完全犯罪 第2部 4ページ目 下へ 完全犯罪 2部 3ページ目へ戻る けんた 「みんなに電話してみよう!」 雨はポツポツ降っている。 けんた 「もしもし〜?アクかー?」 アク 「ハァハァ・・・どうしたけんた?」 けんた 「無事かー?誰にも見つかってにないかー?」 アク 「ハァハァ・・・俺は大丈夫だ。それよりミッキーが心配だ」 けんた 「わかった。でもむやみに電話すると捕まってたときマズイことになるな」 アク 「そうだね。ハァハァ・・・。俺もうすぐけんたの家着きそうだ」 けんた 「はやいねー。俺もすぐ戻る」 アク 「よし。じゃあまたあとで」 けんた 「おし。じゃあまた!」 電話はきれた。 そのころユージ。 ユージ 「みんな大丈夫かな。もしかして俺だけ捕まってなかったりして」 雨がちょっと強くなってきた。 ユージ 「とりあえず、さっさとけんたの家に帰るぞ・・・」 ユージはけんたの家の方角に歩きだした。 それから20分が経った。 アク 「ふぅ、やっと着いたぜ。俺が一番かな」 けんた 「おーい、アク〜はやくこっちこいよー」 アク 「おお。けんたーはやいなー」 けんたは玄関に立っている。 けんた 「はやくーこいよー」 アク 「わかったって(笑)」 けんたは一足はやく自宅についていた。 アク 「けんただけかー」 けんた 「うんー。みんな無事かな?ってかアク何獲ったの?」 アク 「MDプレイヤー6個〜」 けんた 「ケースに指紋とか残してないよねー?」 アク 「もちろん♪それにしても面白かったなあ、けんたもこればよかったのに」 けんた 「面白いって〜、どこらへんがー?」 アク 「なんていうかなー、やりたい放題なところがー」 けんた 「あー。なるほどー」 余韻に浸っていると続々と仲間が帰ってきた。 ユージ 「勝手にお邪魔しまーす♪」 アク 「おーユージ。ばれてないよなあ?」 ユージ 「もちろん♪ もう客より先に店出たんじゃないかってぐらい早かったよ」 アク 「あはは、そりゃないでしょ」 けんた 「でー。ユージは何を獲ったの?」 ユージ 「俺はねー、3万のベルトと2万ベルトと・・・服かな」 ユージはカバンからベルトを出した。 アク 「おー!高そう」 7人もかえってきた。 さすがに全員女装はしていない。 ユージ 「おつかれー(笑)バレてないでしょー?」 7人の内の一人 「ばれてないとは思うけど」 ユージ 「だよなー。案外ちょろかったなー」 7人の内の一人 「成功報酬の1万は?」 アク 「ああ・・・みんな帰ってきてからね。金ならある」 アクはけんたの家の引き出しから自分の金をだした。 けんた 「そんなにあるの・・・」 アクはざっと30万ほどだした。 アク 「ずっとまえからちょくちょく貯めてたからね」 7人はほっとしたようだった。 ユージ 「あれ?ミッキー遅くない?」 けんた 「そうだね。ちょっと遅いかもね」 アク 「まさか?・・・」 ユージ 「そんなハズないでしょ・・・」 そのころミッキーは大変なことになっていた。 乱馬 「ねー、おねーさん電話番号おしえてよ」 ミッキー「・・・」 なんとミッキーは乱馬にナンパされていた。 場所はデパートのすぐそば。 ミッキーはパチンコ店から出ると女装のままけんたの家に向かっていた。 そこを乱馬に見つけられたのだ。 乱馬 「ねー。いーでしょ?」 ミッキー「・・・」 乱馬 「いいものあるけど、いらない?」 乱馬はポケットから普通に覚せい剤を出した。 ミッキー「!!!」 乱馬 「黙ってねえで、なんとか言えよ!!!」 ミッキーが黙っていると乱馬はキレ始めた。 ミッキー ≪参ったなあ・・・≫ ミッキーは相変わらず沈黙している。 乱馬 「ち。