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完全犯罪 第2部 8ページ目

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アク  「そうだね、帰ろう」

ミッキー「最後に一曲 二人で歌ってよー」

ユージ 「いいねー、記念に」

あゆみ 「しょうがないなあ。東京で鍛えた声を聞かせてあげる」

あき  「まあ最後だからいっか」

二人は課題曲でなんども歌ったという歌を歌いプロの力というのをアク達に見せつけた。

ユージ 「いやーすごいねー」

ミッキー「生きててよかった」

ユージ 「それいいすぎ(笑)」

アク  「よし、帰ろう」


アク達は電車で帰ればいいものをわざわざタクシーを使って帰った。

ミッキー 「姫様達に電車は似合いませんよ」

ユージ  「そうはいうもののお前 金無いだろ」

ミッキー 「てへっ」


冗談を言いながら楽しく帰宅した。

あきとあゆみを家へ送るとアク達3人は一度アクの家に集まった。


アクの部屋。

ユージ  「アクの部屋ってこんな大きいんだ」

アク   「ああ、いちおう12畳あるけど」

ミッキー 「でもここしきりみたいのあるね」

アク   「ああ、前までねえちゃんいたから」

ユージ  「ああ、いたんだっけ。どこいったの?」

アク   「大学、今どっかの寮に住んでるらしい」

ミッキー 「へー。2部屋合わせて12畳ってことか」

アク   「まあそんなことはどうでもいいだろ」

ユージ  「確かに。で、あきと何話したの?」

ミッキー 「俺もそれ気になってた」

アク   「ああ、隠すことないし言うけど、東京こないかって言われた」

ユージ  「引っ越すの?」

ミッキー 「いーじゃん、前住みたいって言ってたし」

アク   「そうだけど。いちおう高校は卒業するって親と約束してるし」

ユージ  「アクは一度決めたことは最後までやりそうだからなあ」

ミッキー 「そうだね。一緒に住んでてよくわかったよ。あの夜のランニング」

ユージ  「あぁ。俺達からしたら考えられなかったな」

アク   「あれはもう慣れだね」

ミッキー 「まあでも、あの家燃えちゃったし。これからどうする?」

アク   「あ!おれけんたに言うの忘れてた!」

ユージ  「あ(笑)」

アク   「また電話しとく」

ユージ  「んで、どうするかだね。これから」

アク   「まあ、一度実家っていうか自分の家戻ろうか」

ミッキー 「まあ、それしかないよね」

ユージ  「確かにね」

ミッキー 「俺家出みたいに出てきちゃったから戻りにくいけどしかたないね」

ユージ  「まあ、最悪 土下座すりゃなんとかなるでしょ」

ミッキー 「あはっ。俺達監禁されてるし。あれに比べたらいいか」

アク   「あったね。あははは」

ユージ  「笑いごとじゃないって、あれまじ最悪人生変わってた」

ミッキー 「ハイジャックもあったね。あははは。なんか面白すぎる」

アク   「今思えばなんか面白いな」

ユージ  「終わったことだから、笑えるんだね」


アク   「まあ俺には完全犯罪という夢があってこれもやるつもりだし」

ユージ  「そうだね。俺もついてくよ。なあミッキー?」

ミッキー 「もちろん。絶対面白いもん」

アク   「ありがと、でも一回ここでちゃんと考えたほうがいいかもな」

ユージ  「何を?」

アク   「人生だよ。俺達は犯罪するために生まれてきたわけじゃないと思うし」

ユージ  「確かにそうだけど。これと言ってやることないし、また見つかったらそれやればいいと思う」

ミッキー 「ってか、完全犯罪なんだから誰にもバレない。つまりなんだろ、俺達は犯罪者にはならないんだよ」

アク   「ちょっと日本語おかしと思うけどニュアンスは分かるな」

ユージ  「もう3年か、大学とか就職とか人生そこでみんな分かれるね」

ミッキー 「俺達は大学進学コースだから、大学いくんだよね?」

ユージ  「でも俺達ホントになにも勉強してないし、いけるのかな」

ミッキー 「ちょっと前先生が言ってたけど、今は金さえ払えばいける大学があるんだって」

アク   「まあ、そんな大学行ってもなにも実につかないと思うけどね」

ユージ  「言えてる(笑)」

アク   「じゃあ最後の1年はみんな自由に生活しよう。」

ユージ  「それがいいかもね、どうせ一緒のクラスなんだし」

ミッキー 「よし、俺は甲子園目指すぞ」

