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完全犯罪 第2部 5ページ目

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一方ユージは、てつやに電話したもののてつやは電話に出ない。

ユージ 「ヤバイな。向かってるかもしれない」





てつや達は、ユージの思っていた通りアクの家の側にいた。

ひろと 「こんなに持っていったらアク達ビビるだろうなー(笑)」

かじ  「そうだな。これ全部売ったら200万は軽いな」

てつや 「お前のは借りもんだろー」

かじ  「あ!そうだった」



ひろと 「あれ?アクの家(けんた家)車止まってるな」

かじ  「警察っぽい車だなー」


てつや 「あれ。本当だ。俺ちょっと様子見てくるからみんなはここにいろ」

てつやは一人でけんたの家の側へ近寄っていった。

かじ  「しかしよくこれだけ集まったな」


・・・何人集まったのかというとざっと30人だ。

かじ  「みんな隠し場所困ってたのかー?」

 「おーう」  「使えるもんは使うさ」 「置くとこなかったんだよね」

「腹減ったなあー」  「早く帰ってジャンプ読みてー」



かじ 「まあ・・・勝手に話すわなあ」


ひろと 「あれ?お前だれ?」

乱馬  「ん?俺のこと?」

ひろと 「お前だれだ?」

乱馬  「俺、乱馬。よろしく。こいつに誘われた」

たつや 「おう。俺が呼んだ」

ひろと 「お?お前もだれだ・・・」



覚せい剤を持っているやつがほぼ全員集まったようだ・・・。

四星高校の生徒だけではない。乱馬は三星高校だし。二星高校の生徒もいる。

かじ  「ネットワークってすげーな。一声でこんな集まるもんか・・・」


つばさ 「死ぬときはみんな一緒さ」 

ひろと 「ってお前もだれやあああ!!!」




てつやが帰ってきた。

かじ  「どうだった?」

てつや 「なんかヤバそうだ。俺の第6感がそう言っている」

たつや 「シックスセンスってやつだな」

てつや 「ってお前だれやあああ!!!」


ひろと 「あの車が出てから行こう」

てつや 「おう。とりあえずみんな散らばれ」

乱馬  「♪」




そのころけんた家。


金田一 「後藤君さ。家あるんでしょ?親心配してると思うよ」

アク  「公認なんでー」




まだ警察はけんたの家でアクと話している。

金田一はもちろんアク達がデパートの事件の犯人なのではないかと思っている。

けんたの家は近所では有名になり『子供達だけで住んでいる』と広まっていた。

それが警察に伝わった。

警察は手がかりが余りなく手当たり次第に捜査していた。

そして等々けんたの家までやってきたのだ。


金田一 「君一人で住んでるんじゃないんだろ?