警察官が事情聴取しているようだし帰るか」 確かにデパートにいる警察官は片っ端から事情聴取をしている。 ミッキー≪助かった≫ 乱馬はミッキーの前から消えた。 ミッキー 「俺も警察官に事情聴取されるわけにはいかない」 ミッキーは急いでけんたの家に向かった。 警察はデパートの中を調べている。 警察A「んー。レジから金が奪われているな」 警察B「どう考えても複数の犯行でしょうね」 警察A「最低5人は必要だ」 警察B「複数となるとやはり計画されてますよね」 警察A「そうだな。防犯カメラの映像は?」 警察B「ダメです。犯人らしき人物は特定できません」 警察A「そうか。参ったな」 警備員 「すいません。私犯人らしい人みました」 警察A 「なぜ、はやくそれを言わない!で、どんなやつだ?」 警備員 「身長は165〜170で髪は長く。女性のような感じでした」 警察A 「なぜ捕まえてない」 警備員 「それが、ものすごく足がはやくて」 警察A 「足がはやい?・・・女?・・・」 警察B 「女装かもしれませんね」 警察A 「こりゃ。甘く考えないほうがいいな」 警察B 「爆弾って自力で作れるんでしょうか?」 警察A 「ネットで調べれば中学生でも作れるだろうな」 警察B 「そんなもんですか。火薬とか必要なんですよね?」 警察A 「そうだな・・・一応最近大量に火薬を買った人物はいないか調べてみるか」 警察の調査は続いた。 警察は奪われたものがMDプレイヤーやベルトや男性用の服からも犯人は男だと推測している。 警察A 「んー。だんだん見えてきたぞ」 一方そのころけんた家。 ミッキー 「ただいまあ・・・」 アク 「おー。ミッキー遅いよー」 ミッキーは昼過ぎに帰ってきた。 ミッキー 「ゴメン。途中へんなやつにナンパされたりしてさ」 けんた 「まあまあ。帰ってきたことだし!」 ユージ 「ミッキーはなに獲った?」 ミッキー「適当に時計とか指輪とか」 ユージ 「え?そんなのどこにあった?」 ミッキー「え?普通にあったよ(笑)」 アク 「あれ?これ高そう・・・」 けんた 「値札付いてる。どれどれ・・・」 アク 「いくら?」 けんた 「この時計、35万だ。こっちの指輪は14万8000円」 ユージ 「・・・ミッキー見直した」 ミッキー「あはは・・・でも、最後に警備員に見つかったけどね(笑)」 アク 「あほか!!!」 ミッキー「大丈夫だって、走って逃げてきたから」 アク 「大丈夫かなあ・・・」 ユージの連れてきた7人はまだけんたの家で待っていた。 アク 「あ!そうだ。」 アクは7人に約束通り1万を渡した。 「ありがと。またする時は呼んでね。俺達も暴れたいから」 7人のうちの一人はそういった。 「じゃあまた」 7人はそういうと帰っていった。 アク 「なんか、さっぱりしてたなあ」 ミッキー「あの人達は、小学生のときから悪いことしてるし、なれてるんじゃない?」 アク 「なれか・・・」 けんた 「とりあえずさ、奪ったものや犯行に使ったものを地下室に入れておこう」 アク 「そうだね」 その日の夕方。 ユージ 「アクーみてみろよーニュース」 アク 「ん?」 けんた 「あのデパートか」 ミッキー「俺達すごいことしたんだな」 アク 「こりゃたいへんだ」 テレビに映っていたのは警察や警備員が何十人もいるデパートだった。 けんた 「あそこ、俺が爆破させたんだよな。壁が焦げてる」 ユージ 「なんだ。けんたか、俺一瞬焦ったぜ」 けんた 「あはは。ゴメン」 アナウンサー 「犯人は今だ見つかっておらず、現在有力な情報がないか検査中です」 アク 「お。見つかっていないって(笑)」 ユージ「見つかってたら俺達ここでのんびりテレビなんてみてないよ(笑)」 アナウンサー 「ただいま新情報が入りました」 アク 「お!」 