アク  ユージ  「あははは」


4月。アク達は高3になりそれぞれ自由に生活をしていた。

アクはけんたの家が燃えたことをけんたに話すとけんたは笑ってこう言った。

アクとけんたとの電話のやりとり。

けんた  「ああ、親父の言ってた通りだ。あははっ」

アク   「ん?どういうこと?」

けんた  「あのね。実は家には地下2階があってそこに本当に大事なものを隠してあるんだよ」

アク   「え?大事なものって?」

けんた  「俺もよくしらないんだけど、なんかワインだったり値打ちのあるものかな」

アク   「そうなんだ。地下2階があるなんて想像もしてなかったよ」

けんた  「実はおれも入り方知らないんだ」

アク   「すごいな。お前んとこの親父は」

けんた  「あははは、そうかな」

アク   「そうそう、あきと前はなしたあゆみが歌手デビューするんだって」

けんた  「うそー? すげえーじゃん」

アク   「ねー、まえ顔みたけどめちゃめちゃ可愛かった」

けんた  「俺もみたいなー。写メとかないのー?」

アク   「ないない(笑)」

けんた  「あーデビューするんだったら雑誌とか乗るよね。それネットで買おっと」

アク   「まあ、好きにすればいいって」

けんた  「あ、そうそう。俺来年東京の大学行くことになると思うんだ」

アク   「おおお!!帰ってくるのか」

けんた  「うん。それでね、アクも東京にこないかなーって思っててくる?」

アク   「・・・あははははっ。それあきにも言われたよ」

けんた  「え?あきにも?」

アク   「なんか面白いなー。俺もあきに言われるまえから東京行くつもりだったし」

けんた  「そっかー。じゃあまた東京で会えるといいね」

アク   「面白そうだね」

けんた  「一緒のマンションだったらもっと面白そうだし」

アク   「あはは。それドラマみたいですごくいい」

けんた  「まあ、まだ1年あるし、いろいろあるだろうけど。またなんかあったら連絡してくれ」

アク   「わかった。ほんと、家もえちゃってゴメンね」

けんた  「ああ、たいしたことないよ(笑)」

そういってけんたの電話は切れた。

アク   「けんたはスケールが違うな。」


それからアクは東京で暮らすための資金を集めることに集中した。

ネットオークションで稼ぎつつ。またさくらもやりはじめた。

ユージとミッキーも金を集めることに専念していたようだがその方法がちょっとかわっていて。

そこらの中学生にエロ本を売るという裏技だった。

ミッキー 「なんで、500円で買った本が中学生に1000円で売れるんだろうね?」

ユージ  「さあーね(笑)」

それぞれ金を貯めて恋愛して遊んで、勉強してミッキーは冗談で野球部に入部し3日でやめていた。


3人とも車の免許も学校に内緒でとった。





あれから1年が過ぎた。





3月。三星高校卒業式。


卒業式も無事におわり、先生やクラスメイトに最後の別れを告げ解散となった。



アク  「はやかったな、3年は」

ユージ 「そうだね。今までで一番はやかった1年だった」

ミッキー「でもおれたちフリーターだね・・・」


ユージ 「それ禁句だよ・・・」

アク  「うん・・・」


アク達は3人とも東京の大学を4つ受け全滅した。

ユージ 「はー、センター試験はカンニングで上手くいったのにな」

アク  「東大受験はあほだったね」

ミッキー「うん。白紙でだしたし・・・」

アク  「まあ、雰囲気だけ味わえたのがよかった」

ミッキー「これからどうするよ?」


アク  「とりあえず、家には居られないから俺は東京行くよ」

ユージ 「俺も、これ以上親の下で生活するのは無理だ」

ミッキー「そうだね、金もあるしね?」

アク  「お前等いくらあんの?」

ユージ 「ミッキー。アクをビビらしてやれ(笑)」

ミッキー「二人合わせて300万」

アク  「おお。またなんか悪いことしたのか?」

ユージ 「まあ原付きパクって中学の不良にやすーく売ってただけだよ」

ミッキー「ついでにエロ本もね」

アク  「あはは、でも俺は一人で400万あるけどね」

ユージ 「えー・・・。1年で400万???」

ミッキー「さすがアク様、アク様はどうやって稼いだの?」

アク  「まあ、いろいろやったけど、一番儲かったのは女紹介かな」

ミッキー「そっか。アク様、かっこいいからねー」

ユージ 「それってどんなけ儲かってたの?」

