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アク「どうしたの?」

ユージ「俺頭悪いからさー。高校行ってもすぐ中退しそうで……行っても意味ない気がするんだよね」

けんた「自覚してるだけで偉いよ」

アク「大丈夫だって、そうだ! 俺と同じ高校いこうよ?」

ユージ「アクどこの高校行くつもり?」

アク「俺はね、ちょっと遠いんだけど、三星高校へ行こうと思ってる」

ユージ「三星かー。あそこって悪くもないし良くもないよね」

けんた「確か、アクの姉は、一星高校だよね?」

アク「そうだよ。あきもそこ行くって」

けんた「そかぁ、あそこ有名だからなー」

ユージ「俺も三星いこっかなー」

けんた「でも、今のユージだと多分落ちるよ」

ユージ「失礼な……。俺は、カンニングで入る!」

アク「あははー。ユージらしいや」

けんた「いやいや。冗談でしょ?」

ユージ「まぁ。最悪の場合な」

アク「俺と一緒に高校行ったらきっと面白いって」

ユージ「そうだなー」

けんた「いーなー。俺も日本の高校行きたくなってきた」

アク「じゃ行こうぜ?」

けんた「それは無理」

ユージ「そうかアクと二人でけんたの家住んで、一緒に高校いけばきっとおもろいな」

アク「でしょでしょ。高校はなんか面白いこと沢山ありそうだし。行くしかないでしょ」

ユージ「わかった。そうと決まれば今からカンニングの特訓だ!」


けんた「カンニングの特訓って……ちゃんと勉強した方がはやいよ」

ユージ「そっかぁ。俺、中1ぐらいのとき、どうやったらカンニングできるかなーって考えたんだー」

アク「なんかいい方法あった?」

ユージ「んー。点字とか」

アク 「あはは」

けんた「点字って、あの目が見えない人が文字読む時にやるやつ?」

ユージ「そうそう。でもあれ覚えるより勉強したほうがはやいなーって思って」

けんた「だったら今回も普通に勉強した方がはやいよ」

アク 「ユージって面白いなぁ」

ユージ「そうかな?」

けんた「ってか、点字じゃ数学とか役にたたないし。漢字ってあるのかな」

ユージ「もう、終わったんだからいいでしょ。細かいなぁ」

けんた「ゴメン。細かくて」

ユージ「なぁ。アクー」

アク「ん?」

ユージ「携帯持ってないの?」

アク「あーないよ。姉が買うとき、一緒に買うかって言われたけどー。なんか、縛られてる感じがして断った」

ユージ「えー。勿体無いなぁ」

けんた「ユージは、持ってるの?」

ユージ「うん。最近買ったんだー。でも先輩からしかかかってこない」

アク「携帯、便利?」

ユージ「うん、まあ。いろいろ使い道あるし」

アク「例えば?」

ユージ「んー。目覚ましかな。まぁ、時計として使ってるか

けんた「あー。腕時計の代わりと思えばいいんだね」

ユージ「そだね」

アク「じゃあ、俺も持とうかなー」

ユージ「持った方がいいよ。けんたは?」

けんた「俺、無いよ。引っ越すからもう要らないかな」

ユージ「そうかぁ」

そんなことを話しているうちに時間はどんどん過ぎていった。

そうしてこの日の話し合いは終わった。

アクはその日寄り道せずに家へ帰った。

そして、母に携帯が欲しいと言った。

アク母「え? 今更? 欲しかったならなんで姉が買うとき言わないの!」

アク「あー、急にほしくなって・・・」

アク母「どうせろくな事には使わないんでしょ?」

アク「使うよ!ってろくな事ってなんだよ!」

アク父「まあまあ。いーじゃないか。今の時代携帯なんて誰でも持ってる」

アク「親父、話がわかる」

アク父「だろ。だけど、1つ条件がある。」

アク「条件?」

アク父「ああ。ちゃんと勉強してるか?」

アク「一応してるよ! で、条件って何?」

アク父「そうか。高校も行く気か?」

アク「行くよ」

アク父「そうか。だったらいいんだ。最近、アクが不良みたいになってきてるから心配でな」

アク「なんだ、そんなことか。俺は、他の奴達とは、違うんだ。頭も良くなりたいって思ってる」

アク父「そうか。どこの高校へ行きたいんだ?」

アク「一応、三星高校」

アク父「そうか。わかった。その高校へ行くと約束するなら買ってやるよ」