ユージ 「なんだなんだ?」 アナウンサー 「・・・死者1名・・○×☆△♪☆★☆・・・」 アク 「・・・」 けんた「・・・」 ユージ「・・・」 ミッキー「・・・」 アク達は耳を疑った。 死者1名。そのあとアナウンサーがなんと言ったかは耳に入らなかった。 アク 「人殺したのか・・・」 みんなは黙っている。 放心状態の中けんたが声を出した。 けんた 「きっと俺のせいだ。俺の爆弾で」 アク 「やめろよ。誰か一人が悪いってことじゃない。」 ユージ 「そうだよ。捕まるときは全員一緒だ」 アク 「馬鹿なこというな。俺達は捕まらないぞ」 ミッキー 「人が死んだら警察も本気で動くだろう」 アク 「明日、7人をもう一回呼んでどうするか話そう」 けんた 「そうだな」 次の日。 午後6時。 全員けんたの家に呼んだ。 けんた 「まあ座ってよ」 アク 「みんなさ、とりあえず名前教えてよ」 話始めて4時間が経った。 7人の名前は、 たか (二星高校) けい (ニ星高校) かじ (四星高校) せと (四星高校) しんや(四星高校) てつや(四星高校) ひろと(四星高校) 共通していえるのは、全員タバコを吸う。 ちなみにアク達4人は誰もタバコを吸わない。 それぞれ子供のころから悪いことばかりしてきたようだ。 たか 「俺さ、中学のときケンカして相手の前歯折ったことはあるんだけどな」 かじ 「俺は、放火したよ」 ひろと 「かじだけにな」 かじ 「うるせーよ、表でろ。ってお前も一緒だったじゃねーか」 アク 「ケンカはやめよう・・・」 たか 「人殺しはしたことねえな(笑)」 てつや 「またその話かよ」 たか 「はあ?今一番大事なのはこれをどうするかだろうが」 てつや 「はあ?表でろ」 アク 「ケンカはやめようよ・・・」 せと 「みんなタバコ吸いたいだけじゃねーの?中じゃ吸っちゃいかんし」 けんた 「じゃあ。タバコ吸いたい人外で吸ってていいよ」 そういうと、7人は揃って外へ出て行った。 ユージ 「どうする・・・これ(笑)俺の連れあほばっかで・・・」 アク 「あれでニ星高校行ってるってすごいよなあ・・・」 ユージ 「頭いいやつが全員真面目って限らないよ」 アク 「見てればわかる・・・(笑)」 ミッキー 「んー・・・。」 アク 「どうしたミッキー?」 ミッキー「何も・・・」 外に出た7人が揃って帰ってきた。 たか 「7人で話したんだけど、俺達は逃げない」 てつや「まあ、逃げたほうがあやしまれるが」 たか 「そこでだ。この11人で仲間にならないか?」 かじ 「俺、そういうのあんま好かん」 たか 「好き、嫌いじゃねーだろ。団結しねーとすぐ捕まるぞ?」 かじ 「まあなんでもいいけど・・・」 たか 「みんなもいいだろ?」 他の5人は小さくうなずいた。 たか 「決まりだな」 ミッキー 「あのさ、俺達4人は団結してるんだよね」 たか 「ああ・・・見てればわかるけど」 ミッキー「だからさ、俺達の方に混ざるってのはどう?」 たか 「ってことは、ユージがリーダーか?」 ユージ 「俺じゃないよ。アクだよ」 たか 「アクか。ユージだったら勘弁だったけどな(笑)」 かじ 「俺は仲間にはなるけど、自分が嫌だと思ったことはしないからよろしく」 てつや 「お前まだ、そんなこと言うのか。捕まるぞ?」 かじ 「うっせぇなあ。嫌なもんは嫌だろうが」 アク 「まあまあ。俺もそんなムチャなことは言わないから安心して」 たか 「で・・・名前とかあるんだろ?」 ミッキー「アクユメ」 たか 「あくゆめ?・・・なんか縁起悪いなあー」 てつや 「いちいち、文句つけてんじゃねーよ、表でろや」 たか 「うるせぇよお。