アク  「えっとね、メアドで1000円。上手くいったら1万ぐらいもらってた」

ユージ 「すげーなー」

アク  「なんかもう悪魔になった気分でさ、ナンパして友達になって紹介するみたいな」

ユージ 「ナンパか・・・。さすがだ」

アク  「まあ、その気になれば誰だってできるとおもうよ」

ミッキー「たぶん、アクぐらいしかできないよ・・・」

ユージ 「うん。そうだね」




後藤先生 「よー。お前たちとっとと帰れよ」

ミッキー 「あー、先生何泣いてるんだよ」

後藤先生 「礼儀だ」

ユージ  「礼儀か・・・」


アク   「先生またね。帰ろうぜ」


後藤先生「あいつら東大受けるとはそうとう変わったやつらだったな。これからもなんか面白いことしそうだ」

後藤先生はアク達を見送ると本気で泣いていた。

後藤先生 「おれも、10代に戻りてー」



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卒業式を終え帰宅した。

アク  「親父ー。約束どおり高校卒業したぜー」

アク父 「おめでと、でもお前これからどうするんだ?」

アク  「あー、家出るよ。」

アク父 「そうかー。そう言うと思ってた。まあお前の人生、好きに生きろ。嫌になったらいつでも帰ってこい」

アク  「親父カッコいいな」

アク父 「ああ、これ言うためにお前を産んだのかもしれんな」

アク  「は?」

アク父 「冗談、冗談。」


1週間後。

アク  「じゃー俺、行くわ」

アク父 「もう行くのか?一人か?」

アク  「大丈夫、友達も誘っていくから」

アク父 「あの、東大一緒に受けたやつらか?あははっ」

アク  「なにがおかしいんだよ」

アク父 「悪い。母さんにもなんか言ってけ」

アク  「昨日の夜さんざん話したからもういいよ」

アク父 「そうか、ああ、これもってけ」

アク  「なんだこの袋?」

アク父 「これ金だ。10万ある」

アク  「金か、ありがと、ありがたくもらっとくよ」


アク父 「ああ、じゃまたな」

アク  「ああ、暇だったら正月ぐらい帰ってくるよ」

アク父 「わかった」


アクは家を後にしてユージの家に向かった。

アクはユージの家に近づくと電話した。

アク  「今家の前にいるから」

電話をきるとユージが出てきた。

ユージ 「よー。手ぶらか?」

アク  「ああ、財布と携帯しか持ってない」

ユージ 「じゃあおれもそれで行こうかな」

アク  「なんとかなるって」

ユージ 「だね、身軽なほうがいいね」

アク  「よし、ミッキーの家行こう」


二人はミッキーの家に歩いた。

ミッキーの家の前にミッキーがいた。

ユージ 「え?ミッキーそれ荷物おおすぎだろ?」

ミッキー「だって、着替えとか寝袋とかいるでしょ?」

アク  「いるかな?・・・」

ミッキー「ってか二人は身軽だね・・・」

アク  「大丈夫だって、身軽でいこうぜ」

ミッキー「わかったよ。」


3人は財布と携帯だけを持って愛知県を出発した。

脱出方法は、簡単。

ヒッチハイクだ。

アクはナンパで身に付けた度胸を武器に次々と車止めては交渉して東京に向かった。






大型トラックの車内。

トラック親父 「お前たち 大丈夫か?」

アク     「なにがっすか?」

トラック親父 「頭だよ・・・」

アク     「俺達東大生ですから(笑)」

【注】東大は受けただけで受かってはいない。

でも、東大生が春休みを利用して3人でヒッチハイクをして旅をしてると言うと案外信じられてしまう。

トラック親父 「東大か。すげえな」

ミッキー   「あんなとこ誰でも受かりますよ」

アク ユージ 「あはははははははっ」


そうやってトラックを何台も乗り継ぎ3日で東京へ無事つくことができた。

ユージ   「財布も取られてないし。ただでここまでこれるとはね」

アク    「で・・・ここどこだろう?」

ミッキー  「さっき看板みたけど八王子って書いてあったよ」

ユージ   「八王子?聞いたことあるな」

アク    「とりあえず住む家探そう」

ミッキー  「どこに住むの?」

アク    「あきは世田谷に住んでるって言ってたけどね」

ユージ   「せたがや?・・・」

アク    「とりあえず世田谷行ってみるか」

ミッキー  「いこーう」




2部おわり。
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