アク「なんだ、そんなことか。簡単、簡単」

アク父「なぁ。母さんいいだろ?」

アク母「んー。高校入学じゃなくて卒業で」

アク「俺が中退とか中途半端なことするわけない! 中退するつもりで入る人いないよ」

アク父「ははっ」

アク「しないっつてんだろー!!!」

アク父「じゃあ卒業するって約束で買ってやるよ。できるならいいだろ?」

アク「ああ、わかった」

アク父「明日にでも、買いにいくぞ。早いほうがいいんだろ?」

アク「あぁ。明日行こう」

そうして、次の日、アクは、難無く携帯を手に入れた。

そして、それから数日後、ユージと会い携帯番号とメアドを交換した。


ユージからの初メール 【俺らってメル友だね♪♪♪】

アクからの返信【そうだねー。これからもよろしく!ところで、サクラのバイトどーなった?】

ユージからの返信【返信おそいなー。まーしゃあないか・・・。それは明日先輩と会う約束してるからからそんとききーとくよ】

アクからの返信【ごめん。遅くて・・・。わかった。じゃあまた明日】

ユージからの返信【明日の夜にメール送るよ。またね】

そうして、アクの初メールは終わった。

アクは返信のやり方がイマイチわからず返信に20分ほどかかってしまった。

アク ≪携帯ってムズイな≫

アクはそれから、説明書を何度も読み基本的な機能を覚えた。

現在のアクのメモリ件数は、自宅、親の携帯(2人)、姉の携帯、ユージ携帯の5件だ。

アク ≪そっかぁ。俺だけ持っていても、友達が持ってなかったら意味ないなぁ≫

アクはあたりまえのことに気付いた。

アク「よし!どんどんメモリを増やすぞー!」

アクは、そう決めた。
次の日の夜ユージからメールが届いた。
ユージからのメール【バイトのことなんだけどさ、やっぱ会って話したいから今度の日曜日にでも会わない?】

アク【いいよ。けんたも一緒で】

ユージ【けんたは別に用ないよ?】

アク【けんたの家が一番落ち着くんだ(笑)】

ユージ【俺もそう思う・・・俺の家より全然広いし(笑)決まりで】

アク【俺からけんたに言っとくよ】

ユージ【頼んだ。じゃあ聞いたらまたメールしてくれない?】

アク【わかった。じゃあまた】

アク達のメール内容はすごくシンプルでわかり易いものであった。余計なことはほとんど打たない。

次の日学校へ行った。そして久しぶりにあきから話がしたいと呼び出された。

放課後。

アク「あきーどうしたー?」

あき「最近、勉強ばっかしてて遊んでないから遊ばない?」

アク「いつ?」

あき「今度の土曜か日曜、ダメ?」

アク「いいよ。俺携帯、買ったんだけど、番号教えとくよ」

あき「あー。うん」

あきはカバンからノートを取り出し携帯番号を自分のノートに書いた。

アク「よし!じゃあ帰ろうか」

あき「うん。あれ、けんたは?」

アク「あ!けんた、忘れてた」

アク達はけんたを探しに教室へ行った。

あき「お、いたいた」

アク「けんたー帰るぞー」

けんた「あ、悪い。今ちょっと先生と真面目な話してるから先帰っていいよ」

アク「わかった」

あき「じゃね。けんたー」

アク達2人は、2週間ぶりに2人で帰ることにした。

アク「けんたもいろいろ大変だなー」

あき「え。なんで?」

アク「あいつ 来年引っ越すから」

あき「え!どこ引っ越すの?」

アク「あれ、あき知らないんだ。フランスだよ」

あき「え。冗談でしょ?」

アク「嘘じゃないよ」

あき「うそー。アクはいつから知ってたの?」

アク「俺も最近知ったんだ」

あき「へー。寂しくなるなぁ」

アク「だねー」

あき「そうだ。けんたのためにお別れ会しようよ?」

アク「いーけど、まだ先にことだよ?」

あき「うん。だから、もうちょっとしたら」

アク「わかった」

けんたのことで盛り上がっていると、

アクの携帯が鳴った

アク「誰からだろー」

アク「つっても、俺の番号知ってる人少ないからなぁ・・・」

あき「だれから?」

アク「ユージだ」

あき「私に代わって?」

アク「いいよ」

あき「もしもーし」

ユージ「あれ。女だ・・・間違えたかな・・・」

 「ブチッ!!!・・・。ツーツーツー・・・」

電話が切れた。