黙って麻雀でもしてろお」 てつや 「てめえ、名前のことは触れるなって前々から言ってただろうが」 たか 「ロン、ロン言ってろおー」 ふざけながらも話は進みそれから30分が経った。 アク 「じゃあ、そういうことで」 たか 「了解〜。」 全員が全員と携帯番号を交換した。 アク 「じゃあ、今日は飲むかあ!!!」 たか 「今日はやめておこう。外、警察多いし」 アク 「そうだな・・・」 けんた 「じゃあ、今日は解散で」 たか 「わかった」 7人は、帰って行った・・・。 ユージ 「やれやれ・・・。なんか疲れた」 けんた 「みんな根はいい人みたいだね」 ユージ 「ああ・・・。だいたい不良ってあんなもんだって」 アク 「ふぅ・・・一気に7人増えたね」 ミッキー 「そうだね・・・」 けんた 「とりあえず・・・俺達は何ごともなかったように生活しよう」 アク 「それさっき言ってたね♪」 けんた 「確認だよー」 それから数週間が経ちけんたはフランスへ帰った。 夏休み最後の日。けんたを除いた10人でけんたの家に集まった。 アク 「みんな無事か?」 たか 「大丈夫だ」 アク 「よし。とりあえずバレてないようだな」 てつや 「なんでバレないんだろうね」 たか 「知るかよ」 けい 「はー。平和に暮してぇ」 たか 「・・・」 しんや 「俺さ・・・。実はあれなんだよね」 たか 「お?しんやどうした?」 しんや 「いやね・・・彼女が妊娠してさ・・・」 てつや 「あほだなー。ちゃんと避妊しろよー」 アク 「・・・」 ユージ 「とりあえず・・・どんまい・・・」 しんや 「おめでとうでしょ普通(笑)・・・」 ミッキー≪姫 元気かな・・・≫ あっという間に夏休みが終り2学期が始まった。 デパートでの事件は殺人が起こっただけに捜査は続いている。 デパートで死んだのは、11歳の女の子だ。 客が混乱して出入り口に殺到したとき押しつぶされて死んだ。 その女の子には両親と4つ上の兄がいる。 兄(りょう)は、警察とは別に犯人を捕まえようと思っている。 りょう 「絶対、許さない」 りょうは現在中3で来年三星高校へ入学する予定だ。 アク達は、夏休みが終わると元の生活に戻った。 7人とは、連絡はしているものの最近は会っていない。 姫野あゆみ 「ねえ。この前のデパートの事件すごかったよね」 アク 「ああ、すごかったね」 朝、姫野あゆみがアクに話し掛けてきた。 姫野あゆみ 「ところでさー。私来月ー・・・」 アク 「来月?」 姫野あゆみ 「来月に歌手になるためのオーディション受けようと思うんだ」 アク 「おー・・・」 姫野あゆみ 「あきと一緒に・・・」 アク 「え?!!!あきも?(笑)」 姫野あゆみ 「あき言ってなかった?・・・って先週応募したばっかりだからまだかな」 アク 「あきって歌上手かったっけ・・・?」 姫野あゆみ 「上手いよー」 アク 「知らなかった・・・」 最近アクは、あきと遊ぶことが少なくなった。 アクは、学校が違うだけでこれほど会わなくなるとは思っていなかった。 アクはあきのことは好きだが、愛してはいない。 あきもそれに気付いたのかあきの方からも連絡は少なくなった。 姫野あゆみ 「もしさ・・・オーディションに受かったら東京に引っ越すかも」 アク 「ああ・・・。まあ当然か・・・」 姫野あゆみ 「うん。」 その日の帰り道。 アク ≪たまにはあきにも連絡してみよっかな≫ アクはいつもの3人で帰宅すると一人で青空公園へ向かった。 アク ≪久しぶりだな、なにか落ち着く≫ アクは久しぶりに青空公園のブランコに座った。 アク ≪久しぶりに電話か・・・なんか変に勇気がいるなあ・・・≫ 「ニャーニャー♪」 小さな仔猫がブランコの後ろで鳴いている。 