える。

カネイチ「さすがに環境に力入れてるだけのことはあるな」

ダイスケ「確かに。こんなとこにマフィアがウロウロしてるなんて信じられない」

アクは正直想像以上の景色に圧倒されていた。こんな世界があるのか、と。
ロールプレイングゲームの世界に自分が入り込んでいるような感覚が少しあった。

川も綺麗で家族連れが川で何組か遊んでいる。

ユージ「東京では信じられない景色だな」


個々にドイツの景色を楽しみながらフランクフルト中心街へとアク達の乗ったバスは到着した。


アク 「じゃあ、ミサキとまどかはここから別行動な。ダイスケの携帯渡しておくからこっちから電話するまで電話かけるなよ。んでもし1週間してなんの連絡もなかったら黙って日本に帰れ」

ミサキ「何言ってんのよ。連絡がこないなんて。とりあえず2,3日したら連絡頂戴よ」

アク 「ああ。わかった」

アクの顔はいよいよマフィアと会うと思い嫌でも引き締まる。

ダイスケの携帯をミサキに渡すとミサキとまどかは街の中に溶け込んでいった。

ユージ「まあ、ミサキは東大生だし、親はヤクザ。あほそうに見えるけど実はしっかりしてるだろうから。安心だな」

アク 「そうだね。少なくとも俺達より過酷な人生だったと思うし」


そんな話を駅前のちょっとした広場で話していた。

ミッキーはどうも落ち着かない様子。

ミッキー「すげーな。全員ドイツ人かな?」

アク  「そりゃそうだろ」

ミッキー「なんかみんなサッカー選手っぽいね」

アク  「・・・・・・・だな」


どうでもいいような話をしているとけんたの携帯が鳴った。

けんた 「ソイルからメールだ」

アク  「お?」

けんたは携帯を見ると、

けんた 「もう少ししたら仲間と一緒にそこ行くからもうしばらく待って、だってさ」

アク  「外人は時間にルーズって言うし、仕方ないか」

けんた 「ソイルに会うのも久しぶりだなー」

カネイチは環境に気を使っている国ということでタバコを吸いたかったが我慢している。

ダイスケは携帯で町並みを写真に取っている。

ゴウ  「ドイツの街中をバイクで飛ばしてみたいなー。確か高速道路は時速の制限無いらしいしー」

アク  「へー」


日本人が街の真ん中で7人も集まっているというのは目立つようでソイルがアク達を発見するのには時間がかからなかった。


「ケンター!」

道路に駐車した真っ黒でかなり大型のリムジンから降りてきた一人の男がけんたを呼んだ。

けんた「おーソイルー」

けんたが愛想良く手を振るとけんたがソイルと呼んだ人物が車からアク達の方へ歩いてきた。


ダイスケ「マフィアなのか? 服装は普通だぞ」

けんた 「そんなのマフィアだからって特別な服は着てないって」


ソイルがだんだんアク達の方へ近づいてくるとありえない光景を目にすることになった。

ソイルが降りた車の後ろに同じような車が何台も駐車し、中から大男達がサングラスをかけ全身黒い服を着てソイルの後ろから何人も歩いてくる。


アク 「おい? ヤバくねぇか?」

カネイチ「ソイルの敵だったらソイルがまず驚いてるだろ、全部仲間だろ」

アク 「そ、そうか」

ソイルの仲間を全員見方につけようと考えていたアクは驚きを隠せない。


周りのドイツ人達がアク達、いやソイル達を見ている。

ソイルがけんたの前に着くとソイルの仲間らしき人たちはソイルの後ろに綺麗に横に並ぶ。その数は軽く20を超えていた。

けんたが何やら英語を話す。


アク達はただ相手の雰囲気に圧倒されるだけだった。

けんた 「全員ソイルの仲間だって(笑) んで、ここじゃあ何かと目立つからホテルに行くって」

アク  「ああ、わかった。行こう」


遠くの方でアク達に気付かれないように見ていたミサキ達もそのありえない光景にただ驚くしかなかった。

ミサキ 「大丈夫かな?」

まどか 「大丈夫でしょう。こっちもそれなりにすごい人なんだから」

ミサキ 「アク達のどこが凄いのよー。全然出てるオーラが違うって(笑)」

まどか 「オーラですかあ。でもまあ、もう後戻りできないみたいだし」

ミサキもまどかも少しは心配だったがアク達を信じることしかできなかった。





ありえないお迎えを受けたあとアク達はソイルの乗る一番大きなリムジンに乗りフランクフルトの高級そうなホテルへ向かった。

さすがのアク達もこのときばかりは足が震えた。

車内ではソイルとけんたが仲良く話していることが唯一の救いだった。


リムジンはホテルへ。

地下駐車場にリムジンを止めソイルに言われるままにホテルの最上階へ向かった。

エレベーター内。

アク 「おい。けんた、ソイルってなんだ? 下っ端ではないよな?」

けんた「俺もびっくりしてるところ、そんへんの力がどれぐらいあるかよく分からないんだ。あとで聞いてみるね」

エレベーターから降りて大きな部屋へ案内された。

そして今までに見たことも無い長いソファーに座らされた7人。
その後ろにはソイルの仲間が約10人立っている。

正面にソイルが一人座るとソイルの後ろには5人の仲間が立っている。