あき「あれー?切れちゃったよ?」

アク「かけなおすか・・・」

アクは、ユージに電話した。

アク「あ、ユージ?」

ユージ「あれ。アク? 女が出たからビックリして切っちゃったよ」

アク「あれは、あきね」

ユージ「なんだー。俺も切ってからそうだと思ったんだ」

アク「そかー。で、何かあった?」

ユージ「そうそう、けんたの家の近くにラーメン屋ができたからー知ってるかなって思って」

アク「え? ラーメン屋?」

ユージ「うん。なんか先週できたばかりなんだけど、評判らしいよ」

アク「じゃあ、行ってみようよ?」

ユージ「そのために電話したんだー。いまから暇?」

アク「ちょっと待って、あきに聞いてみる」

アク「けんたの家の近くにラーメン屋できたの知ってる?」

あき「知らなーい」

アク「今からユージと行ってみない?」

あき「んーどうしよう」

アク「行こうよ」

あき「じゃあー。一回、家に帰ってからならいいよ」

アク「なんで帰るの?」

あき「だってお母さんがご飯作ってるかもしれないし」

アク「あぁ。わかった。一緒に家まで行くよ」

あき「うん」

アク「じゃあユージにメール送っとくかー」

あき「ケータイって便利だね」

アク「使えるでしょ」

アクはユージにメールを送った。

アク【とりあえず、今からあきの家に集合!!!】

ユージ【わかったー。すぐ向かう】

2人は、トボトボとたわいもない話をしながらあきの家へ向かった。

あきの家についた。

あき「あー。おかーさん? 居るー?」

あき母「どうしたの?あき」

あき「けんた知ってるでしょー? あの子の家の近くにラーメン屋さんができたからアクと行ってくるねー?」

あき母「えー。私も行きたいー」

アク《え・・・マジ・・・》

そこへユージが自転車に乗ってやってきた。

ユージ「おまたせー」

あき母「お!」

ユージ「あ。こんにちわ」

ユージはお辞儀をした。

あき母「丁度いいところ来たね。今からみんなでラーメン屋行くけど一緒に行く?」

ユージ「あ・・・はい。行きます(笑)」

アク あき 「あはは」

あき母「じゃあ行こうか」

ユージは自転車を引きながら4人で歩き始めた。

あき母「たまにはこういうのもいいわね」

あき「うん」

アク ユージ 「あ。はい」

4人はラーメン屋のそばまで行った。

ユージ「もうちょっとだ。ほらあそこ見えてきた」

アク「お・・・思ってたよりデカイ」

あき「大きいねー」

ユージ「車たくさんあるけど、全部客かなー」

あき母「すごい人ね」

アク「これでまずかったら、店長殴る」

あき母「なにバカなこと言ってるのよ(笑)」

あき「怖い事いわないで」

ユージ「あ、俺 サイフ忘れた」

あき母「大丈夫、おごるわよ」

ユージ「え、いいんですか?」

あき母「普通は、こういう場合大人がおごるのよ♪」

ユージ「ありがとうございまーす」

あき母「アク君もお金いらないからね」

アク「あ、すいません。ゴチになりまーす」

あき「あははー」

4人は店の中に入った。

ユージ「げ! すごい人だ」

あき「さすがに最近出来ただけあるね」
アク「だね。ちょっと待とうか」

あき母「私ちょっとトイレ行ってくるね」

あき母はトイレへ行った。

アク「あれ? あそこにいるやつけんたじゃない?」

ユージ「あ、似てる。話掛けてみようか?」

アク「俺、行ってくるわ」

アクは、けんたらしき人のところへ行った。

アク「けんた?」

けんた「あ?アクどうしたの?」

アク「俺は、学校の帰りにユージから電話があって食いにいこうって誘われて・・・。なぜかあきの叔母さんまでいるよ」

けんた「そかー、世間は狭いな。俺は、親が帰ってくるの遅くなるから金だけ渡されてたんだ。
だから最近できたこの店で食べようかと思ってね」

アク「そかー。みんなで食おうぜ?」

けんた「そだね。みんな並んでるんでしょ?」

アク「おう」

けんた「俺そっち行くよ。まだ結構時間かかりそうだし」

アク「よし!じゃ、行こう」

二人はみんなのいるところまで戻った。

ユージ「やっぱそうだったかー」

あき「おかえりー(笑)」

アク「ただいまー(笑)」

けんた「あれ、叔母さんいないよ?」