アク ≪なんかちょっと勇気が沸いてきたな・・・≫ アクは、あきに電話を掛けた。 アク 「もしもーし?あきー?」 あき 「あ?アク?どうしたの?」 アク 「久しぶりに会わない?」 あき 「今からー?今学校にいるんだけどー」 アク 「そっかー。まだ帰ってこれないの?」 あき 「んー。あと30分ぐらいかなー」 アク 「わかったー。じゃあ帰ってきたらメールして」 あき 「わかったー」 アクは一人であきが来るまで待った。 アク 「遅いなあー」 30分ほど経った。 アク 「お。メールだ」 あき 【家についたけどー。どこで会うー?】 アクはメールがめんどかったので電話を掛けた。 アク 「もしもーし」 あき 「あー。アクー?」 アク 「今さー。青空公園いるからー会わないー?」 あき 「うん。わかったー。犬の散歩もあるしー」 アク 「じゃあー待ってる」 5分後。 あき 「アクー」 アク 「お?」 あきが犬を連れて青空公園へ入ってきた。 アク 「久しぶりー元気だった?」 あき 「うん♪」 あきは久しぶりにアクに会ったせいかテンションが少し高い。 アク 「歌手になるの?」 あき 「ああ。私は誘われただけだよ。一人で行くの寂しかったんじゃない?」 アク 「あー。なるほどね・・・」 あき 「あゆみからアクのこと聞いてるよ」 アク 「俺のことなんて言ってた?」 あき 「えっとねー」 アク 「うん」 あき 「話しやすいってー」 アク 「ふーん・・・」 あき 「あ、私そろそろ帰るね!忙しいんだ」 アク 「そっかー。じゃー家まで送るよー」 あき 「うん。ありがとー」 二人はあきの家へ向かった。 アク 「一星高校面白い?」 あき 「まー。うん。アクは?」 アク 「面白いよー。」 雑談をしながら歩いているとあきの携帯が鳴った。 あき 「ちょっと電話に出るね」 アク 「うん」 あき 「もしもーし」 アクには相手の声は聞こえない。 あき 「え?本当に?うん、うん。わかった。」 電話は切れた。 あき 「大変・・・」 アク 「どうした?」 あき 「えっとね・・・。友達のあきこが死んだ」 アク 「あきこって・・・友合中学の?」 あき 「そう、あのコ、五星高校へ行ったんだけど・・・自殺だって・・・」 アク ≪・・・五星高校か・・・≫ あき 「自分の家のマンションから飛び降りたって・・・」 あきは泣いている。 アク 「俺もクラス一緒になったことないけど葬式行くかな・・・」 あき 「・・・一体なにがあったんだろう・・・」 重い空気の中あきの家へ向かっているとアクの携帯も鳴った。 アク 「もしもーし」 アク母 「アク?今ねテレビで・・・」 アク 「ああ。知ってるよ」 アク母 「葬式ぐらい行きなさいよ」 アク 「はいはい」 アクの方から一方的に電話を切った。 アク ≪なんか身近な人が死ぬとリアルでヤダな・・・≫ あきは、メールをいろんな人に送っている。 あき 「携帯鳴りっぱなし・・・」 アク 「モテるねえ(笑)」 あき 「全部あきこのことだけど・・・」 アク 「そうだよね、ニュースで流れてみんな知ったんだ」 あき 「自殺する前に誰か助けてあげることはできなかったのかなあ」 アク 「そうだね」 あき 「あのコ、ちょっと不良っぽいところあったんだけど根はいい子だったのに」 あきはまた泣きだした。 アクはそっとあきを自分の胸へ引き寄せた。 あき 「ありがとう」 次の日の夜。けんた家。 ユージ 「アクの中学の人自殺したらしいね、今日通夜なんだろ?」 アク 「うん。五星高校だからやっぱアレがからんでるよなあ」 ユージ 「そうだね・・・90%からんでるね・・・」 アク 「これで一気にみんなバレるのかなあ」 ミッキー「あれってなに?」 