アク  「はい。3人で住んでます」

金田一 「そうかー。他のコはどこいった?」

アク  「バイトですね」

金田一 「へー」


アクも薄々気付いていた。

何か自分を疑っている警察の目。口調。

だからアクも嘘は付けない。1つの嘘が致命傷になる。



アクと金田一は20分ほど玄関で話した。

金田一 「じゃあ、くれぐれも近所の人と仲良くして迷惑にならないように」

アク  「はい・・・」


金田一は帰って行った。


てつや 「おや・・・車が動くぞ」


かじ  「よし、行くか」




一方けんた家。


アク  「ユージー。もういいぞ。帰った」

ユージはそっと奥から顔を出した。

ユージ 「やばい。あいつらに連絡取れてない」

アク  「大丈夫だってあいつらあほそうだけど捕まるようなことは無いと思う」

ユージ 「しかし、警察に目を付けられてるとはなあ」

アク  「俺の顔見られちゃったしやばいな」

ユージ 「大丈夫、なんとかなる」




「ピンポーン」

「おじゃましまーす」


てつやとかじとひろとの3人が勝手に上がってきた。

アク 「おお。お前等無事か」

てつや 「さっきの車警察だったのか?」

アク 「そうだよ」

てつや 「この家に置いて大丈夫なのか・・・心配だ」

アク  「・・・地下室は大丈夫だ。バレっこない」


ユージ 「って持ってきたの?」

かじ  「おう(笑)外に30人ほど人が集まってるぜ」

アク  「嘘だー?(笑)」

アクとユージは表へ出た。


アク ユージ 「!!!」

ユージ 「アク・・・あれ乱馬だよな?」

アク  「なんであいつが・・・」





一方そのころ・・・ミッキー。


ミッキー 「お疲れさまでしたー」

ミッキーはバイトを終えけんたの家へ向かっていた。


ミッキー 「今日は、二人姫がいて面白かったなあ」

ミッキーは相変わらずテンションが高かった。

ミッキー 「今日はいい日だなー♪」


ミッキーは、テンションが高かったせいか途中でジュースを3本買った。

ミッキー 「いつもおごられてばかりだから、たまにはお返ししないとなー」

ミッキーはけんたの家へ帰った。









アク  「みんな隠すのはいいけど簡単には取り出せないよ?」

てつや 「大丈夫。みんなまだ持ってるから。これでもまだ一部」

ユージ 「犯罪者の集まりか(笑)」

アク  「地下室の場所とか教えたくないからここに置いて」


つばさ 「えー教えてくれよー」

たつや 「教えろよー。ケチー」

乱馬  「ブーブー」

アク  「まーいっかー。運ぶのめんどいし。ついてこい」


30人が長い列をつくり地下室へ入って行く。

そこへミッキーが帰ってきた。

ミッキー「ただいまー♪・・・」

ユージ 「おう、ミッキー」

ミッキー「何?この人達」

ユージ 「簡単に言えば仲間だ」

ミッキー「俺ジュース3本しかねえよ」

ユージ 「ん?」

ミッキー「いや、なんでもない。ってみんな何で地下室いくの?」

乱馬  ≪どっかで見た事あるな・・・≫

ユージ 「事情は後で説明する」








30人が地下室へ入りそれぞれ目立たない場所へ置いた。

アク  「よし、一回外出るぞ」

ミッキー「何?植物でも育てるの?」

ユージ 「あれは大麻だよ」

ミッキー「大麻?・・・」



アク  「一回みんな外でろーー!!!」




全員外へ出た。

てつや 「フー。一件落着か」

アク  「よし、じゃあみんな帰れ」

かじ  「飯食いにいこーぜー」




アク  「かいさーーん!!!」









「ありがとなー。またなー」

30人の内何人かがアクに向かって感謝をいうと去っていった。


アク  「お前等も帰れーー!」

乱馬  「ねぇ。もしかしてさお前等って三星高校?」

ユージ 「うん」

乱馬  「そっかー。まぁ俺の大麻よろしくな」




乱馬も帰った。