全く英語が理解できないアク達はただけんたとソイルの話を見ているしかなかったが背もたれに背中をつけることは無かった。
ソイルがときどき見せる笑顔が何か怖かった。

カネイチ ≪だから嫌なんだよ。もう生きた心地が全くしねー≫

ユージ  ≪・・・・・・まさかソイルがマフィアの幹部ってオチか?≫

ミッキー ≪あの人ソイルより年上そうなのにソイルの後ろに立ってるってことは実力ねーな(笑)≫

ミッキーが少しニヤリとするとソイルの後ろに立っていた男がミッキーを鋭い目でみた。

ミッキーは思わず目線を外しテーブルにあったオレンジジュースを飲み干した。

ダイスケ 「はやく話終わらねーかな」

アク  ≪ミッキー。よく出された飲み物飲めるよな。毒入ってたらどうすんだ・・・・・≫

それぞれが頭の中でさまざまなことを考えているとけんたがアクに話しかけた。


けんた 「アク達は隣の部屋に行ってくれる?」

アク  「長くなりそうか?」

けんた 「いや、なんか日本語が話せる仲間がもうすぐ来るからそいつと今後の作戦を練ってほしいって」


けんたと離れることがとても不安な6人は泣きそうな顔になり、まるで子犬がエサを求めてやってきたような顔をした。

けんた 「みんな絶対大丈夫だから、みんなでそんな顔されても」

けんた爆笑。



重い腰を上げた6人は後ろにいたマフィアの一人に隣の部屋へ案内された。

「オマエラ、ココデチョットマッテテネ」

隣の部屋も同じような長いソファーがあり6人は言われたように長いソファに座った。

アク達を見張っているのか一人だけアク達のいる部屋にマフィアがいる。


しばらくすると、日本語の話せるマフィアが隣の部屋からやってきた。


マフィア「おー。ジャパニーズ」

アク  「ど、どうも(日本語使えるのにジャパニーズってか、ミッキーと同じニオイが)」

マフィア「俺の名前はファンバード。よろしくねー」

アク  「日本語上手いですね」

アクは少しほっとした。

ファンバード「ああ、日本人のヤクザとの交渉で命がけで日本語学んだから」

ファンバードはみため25,6歳で小柄ながらも頭がとても良さそうな感じ。この人を一瞬でマフィアだと判断することはたぶん誰にもできないだろう。

ファンバード「ところで、協力してくれんだよな?」

交渉のことになると少し強気になるのはファンバードの昔からのクセだ。

アク  「はい。上手くいけばこちらにも協力してくれるという話ですよね?」

アクも普段使い慣れない敬語を使わざるにはいられなかった。

ファンバード「ああ、日本で暴れるんだっけ? いいよ、仲間なら俺の部下だけで2000人ぐらいいるから500人ぐらい連れてけ、なんなら一人日本円で1000万ぐらいで売ってやってもいいし」

アク 「500人ですか・・・・・・それにしても本当に日本語上手いですね」

ファンバード「この世にな、命を賭けてできないことなんて何1つないんだよ。語学も一緒」

アク  ≪なんで、こんな優秀そうな人がマフィアなんだよ・・・・・・≫


アク以外のメンバーはアクがファンバードと話すのを邪魔してはいけないと黙って会話を聞いている。

アク 「1つ質問いいですか?」

ファンバード「おう」

アク 「ソイルって人は凄い人なんですか?」

ファバード「あーあの隣にいるソイルさんは凄い人だな、分かり易く言えば日本のヤクザの若頭ってとこだろう。ソイルさんの父親が俺達SOIL(ソイル)の頭だ。SOILっていうのは組織の名前な」

カネイチ ≪苗字が組織名か≫

ファンバード「まあ俺は昔から仲良くさせてもらってるからナカナカ親しいよ」

ミッキー ≪なかなかだけ、カタコトになった、うける(笑)≫


ダイスケ ≪とんでもねーことになってないかな?≫

ダイスケは重い口を開いた。

ダイスケ 「あの私はダイスケっていうんですけど、SOIL全体で何人いるんですか?」

ファンバード「ああ。みんなの自己紹介まだだったね。全体の数を教える前にみんな名前教えてよ」

仕方なくアクを除く5人は順番に名前をいった。

ファンバード「なるほどね、カネイチって金持ってそうだな」

カネイチは金を取られると思ったのか腕時計を右手でさりげなく隠した。

ファンバード「まあ、日本の金持ちつったってたいしたことないよな。アハハハハハハ」

ダイスケ 「それで、何人いるんですか?」

ファンバード「それがわかんねーんだ。たぶん今日だけで300人ぐらい増えてると思うぞ。アメリカからアジアまでとにかく世界各地でSOILのメンバーは増えて行っている。4年前に集めたデータだけで50万ぐらいいたかな。今もこうやってお前ら7人も仲間になったわけだしな」

カネイチ ≪世界各地に仲間がいるんだったらなんでわざわざ俺達を誘うんだよ≫

アク  ≪・・・・・・仲間になっただと?≫

アクは自分から仲間にするのは好きだけど、仲間にされる。つまり誰かのグループの一員になることは大嫌いだった。


アク  「俺達は仲間になるんじゃない。互いが協力するんだ!」

アクがその発言を発した瞬間、場が凍りついた。







4部3ページ目へ





トップページへ戻る