ユージ 「あれだよ、アレ(笑)」 アク 「まーいいや。俺行ってくるからー」 ユージ 「わかったー」 ミッキー「お土産よろしくねー」 アク 「笑えないって・・・」 アクはあきこの家がわからないのであきに電話した。 アク 「もしもーし。あきー、一緒に行かないー?」 あき 「ゴメンー。もう会場にいるー」 アク 「あ!そうか。あきこの家じゃないんだ」 あき 「あたりまえでしょー。マンションで葬式できないよー」 アク 「・・・どこだっけ?」 あき 「あのねー。鈴木葬儀センター」 アク 「あー。あのコンビニの裏だろー?」 あき 「えー?」 「えー?」っという声を最後にあきとの電話がきれた。 アク 「・・・電波わりぃのかなあ」 掛け直しても繋がらない・・・。 アク 「フ・・・。こういうときは・・・」 アクは大通りへ出てタクシーを拾った。 アク 「すいません。鈴木葬儀センターまで」 タクシー運転手 「あいよ♪」 アク ≪なんでこいつちょっとテンション高いんだ・・・≫ 15分ほどすると葬儀会場へついた。 アク 「はー・・・リアルだ」 周りを見渡すと五星高校の生徒の姿が目に映った。 アク 「はあ・・・絶対いいことないな・・・」 あき 「おーいアク!!こっちー」 あきが遠くの方から呼んでいる。 アク 「今いくー」 アクはあきの方へ歩いた。 静かに式は行われた。 自殺した理由はテストで赤点が重なり精神的に参った。と、説明された。 アクは信じるはずもなかった。 アクの後からどんどん人がやってくる。 女子はハンカチを持ち泣いている。 アク ≪俺達も人殺してるんだったよな≫ 人の死を案外軽い物と思っていたアクも身近な人の死で考えが変わったようだ。 乱馬は会葬お礼のお菓子を駐車場の片隅で食べている。 アク ≪・・・≫ それをみたアクは言葉にならなかった。 あきこの父親はあきこの書いた遺書を読み出した。 父親 「お父さんお母さんごめんなさい。出来の悪い子でいつも何か苦労させてたよね」 父親が遺書を読み出すと今まで泣いていなかった生徒達も泣きだした。 父親の声は震えている。 父親 「友達のみんなもごめんね」 駐車場にいた乱馬も遺書を聞きに近寄ってきた。 父親は、それから3分ほど遺書を読んだ。 父親 「最後に・・・五星高校のみんな・・・」 乱馬は体がピクッっと動いた。 父親 「悪いことはもうやめた方がいいよ。いいことないよ」 ≪悪いこと?????・・・≫ 会場に来ていた人はみんな何かあったのか。という雰囲気に包まれた。 乱馬 ≪・・・マジかよ。いらんこと言いやがって≫ アク ≪やはりな・・・≫ アクの頭の中では 悪いこと=覚せい剤 と一瞬で繋がっていた。 五星高校の一部はさっさと姿を消した。 乱馬とあきこは覚せい剤で繋がっている。 何度か乱馬はあきこから覚せい剤を買っている。 次の日の夕方。 てつやとひろとがけんたの家にやってきた。 てつや 「アク、覚せい剤 流行っているの知ってるよな?」 アク 「ああ、五星高校から出回ってるんだろ?」 ひろとは、カバンから白い粉を出した。 ユージ 「これって?」 ミッキーはバイトに出掛けていてけんたの家にはいない。 ひろと 「これが噂の覚せい剤」 アク 「おお・・・」 ユージ 「おー。これでいくら?」 ひろと 「んー3万ぐらいかなー」 アク 「えー。こんなに少ないのにー?」 ひろと 「うん」 ユージ 「ってなんで今日きたの?」 てつや 「そうだ!この前あきこってやつが死んでさそいつのせいでバレそうなんだ!」 アク 「バレそう?覚せい剤?」 てつや 「そうそう。昨日かなー五星高校に警察が入った」 ひろと 「そう・・・。