ミッキー「何?今日祭り?」


アク  「・・・説明するよ」



アクはミッキーに覚せい剤のことについて説明した。

ミッキー「ええ・・・。今そんなことになってんだ」

ユージ 「誰にもいうなよー」

ミッキー「家にモノがあって言えるわけない」

アク  「そうだ・・・。地下にあるんだ」


ユージ 「どうなることやら・・・」





何事もなく1ヶ月が過ぎた。


ある日。




アク  「お、久しぶりにてつやからメールだ。他にも知らない奴からメールが・・・」

てつや 【1ヶ月経ったけど、まだ隠しておいてくれないか?(はぁと)】

アク  「ユージ・・・これ見て・・・」

ユージ 「はぁとってなんだよ。キモイなあ」

ミッキー「カワイイね」

ユージ 「カワイイか?騙されんな(笑)」

アク  「ってこいつは誰だ。アドレス登録してないんだけど」

onigiridaisuki@… 【俺の大麻 元気か?】

アク  「俺オニギリ君から3日に一回は大麻元気か?ってメールくるんだけど・・・」

ユージ 「出会い系よりウザイな(笑)」

ミッキー「あはは」

アク  「コイツ誰だろ・・・」

ユージ 「まあ・・・誰でもいいでしょ(笑)」

アクはてつやに返信をした。

アク  【警察は捜査やめたの?】

てつや 【四星高校の生徒は誰もバレてないよ】

ユージ 「ああ・・・アホの典型の解答だ。質問に答えてない(笑)」

アク  「もう一回送ってみるか」

アク  【もう隠さないでいいの?俺達はまだ隠して置いても平気だよ】

てつや 【そうか。なら隠しておいてくれ。そんなことよりかわいいコいない?(はぁと)】

アク  「・・・。」

ユージ 「アホはほかっとくのが一番」


アク  「そうだね・・・。」

ユージ 「あ!俺等そろそろバイト行かないと」

ミッキー「そうだった!行ってきまーす」


ユージとミッキーはバイトへ出掛けた。


ユージ達が家を出て10分ほど経った。

「ピンポーン」

アク  「なんだよ・・・客か・・・どうせあいつ等のうちの誰かだろう」


金田一 「おーい。俺だよー。あーけーろー」


アク  ≪ヤバイ。とりあえず携帯の受信と送信消しとくか≫

金田一 「明かりついてるんだからいるんだろー」

アク  「はーい!」

アクは玄関を開けた。

アクの目の前には金田一ともう一人みたことのない刑事が立っていた。

金田一 「久しぶりだな。後藤君」

アク  「どうも」


金田一 「こいつは、俺の後輩の 工藤 信一君だ」

工藤  「どうも。初めまして」

アク  「どうも。なんすか?・・・」


金田一 「あのデパートの事件知ってるだろう?」

アク  「デパート?」

アクは上手くとぼけた。

金田一 「あの大爆発で少女が一人死んだやつだ」

アク  「ああ、ニュースで見ました。それで?」

金田一 「・・・あのデパートに行った経験は?」

アク  「ありますよ」

金田一 「あの事件の日は、なにしてた?」

アク  「ん?もしかして俺疑ってます?」

工藤  「君と似たような人を見たって情報があってね」

アク  「そうですか・・・俺は行ってないですよ」

工藤  「じゃあ、友達とかであやしい人知らないか?」

アク  「んー。知りませんよ」


金田一 「次へ行こうか。工藤君」

工藤  「はい。じゃあまた後藤君」

アク  「お疲れさまです」



すんなり金田一達は去って行った。

アク  ≪完全に怪しまれてるな≫


工藤の運転する車内。

金田一 「どうだった?」

工藤  「あやしいです」

金田一 「あやしいよなぁ・・・」

工藤  「張ってみますか?」

金田一 「んー。考えておこう」







数日後。三星高校。



姫野あゆみ 「後藤君ー」

アク   「おー、おはよー」

姫野あゆみ 「オーディションさー」

アク   「お?どうだった?」


姫野あゆみ 「落ちちゃった(笑)」