アク「ああ、さっきトイレ行った」

けんた「そか」

ユージ「はやく食べたいよー」

アク「だねー。あと20分ぐらいかかるんじゃない?」

けんた「まーゆっくりしようよ」

あき母がトイレから帰ってきた。

あき母「トイレも混んでた」

あき「そっかぁー」

あき母「みんなはどこの高校行くの?」

アク ユージ「三星でーす」

あき母「あ、またそろった(笑)二人は、やっぱ面白いわ」

アク ユージ「そんなことないですよ」

あき「あははー」

ほのぼのとした会話をしているうちに順番がまわってきた。

女性店員「何名様で?」

あき母「5人です」

女性店員「こちらへどうぞ!」

5人は、和風の座敷へ移動した。

アク「あきー。そこにあるメニュー取ってー」

あき「はいよ」

アク「え、なんだこのメニュー!!!」

ユージ「どうした?」

けんた「なんかあった?」

あき「どうしたの?」

あき母「え?」

アク「メニューが2つしかない!」
けんた「アク冗談はやめてよ(笑)」

アク「ほんとだって」

ユージ「で、何と何?」

アク「天使ラーメンと悪魔ラーメン」

けんた「え?」
あき母「この店の名前は、確か『神様の楽園』だったはず」

ユージ「いくら?」

アク「2つとも税込みで1000円だ」

ユージ「この店だれが創ったんだ・・・。さっきの店員もルーズソックスはいてたし・・・」

あき「んー。でも2つしかないってことは自信あるんだよ。きっと」

あき母「にしても、おかしな店ねぇ」

けんた「まぁまぁ、とりあえず注文してみようよ」

あき「じゃあ、私、天使ラーメン」

あき母「じゃあ、私も」

アク「俺は、悪魔ラーメンだな、ユージもだろ?」

ユージ「おう。男は悪魔だ!」

けんた「じゃあ、俺、天使で♪」

ユージ「・・・」

あき「あははー」

ユージ「まぁ、どうでもいいけどー(笑)」

アク「しかし、どんなやつがこの店創ったんだろ」

あき「んー、変わった人だよきっと」

あき母「まぁ、注文してから話そう」

あき母はテーブルの上にあるボタンを押した。

女性店員が歩いてきた。

女性店員「はい。ご注文は?」

あき母 「天使ラーメン3つと悪魔ラーメン2つで」

女性店員「はい」

女性店員は、白い紙に2、3と数字を書いて店の奥へ消えた。

アク「あれぐらい、頭で覚えろよ(笑)」

けんた「それもそうだね」

あき「あはは」

ラーメンが来るのを待っていると、店の奥から一人の店主らしきおっさんがアク達の方へ歩いてきた。

おっさん「よぉ。あき」

あき「え?」

あき母「あれ、兄さん?」

おっさん「おう」

あき母「え?もしかしてここ創ったの兄さん?」

おっさん「おう」

あき「あ?よしきおじさん?」

よしき「そうだよ、あきちゃん」

アク「え? は? ん? どゆこと?」

あき母「兄さん、どうして・・・」

よしき「ちょっとラーメン屋創ってみた(笑)」

あき母「ってことは、店主?」

よしき「そうさ。ここは俺自慢のラーメン屋だ」

ユージ《このおっさん、あほそうだなぁ・・・》

あき母「そういえば、最近旅行してるって言ってたっけ?」

よしき「そうさ、日本中のうまいラーメン屋を見てきた」

あき母「へぇー。勉強してたんだね」

よしき「そう。俺は神様も満足させるラーメンを完成させた」


あき「えー。神様って味覚あるの?」

よしき「知らん!とりあえず日本一ってことだ!」

あき母「ホントかしら」

よしき「食べてみればわかる」

けんた「楽しみだー」

よしき「おう、じゃあ俺そろそろ戻るわ。バイト達がサボるといけないから」

あき母「わかった。いろいろ聞きたいことあるけど、それはまた今度で」

よしき「おう。またな」

よしきは、店の奥へ歩いて行った。

アク「それにしても、自信満々だったな」

ユージ「うん。でも結構客いるしうまいかもな」

アク達の注文したラーメンを女性店員2人が慎重に持ってきた。

女性店員「お待たせしました」

女性店員はそう言うとテーブルにラーメンを並べた。

アク「おー。うまそうだね?」

ユージ「俺等のやつさ・・・。黒いね・・・」

アク「黒いね(笑)」