来週にも俺達の四星高校に入るかも」 アク 「大変だねえ・・・」 てつや 「他人事かよー」 ユージ 「って俺等にどうしてほしいの?」 てつや 「そうだね・・・。地下室あるだろ?そこに隠して欲しい」 アク 「なるほど・・・。ってこんな少量なら他に隠すところいくらでもあるでしょ?」 てつや 「・・・違うんだ。これは氷山の一角」 アク 「・・・そんなに持ってんの?」 ユージ 「でも、お前等は使ってないんだろー?」 てつや 「そうだよ。使ってるやつ実際に見て使えるわけない」 ひろと 「あいつらこれないと生きていけないっていう感じだし・・・」 ユージ 「例えていうなら酸素みたいなものか?」 てつや 「例え微妙だけどなあ・・・。まあそんなもんかー」 アク 「酸素売ってるのかー。そりゃー儲かるなー(笑)」 ひろと 「まーねー」 てつや 「で、隠してくれる?」 アク 「ユージ、どうするー?」 ユージ 「うーん。俺達も共犯になるんだもんな・・・隠すと」 てつや 「ってか俺達仲間だろー?」 アク 「そうだけど・・・」 ユージ 「あ!俺いいこと考えたー!!!」 アク 「何?」 ユージ 「隠すのはいいんだけどー期限付きなー」 アク 「期限?」 ユージ 「そんなヤバイもの何ヶ月も置きたくないし」 アク 「じゃあ、1ヶ月ぐらいかな。それでいい?」 てつや 「お、おう。1ヶ月もしたら警察もあきらめるだろ」 ひろと 「そう。まだ警察が動いてたら1ヶ月後にまた考えればいいし」 アク 「じゃあ、とりあえず隠したい分全部持ってきて」 ユージ 「うん。はやいほうがいい」 てつや 「わかった。今から持ってくる。行くぞひろと」 ひろと 「おう」 てつやとひろとはけんたの家を出て行った。 アク 「これでよかったのかな?」 ユージ 「ああ・・・。俺達は殺人してるしな、あいつ等が捕まるのはまずい」 アク 「そうだね・・・」 てつやとひろとは携帯でドラッグを持っているやつに電話した。 「隠す場所が見つかった。持ってる奴全員集合!!!」 てつやとひろとは四星高校でドラッグを持っている人を集めた。 てつや 「かじー。お前、大麻なんて育ててんのか?」 かじ 「これ借り物」 けんたの家を出てから2時間が経過した。 アク 「遅いな・・・。そろそろミッキーも帰ってくるぞ」 ユージ 「運んでいる間に警察に見つかったのかな・・・あはは」 アク 「あはは・・・(苦笑)」 「ピンポォーン」 ユージ 「あいつ等だ」 アク 「上がってきていいぞー!!!」 男 「こんばんはー。こんな時間にすいません、警察の者です」 明らかにてつや達がふざけてやっているのではないことはすぐわかった。 アク ユージ 「!!!!!!!!!!!!!」 アク 「ヤバすぎる・・・」 ユージの手が小刻みに震えている。 ユージ 「やべ、警察?どうする???」 いつも冷静なユージが動揺している。 アク 「さっき声出しちゃったから居留守は使えない」 ユージ 「わかった。とりあえずアクが出て俺は奥でてつやに電話する」 アク 「そうだね。なるべく上がらせないようにする」 警察官 「おーい!!!」 警察官は玄関が開いていたので中を覗いている。 アク 「あ?ハイ? 何か?」 アクはゆっくり玄関へ向かった。ユージは奥へ移動した。 警察官 「ここは、君の家?違うよね?」 アク 「ああ。この家は友達の家です。ちょっと住ませてもらってるんです」 警察官 「素直だね。近所の方がこの家ちょっと不気味だと通報があったもんで」 アク 「そうですか。すいません」 警察官 「君の名前は?」 アク 「後藤 アクです」 警察官 「私の名前は金田一だ。すごいだろ?」 アク 「あ・・・はい」 次のページへ |