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 短編ではないな・・・。全3話。

タイトル 天を仰ぐ二人の男 1話  〜ボディーガード〜      byあくぼう






深夜1時。何ものかが金品を奪うためボルボ(11歳)の自宅へ侵入。

1時5分。ボルボの母は不幸なことにもトイレに行くためベットから起き上がった。

ボルボの父は有名な弁護士をしていて、その日はたまたま家を留守にしていた。



ボルボの母の寝室で盗みを働いていた男はボルボの母に気付いた。



男 「ち。寝てればいいものを」

男はなれた手つきでボルボの母の首を持っていたサバンナナイフで切り裂いた。

そして男は金品を奪い2階のベランダから屋根を渡って逃走した。

そのとき隣の部屋で寝ていたボルボはその男の足音に気付き目を覚ました。

ボルボ 「屋根の上誰か走ったような音がしたなあ・・・」

ボルボは何か不安になり母のいる寝室へ向かった。







寝室は明かりが消えていてよく当たりが見えないが母が床に転がっているのはわかった。




ボルボ 「母さん!!!どうしたの?!!!」



母   「ボルボ・・・精一杯・・・生きなさい・・・」


それがボルボの母の最後の言葉だった。母は力尽きた。

ボルボ 「母さん!!!???」






ボルボは意味がわからなかった。

何が起こったのか、なんで母が血まみれで倒れて死んでいるのか。

よくわからないが自然と涙が溢れだした。





ボルボ 「母さん、母さん・・・」



ボルボは小さい腕で母に抱きついて泣くことしかできなかった。



朝になり父が帰ってきた。

父   「おい・・・?ボルボ???どうしたんだ?」


ボルボは母を抱きながら寝ていた。

ボルボ 「父さん・・・?」


ボルボは自分でも理解できていない状況で父に今の状況を説明することはできなかった。


父  「意味わかんねえ・・・」










父は弁護士をしていて人から恨まれることはよくあった。

父  「クソ・・・」























そんな出来事から9年が経った。



ボルボは新人のボディガードになっていた。



ボルボは自分の母を守ることができなかった。
そのことがこの職業を選んだ最大のきっかけだ。







ボルボの父が弁護士をやっていたおかげで金には余裕があった。

ボディガードになると決めたのは12歳のときでそれ以来学校にも行かず訓練に訓練を重ねていた。


13歳からピストルを撃てるようになりさまざまな国の言葉を覚えた。



父  「お前も20歳か。そろそろ家を出るか?」

ボルボ「うん!家、出ます」

父  「お前はボディーガードという仕事を選んだのはいいが自分の命も大切にしろよ」

ボルボ「わかってる。じゃあ、また」

父  「これ持っていけ」

父は自分が愛用していた護身用のピストルを差し出した。

ボルボ「いいの?」

父  「おう。俺がおまえに出来ることはこれで最後だ」

ボルボ「ありがとう。父さんも元気で」







ボルボの育った国ではボディーガードはあまり珍しい職業ではなかった。

そのためボディガードの依頼を受けるには、それなりに実績や知名度が必要だ。



そしてその国では20歳になると最低7年は家出をする決まりがあった。



ボルボの友達は世界一の靴磨きになるんだと家を出る者もいた。







ボルボ 「可愛い女の子のガードがしたいな」



ボルボも年頃のようだ・・・。


























ボルボは12歳のときから毎日厳しい訓練を受けていたのでそれなりに自信があった。


ボルボ  「自信はあっても知名度はないな」


ボルボは単純に知名度を上げることが仕事を増やすことだと考えた。

仕事を増やせば必ず可愛い子にも出会える。そうとも思っていた。



ボルボ  「ちょっと大きな武術大会で優勝してみよう」

ボルボは家を出る前から考えていたことだった。



ボルボは何度もいうように12歳から厳しい訓練を受けている。

格闘技は結構得意だった。



ボルボ 「これだ。これ」

ボルボは携帯電話からネットにアクセスして賞金の出る武術大会を調べた。

ボルボ 「めんどくせえ。全部出る」








一気に8つの大会へエントリーした。






























結果は予想通りだった。


全ての大会で優勝!

知名度は2ヶ月であっという間に広まった。


ボルボ  「実力さえあればこの世界なんでもできるんだ」





知名度を上げてからボルボは本格的にボディーガードの仕事を始めた。


ボルボは毎日忙しい。


ボルボ 「しかし、なかなか可愛い子からの依頼はないな」




そんなことを言いながらも真面目に仕事をこなしていた。





ある日。


ボルボがホテルに泊まっていると1通のメールが届いた。

【○×※♪○×♪・・・●♪・・・世界武術大会へ出場しませんか?】



ボルボ 「世界大会か面白そうだ」





ボルボはそのメールを即返信した。




ボルボ 【出場しちゃいます♪】


さらに返信がきた。

日時と場所が書かれている。



ボルボ 「来月か。とりあえず仕事を一時やめて特訓するか」







世界大会となるとさすがのボルボも自信がなかった。









さらに厳しい練習をした。


世界大会当日。

ボルボ  「負ける気がしない。これでさらに知名度が上がるぞ」









生まれつきの才能というやつなのか。




ボルボは世界大会を難なく優勝してしまった。






ボルボ  「無敗。俺、モテルな♪」



ボルボは、やはりお年頃だった。






ボルボは世界最強のボディーガード。

そう呼ばれるようになった。




仕事は前よりさらに忙しくなり依頼人も世界の富豪達でいっぱいだった。






数年が経った。

人気を保つため毎年やってくる世界武術大会に出場しては優勝していた。



23歳のときボルボは、ある大富豪のカワイイ娘と難なく結婚した。




ボルボ  「俺・・・全てが上手く行き過ぎてるな」






30歳になったボルボ。

25歳の世界大会を最後に仕事が忙しくなり世界大会には出場していない。

大会にでなくても知名度は十分だった。





外からみたら思いのままの完璧な人生と思われていたが、



ボルボの心はまだまだ満たされていなかった。




なぜボルボは満たされていなかったのか。

それには大きく2つの理由があった。



1つは母の存在。

いるべき人がいない。

ボルボにとって母の死ははやすぎた。


2つめはライバルの存在。

誰にも邪魔されず自分の思い通りに生きてきたボルボはライバルと呼べる存在がいない。




ボルボ  「母はもうどうしようもないけど、ライバルは探せるな」




ボルボは良いライバルを近いうちに探すと心に決めた。




ボルボ  「母の死は、はやすぎた。ライバル探しは遅すぎか」




ボルボは26歳から全ての大会に出場しておらずライバルを探すために大会に出ることにした。







ボルボ  「5年の間に俺より強いやつが現れるとは思えんが・・・」












ボルボはそうは言いながらも晴天の青空を見上げ大きく背伸びをした。





















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