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タイトル  天を仰ぐ二人の男  2話  〜ゴールドメダリスト〜      byあくぼう








ボルボが生まれる2年前。

ボルボの住む国から7000キロ離れた国である大富豪がある研究をしていた。



その研究とは・・・最強の男を作り出すことだった。

大富豪の名は、アシスト(45歳)。

アシストはIT関係の仕事で一発当てて大富豪になった成金だ。




40歳の若さその国の大統領になり4年でやめた。

頭は相当賢い。





大統領すら人生の暇つぶしだと思ってやっていた。


アシスト  「次は世界最強の格闘家を作ることだ」










アシストの屋敷に大きな地下室を作りそこで極秘に研究は続けられた。





研究者は言った

「とりあえず、最強の遺伝子がいる」



アシストはすぐに動いた。






アシスト 「よし、今年行われる世界大会で柔術と剣術のゴールドメダリストには私から褒美を与えよう」



テレビやネットでこのことが公開されると選手達の目の色は明らかに変わった。


元大統領が何をくれるのか。そういう期待もあった。








数ヶ月が経ち世界大会が行われた。



もちろん剣術と柔術の試合はいつもより注目された。






剣術は男、柔術は女しか出場できない。









そして、ゴールドメダリストは決定した。

剣術の優勝者はソールド。



柔術の優勝者はサチコ。


剣術、柔術ともベテランの選手で二人とも結婚して子供はいた。







アシストはすぐさま二人を屋敷へ招待した。







アシスト 「よくおいでくださった」




ソールド 「なぜ、テレビや取材人は中にいれないのですか?」

アシスト 「それはな」




アシストは全てを説明した。


その内容とは、



莫大な金をやるから二人の間で子供作ってほしいということだった。



もちろん、代理出産させる。






ソールドもサチコも金には困っていなかった。







が、


人の欲望はとどまることを知らずその莫大な金に圧倒され二人はOKしてしまった。





アシスト  「フフフ・・・これで世界最強のコが生まれる」




















それから1年と半年が経った。



「おぎゃーおぎゃー」








ついに生まれた。ボルボが生まれた日と同じ日。




アシスト  「最強になるべくして生まれたコよ。お前の名前はアーサーだ」









アシスト  「鋭い目をしているな」












それから3年が経った。






最強の遺伝子と最強の英才教育。




アシストは惜しみなく金を使った。





アーサー 「ねえ、パパ。なんで僕は戦わないといけないの」


アシスト 「人間はね、戦うことが生きることなんだ」



アーサー 「なんでパパは戦わないの?」


アシスト 「俺はね。もう戦ってきたから」


アーサー 「戦えば僕もパパみたいになれる?」

アシスト 「なれるさ。なれる!」




アーサー 「じゃあ、がんばるよ」




アーサーの純粋な心を容赦なく汚しつつアシストの野望は達成されようとしていた。






厳しい英才教育を受けて育ったアーサー。




24歳になるまでアーサーの世界はアシストの屋敷の敷地内だけだった。







アシスト  「お前も24歳か」

アーサー  「はい」

アシスト  「よし。武術大会へ出よう」

アーサー  「大会?」




アーサーは生まれて初めて外の世界へ出た。





アーサー  「おー。何この水溜りー?」


アシスト  「これは海」


アーサー  「へー。」

全てが新鮮だった




アシストは誰でも参加できる武術大会へアーサーを出場させた。


アシスト 「暴れてこい」





アーサーは次々と敵を倒していく。




予想通り武術大会で優勝した。



アシスト 「ウム・・・。最強じゃ」








調子に乗ったアシストは次から次へと武術大会へアーサーを出場させた。




アーサー 「戦いって楽しい」




次々と大会へ出ては優勝するアーサーは次第に有名になった。






大会を勝ちまくっていたアーサーは次第にアシストが自分の本当の親ではないと感じていた。




なにか、俺は利用されている・・・。

そう思うようになっていた。

しかし、アーサーはアシストに従うしか無かった。

アーサーはアシストの言う事を聞いていればいずれは本当の親に逢えると思ったからだ。

アーサー 「もっと有名になるんだ」


アーサーの心の底では世界一強くなるということより本当の両親に逢いたかった。









そして、運命のメールが届いた。




【○×※♪○×♪・・・●♪・・・世界武術大会へ出場しませんか?】



アシスト  「ついに来たぞ。世界大会」



アシストは即OKの返事をした。




アーサー  「俺より強いやつなんているはずがない」



アーサーは、今まで武術では誰にも負けたことがなかった。

アーサー  「俺は武術の神だ」


アーサーも自覚をしているようだ。













世界大会当日。


アーサーが26歳の時だった。









結果はらくらくの優勝。


アーサー  「俺?世界一?ヤッター!」

アシスト  「やっほい、やっほい」

アーサー  ≪これで両親に逢える?・・・≫


二人は試合が終わると控え室で喜んでいた。







「トントン」


ドアをノックされた。


アシスト  「なんじゃ?」






「世界武術大会 公式審判の ハンテーです」


アシスト 「入れ」


ハンテーは中へ入ってくるなり発言した。


ハンテー 「優勝おめでとうございます。でも、昨年の優勝者はなぜ出てないのでしょう」

















アシスト アーサー  「ハア???!!!」




アシスト 「なんだと?」


アーサー 「そんなの出てなくたって俺の勝ちだって」


ハンテー 「去年の優勝者は過去4回連続で優勝して最強のボディーガードと呼べれる男です。ご存知ないのですか?」




アシストとアーサーは、一切のニュースを見ていなかったので知らなかった。


アシスト 「ボディーガード???」


アーサー 「ハンテーさん。そいつ今の俺より強い?」


ハンテー 「さぁ。互角かな?・・・。私にはわからない」




アーサー 「なんだよ、こんなメダルいらない。」


アーサーはさっきもらったばかりのゴールドメダルをゴミ箱へ投げ捨てた。


アシスト 「さすが我がコ。育ちが違う」







アーサー 「で、そいつの名前と歳は?」

ハンテー 「名前はボルボ。歳は26」




アーサー 「笑わせるぜ。俺と同じ歳か」






アシスト 「そういえば、なぜそいつは大会に出なかったんだ?」

ハンテー 「さぁ・・・」




アーサー 「ビビってるだけだよ。俺に」



アシスト 「さすが我がコ育ちが違う」






それからアーサーは毎年その世界武術大会へ出場した。


26〜29歳までずっと負け知らず。


そしてアーサーは30歳になった。



アーサー 「クソ。ずっと出ない気かよボルボ。待ってるのに」


アシスト 「そうだ!ボディーガードなら依頼したらいいんじゃないか」


アーサー 「いや、やめておこう。来年必ずやつは出てくる」




なぜそのときアーサーはそのことがわかったのか。

それは誰にもわからない。





















そしてボルボとアーサーが30歳になり世界大会の季節がやってきた。










ボルボ  「ふーん。26〜29まで連続優勝か。なかなか手ごたえがありそうだ」





ボルボは、ネットでアーサーの存在を知っていた。




ボルボ  「こいつが俺のライバルか?フフフ」





ボルボはワクワクしていた。








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