悪魔ラーメンは、スープが黒かった。それに周りにノリがついていて、全体的に黒い。

あき「天使ラーメンは、白いね・・・」

天使ラーメンは、2つに切ったたまごや白ネギを使い。麺も白い。全体的に白い。

あき「あ、とんこつ味かな」

あき母「そうみたいね。おいしい」

けんた「うん。俺とんこつ好きなんだよなー」

アクは、ほとんどカップラーメンしか食べたことが無かったので、悪魔ラーメンがとてもおいしく感じた。

アク「うまい!俺こんなうまいラーメン食ったことない」

ユージ「え、そうか?確かにうまいけど・・・」

アク「俺、ちゃんとした店でラーメン食ったことないんだ。いつもカップラーメン」

けんた「そか・・・そういう人にはおいしく感じるかも」

あき母「いやでも、おいしいよ」

あき「うん!おいしい」

そう言って5人は残さずラーメンを食べた。

5人 「ごちそうさま」

そう言って、5人は店を出た。

あき母「5人だから5000円か」

アク「けんたが来たから一人分増えたね(笑)」

あき母「そうね、お金のことはいいわよ。みんなでこうやって食事できたことが後になっていい思い出になるんだから」

そうして、この日は何事もなく過ぎ去った。

それから5ヶ月が過ぎた。季節は冬だ。

アクはサクラのバイトを順調にしていた。

アクのサイフにはいつも3万円以上入っていた。

もちろん、それを知っているのはごく少数の人達だ。

アクとあきは付き合ってはいたが、二人で遊ぶことはあまりなくなっていた。

たまにアクが学校から家へ送るぐらいだ。

ユージはアクとメールしていたもののアク達の前には現れないでいた。

けんたは、パソコンを買ってもらいパソコンばかりいじっていた。

ラーメン屋は、繁盛していた。

この5ヶ月の間に体育祭があった。

アクは体育祭で大活躍した。

アクの周囲では、『アクは金持ちだ』といううわさが広まっていた。

実際アクは、中学生からみたら金持ちだった。

アクは、ユージとけんたの家で暮らす予定があるので、少しだが、金を貯めてもいた。

最近、ユージは、偉川中学の友達、みきひさと良く遊んでいるようだ。

みきひさは、ユージからミッキーと呼ばれている。

そして、ユージがミッキーを完全犯罪の仲間に入れたいと電話でアクに言ってきた。

アクは、とりあえず会ってみないとわからないと言ったのでミッキーと会うことになった。

数日後。

ユージ「おーい、アクー!」

アク「お?」

アクの学校帰り、ユージがアクの後ろからミッキーとやって来た。もちろん、自転車だ。

ミッキー「やっほー」

アク《うわー。俺よりあほそうだな》

アク「おう」

ユージ「こいつがみきひさ。最近よく遊んでて面白いから連れてきた」

アク「へー、いつもテンション高いんだー」

ミッキー「そうっす」

ミッキーは、アクより身長が低くアクにとって使えそうな気がした。

アク「なぁ、ミッキー1つだけ質問な、将来の夢は?」

ミッキー「夢はー、特に無いけど?」

アク「そっかぁ。今まで犯罪した経験は?」

ユージ「あれ、1つだけ質問って言わなかった?(笑)」

アク「あ・・・」

ミッキー「いやいや、いいよ。犯罪はしたことないよ」

アク「じゃなんで、仲間になりたいの?」

ミッキー「なんか、面白そうだから」

アク「あっそう・・・(笑)」

ユージ「ミッキー、遊びじゃないぞ?」

ミッキー「わかってるって。でも俺みたいな奴いたほうが面白いと思うよ?」
ユージ「まぁ、俺もそう思って連れてきたんだけどな」
ミッキー「で、アク仲間に入れてー」

アク「いいよ!面白そう!」
ユージ「お?ホントか?やったな、ミッキー」

ミッキー「よし!兄貴のいうことなんでも聞くぜ!」

アク「いやいや・・・」

ユージ「ミッキー言い過ぎだぞー」

ミッキー「そうだ!このグループの名前みたいなの付けようよ?族みたいに」

アク「あー名前かー、いいねぇ。人数も4人になったし」

ユージ「あれ?その前にリーダーって誰?アク?」

アク「俺が言い出したから俺かな?」

ユージ「けんたはリーダーって感じじゃないな。NO2って感じだ。俺はNO3ね(笑)」

アク「ミッキー、なんかいい名前ある?」

ミッキー「んー。ちょっと考える・・・。ユージなんかある?」