アク  「あきはー?」

姫野あゆみ  「あきもー、落ちたー」

アク  「そっかー残念だったねぇ」

姫野あゆみ 「うん。でも来年もあるらしいからリベンジするよ。」








数週間後。警察署。



工藤信一  「んー・・・。」

金田一   「工藤君どうした?」

工藤信一  「デパートの事件、犯人がわかりませんね・・・」

金田一   「ウム・・・。証拠がほとんど出ないからな」

工藤信一  「複数犯の仕業であることには間違いないから一人捕まえれば終わる事件なのに」

金田一   「これだけ時間が経つとあの事件の捜査をする人手もだんだん減るなあ」

工藤信一  「はい。やはりプロの仕業なのでしょうかねぇ」

金田一   「んー・・・どうだろうねえ。マンガや小説みたいな名探偵もいないし」

工藤信一  「俺、名前は似てるんですけどねぇ」

金田一   「・・・」



警察達はアク達が行ったデパートの事件の捜査を諦めかけていた。

金田一   「あせることはない、じっくりいこう」

工藤信一  「はい。後藤 アクがあやしいんですけどね」

金田一   「そうだよな・・・あやしいだけで証拠がない」

工藤信一  「ベルトやMDプレイヤーは売ったのか、隠してあるのか」

金田一   「あるとしたらあのやっぱりあの家か」

工藤信一  「証拠もなく立入捜査できないしな」

金田一   「なにか証拠はないものかな」

工藤信一  「まあ。じっくり考えましょう」

金田一   「1つ犯罪をした人間ってのは、また犯罪を犯すものだしな」



それから3ヶ月が経った。

アク達、AKYMのメンバーは誰一人捕まっていない。

ある日の午後7時のけんた家。


アク   「もう警察も家に来なくなったなあ」

ユージ  「そうだねー」

ミッキー 「そうだねー」


アク   「俺さーあきと別れたんだ」


ユージ  「は?何をいきなり!」

ミッキー 「ええ?いつ?」



アク   「昨日ー」

ユージ  「なんで別れちゃったの?」

アク   「東京行くんだってさ・・・姫野と」

ミッキー 「はぁ?!!!!」

ユージ  「歌手?・・・」

アク   「んーっと。歌手になるためにレッスンするんだって」

ミッキー 「ほお・・・。二人でか・・・」

アク   「来月には行くってさ」

ユージ  「そっかー・・・。姫野あゆみがいなくなるとクラスのマドンナが・・・」

ミッキー 「よし・・・来月バイトやめよ♪」

アク   「まあ・・・そうなるだろうなあ。ミッキーは」

ユージ  「東京かあ・・・」



そして1ヶ月が経った。

アクはあきと別れた。

そもそもアクはあきのことが余り好きではなかった。

でも、いざ別れるとそれはそれで寂しかった。


ユージ  「はー・・・マジで東京いくとは思わなかったな」

ミッキー 「やっぱ、別の世界の人だったんだ」

ユージ  「かもなあ」



ミッキーとユージは自分の気持ちを姫野あゆみに伝えることなく見送った。


ユージ  「アクも元気ないしなー」

ミッキー 「俺達もバイトやめちゃったし」

ユージ  「なんか、一気に活気が無くなったな・・・」

ミッキー 「活気か・・・」





季節は流れ3月。
けんたの家に隠してある覚せい剤は今だ警察にバレていない。

警察は、デパート事件の犯人を捕まえることができない。

デパートで死んだ少女の兄、りょう。

彼は、三星高校に見事合格した。

りょう  「警察は諦めても俺は絶対諦めないからな」

りょうはまだアク達を追っている!




そしてアク達は高2になった。

ユージ  「なんか最近平和だよなー」

アク   「なんもしてねーからね」

ミッキー 「もう高2かー。高校生なんてすぐ終わっちまう〜」



4月。相変わらず3人でけんたの家で暮している。

3人共原付きバイクの免許を3月に取得した。

バイクは3人で1台(てつやから譲ってもらった)

