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タイトル 天を仰ぐ二人の男 最終話  〜運命の出会い〜      byあくぼう

そして、世界武術大会当日。

ボルボの控え室。

ボルボ 「ワクワクするぜ」

目をギラギラさせている。


アーサーの控え室、

アーサー「世界一は俺だ」

アーサーも目をギラギラさせている。









ボルボとアーサーが出場するということで世界武術大会は今まで以上に注目されている。




ソールドの家族とサチコの家族も会場の観客席でバラバラに座ってアーサーを見守っている。

ソールドは徐に立ち上がりサチコに近づいた。

ソールド 「サチコ、この大会でもしアーサーが勝ったら俺達のこと教えてやらないか?」

サチコ  「それは、あの契約でしてはいけないはず」

ソールド 「でも、あのコが可哀想だろう」

サチコ  「そうよね。代理出産とはいえ私達のコ」

ソールド 「そうだよ。あのもらった莫大な金ならまだ使ってない」

サチコ  「私も・・・あのこが武術大会で勝って有名になるに連れて使いずらくなって・・・」


ソールド 「あいつも気付いてるはずだよ。アシストが本当の父親じゃないことを。きっと俺達を待ってるだ」

サチコ  「そうよね」

サチコはうっすら目に涙を貯めている。


サチコ  「祈りましょう。あのコが勝つことを」

ソールド 「俺達のコさ。負けるはずがない」






アーサー控え室。

アシスト「さぁ。アーサー。勝ってこい」

アーサー「はい」





世界大会はトーナメント戦。


ボルボの第1試合。



観客 「おおおーー!!!!!」



ボルボは余裕で相手を倒した。


観客A 「ボルボ、昔より強くないか?」


観客B 「かもしれないな。さすがだ」





アーサーの第1試合。


観客A 「こいつも強いよな」


観客B 「うん、こいつは天才肌だ」


観客A 「さすがだな」








両者とも自分の力をたしかめるかのように試合を勝ち進んでいく。


ボルボ 「あいつがアーサーか。ネットでみたときより強そうだ」


アーサー「あいつか。いい筋肉してるな。昔マンガで見た。ゴルゴみたいだ」



















二人はどんどん勝ち進んだ。



アシスト 「アーサー。よし。いよいよ決勝だ」

アーサー 「予想通りボルボが勝ち進んだか」

アシスト 「大丈夫だお前の方が絶対強い」

アーサー 「もちろん」







ボルボ  ≪さてと・・・本気でいくか≫



ボルボの奥さん「あなたがんばって♪」

ボルボ   「おう」





アシスト  「アイツさえ倒せば俺の夢は実現する」

アシストもワクワク、ドキドキしていた。



ボルボ  アーサー  「よし!!」



 


ボルボとアーサーはリングの上に上がった。









世界が注目する中二人の戦いが始まった。



ボルボ  ≪おおお・・・こいつさすがに強いな≫

アーサー ≪なんだこいつは・・・。≫


極限にまで鍛えられた二人はほぼ互角の戦いをしている。



観客A 「本当にいい勝負だな」


観客B 「あの審判はげてるな」



ハンテー ≪この二人の試合をこんな近くでみれて光栄に思う≫




二人の試合は鮮やかでみている観客を魅了していた。


ソールド 「あいつ・・・強いなぁ」

サチコ  「・・・」

サチコはアーサーの試合を見ていられてなくなった。






アシスト 「イケイケェエエエ!!!」



ボルボ  「上段蹴りと見せかけて中段!!!」


「ボコッ!!!!」

会場全体に鈍い音がした


ボルボの変則蹴りがアーサーに中段にあたった。


アーサーは倒れた。






ボルボ  「よし。もろはいった。たちあがれまい」




ボルボは勝ったかのように会場の上を見あげて右手を上げている。


アーサー 「ここで負けるわけにはいかねえんだよ!!!」


アーサーは自力で立ち上がった。


ボルボ  ≪なんだよ・・・。≫


ボルボは立ち上がったアーサーを容赦なく攻撃した。

アーサーはガードしかできない。

アシスト 「イケイケ!!!」




「カンカン!!!」


ゴングがなった。




試合は全2ラウンドで1ラウンド6分である。



アシスト 「大丈夫か」


アーサー 「忘れてたぜ・・・。休憩あったんだ」


アーサーもボルボも今までの全試合1ラウンドで終わらせていたので休憩の存在を知らなかった。


ボルボ  「チ・・・」







アーサー 「ねえ・・・父さん」

アシスト 「どうした?」

アーサー 「俺の・・・本当の・・・父さんって誰?本当は母さんもいるんだろ?」」



アシスト 「何を言っている?」

アーサー 「もう・・・嘘はやめてよ」

アシスト 「・・・そうか。気付いていたか」


アーサー 「この試合勝ったら・・・本当の両親に会わせてくれよ?・・・」

アシスト 「よかろう」

アーサー 「ありがとう。約束だぜ」



アーサーの目の色が変わった。








ハンテー 「両者前へ!!!」




観客  「オオオ!!!!」




ボルボ 「一気に片つけるぞ!」





アーサーは1ラウンド目に食らった中段の蹴りの痛みはあったが一方的に攻撃を始めた。

ボルボ 「オオオ・・・。」


ボルボはガードするしかない。

アーサー 「オラアアーーー!!!」



アシスト 「あのこが、こんなに感情的になるなんて」


ソールド 「こりゃ・・・アーサーの勝ちだな」







ボルボ  ≪この野郎!!≫

一方的に攻撃されていたボルボもダメージ覚悟でアーサーと打ち合いを始めた。


観客  「オオオオ!!!!!!」

観客  「ワアアアアーーーー!!!」




会場内は割れんばかりの歓声が響く。
















「バタッッッッッッ・・・!!!」















ボルボが倒れた。











それでもなお、アーサーはボルボを殴ろうと近づく。



危ないと思ったハンテーがアーサーを止めた。

そして、試合は終わった。







アーサーの勝利!!!






アーサーはボルボの手を引っ張って立ち上がらせた。



ボルボ  「さすがだな」



アーサー 「あなたこそ」

ボルボ  「なあ。来年もやろうな?」

アーサー 「もちろん」



二人は打ち解けていた。


ボルボは両手をだらんと下ろしながら顔だけは天を仰いでいた。

ボルボ  ≪ようやく、俺にもライバルができた≫

ボルボは試合には負けたものの満足している顔だ。
















アーサー 「父さん。約束通り両親を教えてよ」


アシストは自分の夢が叶ったことで嬉しさいっぱいだった。


アシスト 「あそこをみてみろ」


アーサーはアシストが見ている方をみた。


ソールドとサチコが泣いている。


アーサー 「あの人たちですか?」

アシスト 「そうだ。行ってこい」

アーサー 「はい」








アーサーは観客の前でソールドとサチコのそばによりつき、抱きついた。


ソールド 「ごめんなあ」

アーサー 「ありがとう」



























END











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