ユージ「んー。こういうのはNO2も混ぜて考えたほうがよくない?」

アク「そうだね(笑)」

ユージ「じゃあけんたの家行こうぜ!あいつ携帯持ってないからな・・・」

ミッキー「あっそうだ!アク、携帯番号教えてよ」

アク「ああ、いいよ」

アクとミッキーは携帯番号を交換した。

アク「よし。これでいつでも連絡取れるね」

ミッキー「そうだね」

アク「んー。けんた家にいるかな」

ユージ「どっちにしろ家に行かないと会えないって」

アク「じゃあとりあえず行こうか!」

アク達3人はけんたの家へ向かった。

けんたの家へ向かう途中。

アク「ミッキーは、どの高校いくの?」

ミッキー「んー。一星高校かなー」

アク「は?」

ユージ「お前嘘つくなって。そんな頭良くねーだろ」

ミッキー「あは・・・」

アク「・・・」

ミッキー「俺も三星に行きたいなー・・・」

ユージ「アク、ミッキー俺よりちょっと成績良いよ」

アク「そか。じゃあみんなで三星行ってけんたの家で住もうぜ」

ミッキー「え?けんたって誰?」

ユージ「は?さっき言ってただろ!NO2だよ(笑)」

ミッキー「ああ」

アク「あ!あそこだよ、けんたの家」

3人はけんたの家へ着いた。

アク「おーい、けんたー」

けんたは2皆の窓からこっちを見た。

けんた「おー。上がっていいよー」

アク「おう」
けんた《あれ・・・一人知らないやつがいるな》

ユージ「よう!NO2」

けんた「は?ってかその前にこの人誰?」

ミッキー「どうも。ミッキーです!」

ユージ「俺の友達、今日から完全犯罪に加わった」

けんた「へー。アクいいの?」

アク「いいよ!」

けんた「ならいいけど・・・ってかNO2って何?」

ユージ「アクがNO1でけんたがNO2で俺がNO3でミッキーがNO4ね」

けんた「は?だから何?」

ユージ「完全犯罪するメンバーの権力のようなもんかな」

けんた「ああ。そういうことか」

ミッキー「そうそう NO2さん(笑)」

けんた「・・・けんたって呼んでくれる?」

ミッキー「うん」

けんた「で、何?」

ミッキー「うんとね。このグループの名前付けようと思うんだけど、何がいい?」

けんた「おー!名前か。あったほうがいいね」

ユージ「俺思うんだけどさ、完全犯罪するわけなんだし、暴走族みたいな名前はやめといた方がいいと思うよ」

アク「まあね。けんた、何かいいのない?」

けんた「んー。NO1はアクなんだし、アクが決めれば?」

アク「俺か・・・」

ミッキー「そうだよ!NO1の初仕事(笑)」

ユージ「あはは」

アク「んー。そうだなー・・・」

アクは3分ほど考えた。

アク「みんなで考えたのを紙に書いて俺が最後に選ぶってどう?」

ユージ「おー。いいね」

ミッキー「さすが、親分さえる」


アク「・・・親分?・・・(怒)」

アクは軽くミッキーを叩いた。

ミッキー「ヒエエ」

ユージ けんた 「あはは」

けんたは机から紙とボールペンを出した。

けんた「思い浮かんだ人から言ってって、なんでもいいから」

ミッキー「じゃあー。苺大福軍団!!!」

ユージ「あはは!そりゃねーだろ」

アク「・・・」

けんたは一応紙にメモった。

アク「おいおい、けんたマジかよ」

けんた「別にいーって、とりあえずだって」


アク「ちょっと、俺コンビニ行ってくるわ。なんかほしいものある?」

ミッキー「彼女がほしいなー」

アク「ユージとけんたなんかある?」

ユージ「じゃあ俺、ジュース買ってきて」
けんた「あ、俺も」

アク「わかった。行ってくるから、いい名前考えといて」
けんた「わかった」
ユージ「おう」

ミッキー「行ってらっしゃい」

アク「あ!ユージ自転車貸して?」

ユージ「あーいいよ」

アク「じゃあ行ってくるわ」


アクは一人コンビニへ向かった。

アク「んーっと、ファンタとコーラ買っとけばいいかな、俺カルピス好きだから5本買っていこ♪」
アクは最近無駄に金を使うことが多くなった。
それは、アクがサクラのバイトをしていて、それが家族には言ってないからだ。
内緒にしている以上、服やCDなど残るものは買えない。
アクは、食事やゲーセンなどで金を使っていた。