3月アクはさくらのバイトをやめた。

アクの残金は40万強。

ユージとミッキーはバイトをしていないためお金をほぼ持っていない。

3人共。彼女無し。


地下にあった覚せい剤類は全部無くなった。

1月と2月に五星高校に警察が入り数人の生徒が警察に捕まった。

五星高校の株はどんどん下がり、今年の1年は2組しかない。


姫野あき、あゆみペアは東京へ行ったきり連絡をとっていない。

けんたはフランスでフランス語をマスターし、ガールフレンドと遊んでいる。

外国でその国の言葉を覚えるにはその国の恋人を作るのが一番早いらしい。

アク  「しかし・・・ただ時が流れていくだけだな」

ユージ 「ヘコむようなこというなよー」

ミッキー「野球部にでも入って甲子園目指すか?」

アク  「いいねー」

ユージ 「あれ?アクって野球できるの?」

アク  「来る球打ち返すだけさ」

ユージ 「どっかで聞いたセリフだな・・・」

ミッキー「じゃあ野球部入る?」

アク  「まあ、入らんけどね」

ミッキー「だよねー・・・」





アク  「なんかまた犯罪する?」

ミッキー「お?」

ユージ 「犯罪はまだやめといたほうがいいとおもう」

アク  「まーそうだよね」

ミッキー 「ホントに平和ボケしそー」




たいした事件もおきず7月になった。

アク  「ダメだ・・・俺達・・・平和だ・・・」

ユージ 「学校行って帰ってバイト行って帰ってゲームして寝る。繰り返し・・・」

ミッキー「なんか、3人で暮らすのもなれてきたしね」


けんたの家で3人暮して1年と半年近くになった。

アク達は初めこそ戸惑っていたものの今では全員が主婦並の動きで家事を行う。


ミッキー「皿洗いなら世界取れるな」

ミッキーは何を目指しているのかわからない。

ユージ 「あ!そうだ。今年もけんたは帰ってくるんだろ?」

アク  「んー・・・なんかこの前メール来たんだけど・・・」

ユージ 「ん?・・・」

アク  「フランス人の彼女とエジプト旅行に行くらしい・・・」

ユージ 「ええ。マジで?はははっ・・・」

ミッキー「なんでエジプトなんだよ・・・」


アク  「知らないけど・・・」

ユージ 「じゃあ・・・俺等もこっそりいっちゃおうぜ?」

アク  「って、お前等 金ないだろ」

ミッキー「俺たちゃ。盗賊。無いものは奪う」


アク  「そーだったっけ・・・?(汗)」

ユージ 「エジプトかー。ピラミッド登ろうぜ」

ミッキー「おー。いーねー!!!」


アク  「オイオイ・・・勝手に盛り上がるなー」




一方そのころ。警察署。


工藤信一  「おい。お前等さっさと白状しろ」

てつや ひろと  「・・・」




てつやとひろとが警察に捕まっていた。






てつや   「お前じゃ話にならねー。別の呼べ」


工藤信一  「なんだとー!!」

ひろと   「いいから変われって」


 「トン トン」


金田一   「入るぞ」

工藤信一  「ああ。先輩」

金田一   「こいつ等なんかしゃべったか?」

工藤信一  「いえ。」

金田一   「私がやろう。お前はちょっと休憩しとけ」

工藤信一  「はい」




てつや   「ちょっとは話がわかるやつか」

ひろと   「さーな」


工藤信一は部屋から去った。





てつやとひろとは路上で黒人から覚せい剤を買っているのを現行犯逮捕されてしまった。

警察は他にも仲間がいるのではないかと二人を追い詰めている。

てつや 「だから、俺達二人だって」

金田一 「じゃあ、こうしよう」

てつや 「ん?」

金田一 「仲間を教えてくれたらお前たちの服役期間を短くしてやろう」

てつや 「だからいねーって」


ひろと ≪あぶね・・・。いいそうになった≫ ←汗



金田一 「とりあえずお前等の親がくるまでここにいろ」


金田一は部屋から去った。

てつやは小声でひろとに言った。

てつや 「ひろと、何も言うな。どうせ盗聴器がしかけられている」

ひろとは小さくうなずいた。




7月、末。


結局、てつや、ひろと、かじの三人が捕まった。


そして3人は少年院へ。


その知らせはすぐにアク達に伝わった。



アク  「あいつら、アホだ・・・」

ユージ 「だな・・・」

ミッキー「俺達結構危なかったんじゃない?」

アク  「あのまま地下に隠していたらヤバかったかもね」

ユージ 「なんか、一気に知り合いが減ったよなー」

アク  「姫野ペアに、あの3人か」



ユージ 「まあ俺達は、あいつらの帰りを待つことにして・・・」

アク  「そうだよな。夏休みだし。エジプトだ」

ミッキー「でも、俺達お金なーい」


アク  「それなんだけど、俺、稼ぐ方法知ってる」

ユージ 「お?」



アク  「ネットを使うんだよ」


ミッキー「そういえば最近アク一人でパソコンしてるよね」

ユージ 「ネットかあ」



アク  「俺最近さ、ネットオークションにはまってるんだ」

ユージ 「おーくしょん?」

ミッキー「オークションで何売るの?」


アク  「簡単に言えばさ、オークションで安く買って高く売る」

ユージ 「おお・・・。ってそれできるならみんなやってるよ?」

アク  「うん。そうだよ。みんなやってること」

ミッキー「なるほど・・・。誰よりも安く買って高く売ればいいんだね」


けんたの家には3台のパソコンがある。

リビングに1つ、2階の部屋に1つ。地下室に1つ。

地下室のパソコンは素人の目からみても明らかに高そうなパソコンだ。


アク  「けんたにはもうパソコン使っていいって許可もらったから」

ミッキー「おー。じゃあ勝負だね。誰が一番稼げるか」

ユージ 「いいね!」

アク  「ってか、二人はパソコンいじったことあるの?」

ミッキー「バイトで少し」



アク  「そうなんだー。じゃあ俺地下室の使うからー」

ユージ ≪最悪、デパートで獲ったベルトとか売ればいいかな・・・≫

ミッキー≪俺こういうの得意かも≫


アク  「話聞いてる?(笑)」


ユージ 「おうおう。」

アク  「わからんことあったらなんでも聞いてくれ」

アクはユージ達がバイトで留守にしていたときからこっそりパソコンで遊んでいた。


5日後。

アク  「どうだみんな、オークションなれてきたか?」

ユージ 「俺、これはまりそう」

ミッキー「買おうと思ったやつが残り1分とかでバンバン上がって買えないよー」


アク  「あはは。じゃあ、俺からアドバイスしてやろう」



ユー  「なになに?」 

アク  「俺達も残り1分で買えばいい」

ユージ 「それしてるけど、上がるんだよ」

アク  「例えば、1万で買おうとしたやつが1万100円になっても1万200円って上げるから意味ないんだ」

ユージ 「ほう?」

アク  「1万だったら一気に1万2000円ぐらいまで上げちゃえばみんな諦めるはずだよ」

ユージ 「なるほど一気に上げるか」

ミッキー「やっぱ、狙い目はブランド物だね」

アク  「そうかもしれないな。偽物でもすごい値段付くときあるから」

ユージ 「俺、ブランド物なら偽物と本物の区別ができるよ。昔、先輩から聞いたことがある」

ミッキー「おお。」



アク  「まあ、みんながんばってくれ。勝負だからな」



それから3週間が経った。


けんたの家には、さまざまな物が送られてくる。



アク  「ブランド物多いな」

ユージ 「全部、偽物だけどね」

ミッキー「ネットってすげーもの売ってるんだなー」


アク  「何売ってた?」

ミッキー「なんかオンラインゲームの中のアイテムとか・・・」

ユージ 「ゲームの中のアイテム?・・・。そんなの売ってんのか・・・」

アク  「謎だな」


それから2週間が経った。8月。


アク  「けんたからメールがきて来週の木曜からエジプト行くって」

ユージ 「おお。とりあえず全部売るか」

ミッキー「って俺、注文したものが届いてないんだけど」

アク  「・・・。騙されたのか(笑)」

ミッキー「ネット怖い・・・。でも俺も金振り込んでないからいいけど」

ユージ 「どっちもどっちかよ」



アク  「俺は今12万稼いだけどみんなは?」

ユージ 「プラス10万」

ミッキー「プラス8万と原付きバイク」

アク  「原付き買ったの?」

ミッキー「うん。なんか買えた」



アク  「ってかね、ネットで調べたんだけどエジプトまで約20時間。旅費一人30万」

ユージ 「ん?・・・」

ミッキー「俺達・・・30万も無い」


アク  「そこで選択肢は3つ」

1.諦める。 2.誰かに金を借りてケチケチエジプト旅行。 3.犯罪をして普通にエジプト旅行。


ユージ 「そんなもん。あれに決まってるだろう」

ミッキー「だよね。選択にする必要ない」

アク  「どれにするんだよ?」

ミッキー 「原付きで行こう」


ユージ  「ミッキーは決まりで」

アク   「俺達は、犯罪で?」

ユージ  「んーーー。どうするかなーーー」


ミッキー 「るんるん」


アク   「ルンルンしてんじゃねーよ」

ユージ  「エジプトー」

ミッキー 「あれ?パスポート持ってる?」

アク   「俺ある」

ユージ  「海外行ったことないけど、ある」

ミッキー 「みんなあるんだね」

アク   「ミッキーは?」

ミッキー 「2枚ある」

ユージ  「ミッキー今日ボケすぎだぞ。ちょっとうざくなってきた」

ミッキー 「うさピョン」

アク   「まあまあ。ケンカしてる場合じゃない」

ユージ  「金ぇー。90万とかどう稼ぐんだよ」

アク   「よしきに借りるか?」

ユージ  「なるほど・・・」


ミッキー 「俺ちょっと聞いてくるよ」

ミッキーはそう言うと原付きに乗ってよしきの元へ行った。


アク   「行動力あるよな」

ユージ  「結局自分が行くハメになるってわかってるんじゃないのかな・・・」

アク   「あはは」



20分もするとミッキーが帰ってきた。

ミッキー 「借りれたよ」

ミッキーは右手に100万の束を持っている。

アク   「おお・・・。さすが元店員。信頼性がある」

ユージ  「よっしゃ、さっそくエジプト行こうぜ」

ミッキー 「やっほー」



そして、アク達はけんたがエジプトに着く日に会わせて日本を飛び立った。


アク   ≪海外か、犯罪のニオイがプンプンするぜ≫

ミッキー 「エジプトまで約13時間か・・・」



3人は空席を利用して飛行機に乗っているので席がバラバラだ。

ミッキー  「まーいっか」

ミッキーはいつの間にか寝てしまった。


アク    「暇だなー。カイロってどんなとこだろう」

アクはユージの隣の席に黒人が座っているのに気付いた。

アク    「ユージついてないなぁ」

ユージは隣に座っている黒人のバッグが開いているのに気付いた。

ユージ   「・・・。」

ユージは見てはいけないものを見てしまった。

ユージ   ≪おいおいおい。隣の黒人、明らかに包丁持ってるよ≫


黒人は、ユージに話し掛けた。

黒人    「オー、ニイチャン、ドコイクノ?」

ユージ   「?」

黒人    「アーソウカソウカ。ヒコウキ ダカラ、ミンナイッショカ」

ユージは、うなずいた。

黒人は笑っている。


ユージは黒人の様子をうかがいながら寝たフリをした。

アク    「俺もねよっと・・・」


3人はぐっすり寝ている。



3人が寝てから5時間が経った。


ユージ   「ゥ・・ウ。」

ユージが目を覚ました。

ユージの隣にいたハズの黒人がいない。


「キャアアアアアアアアアアアアアアーー」

スチュワーデスの叫び声が前方から聞こえる。

ユージ  「まさかね?・・・(笑)」

ミッキー 「ん?俺の・・・目覚まし?・・・。Zzz」

ミッキーはまだ夢の中だ。


アクもぐっすり眠っている。

ユージ  「みんな寝てるか・・・」

スチュワーデスの叫び声で乗客の一人が飛行機の前方へ歩いて行った。

ユージ  「度胸あんなー」

他にも叫び声に気付いている人は少なくない。
歩いて行った男が戻って来た。

男    「ヤバイ。ハイジャックだ。」

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