アク「よし!帰るか」
アクは自転車を走らせた。
アク《あいつらちょっとは、まともな名前考えてるかな・・・》
一方そのころ・・・

けんた家。
けんた「よし!結構書いたな」

ユージ「うん。これだけあればアクもきっと満足だろうね」

ミッキー「んー俺の提案した。『完全犯罪をする集団』っての選ばれんかなー」
ユージ「お前それ、バレバレだろ」

けんた「あはは」

ミッキー「これはウケ狙いだ」
ユージ「アクが来たらまた殴られるぞ(笑)」
ミッキー「今のうち消しとこ」
ユージ「ダーメ」
けんた「さて、どうなることやら」
ミッキー「あ!大将が帰ってきた」

アクがけんたの部屋へ入ってきた。

ユージ「ジュース買いすぎ(笑)」

アク「ちょっと、重かった」

アクは全員にジュースを渡した。

アク「で、名前の方は?」

ユージ「結構書いたよ」
ミッキー「俺の選ばれないかな」

アク「けんた、紙見せて」

けんた「ほらよ」

アク「おお、たくさん書いてある」

アクは、名前の書いてある紙を机に広げた。

1、悪魔の暴走集団
2、悪魔と愉快な仲間
3、完全犯罪をする集団
4、LOVE100%
5、闇組織 ブラックレンジャー
6、闇組織 ホワイトレンジャー
7、アクと愉快な仲間達
8、spiral
9、perfect crime
10、ミスチル
11、かっぱ
12、えびせん

アク「どれもパッとしないなあ」

ユージ「半分以上ミッキーが考えたからな」

けんた「最後のかっぱえびせんって俺も書くのに抵抗あったよ」

ミッキー「闇組織 ブラックレンジャーがいいと思うな」

アク「・・・。こんだけしか候補ないの?」
けんた「実はもう1枚あるよ」
ユージ「うん」
ミッキー「そうそう」
アク「だよね、これだけなわけないよな」
けんた「ほらよ」
アク「どれどれー」
ミッキー「俺の選ばれないかな・・・」

・AKYM←悪夢(4人の頭文字)
・P4 ←パーフェクトな4人
・味噌カツ定食
・レベル100
・怪盗キッズ
・右脳
・かっぱえびせん
・デビルマジック
・デビルロード
・デビデビル
・スパイス
・トンカツ定食


アク「あれ・・・。これはマジで書いたの?」

ユージ「ミッキーがどうしてもっていうから、ちょっとへんなの混じってる」

アク「だよな。俺は一番上の悪夢がいいと思うけど」

けんた「それ俺が考えたやつだ」

ミッキー「俺もそれがいいと思うな」

ユージ「俺もこれならいいよ」

アク「じゃあこれで決まりだ!!!!」

ミッキー「おー!アクユメね!」

アク「『夢は叶えるもの』だからな」

ユージ「お!いいこというねー」
ミッキー「おー」
こうして、アク達グループの名前は決まった。

ミッキー「悪夢の活動ってなんかあるの?」
アク「今のとこは、ないよ(笑)」

ミッキー「じゃあ、いつあるの?」
アク「将来、大人になって完全犯罪をする時」

ミッキー「それ以外は?」
アク「まぁ、ちっちゃなことで捕まってブラックリストに俺達の名が乗ったら足がつくから、目立ったことはしない」
ユージ「だよな」
けんた「うんうん。俺らは、普通の生活をしていればいい」
ミッキー「えーなんか、つまんないな」
アク「そか、じゃあ何がしたい?」
ミッキー「んー・・・。」
ユージ「ないのか?」

ミッキー「あ! 万引きしたい」

ユージ「ちっちぇーな」
ミッキー「一気に10万分ぐらい盗んだらすごくない?」
アク「あは。持ちきれないって」
けんた「そうだなー・・・。10万は無理かもしれないけど万引きはいいかもな・・・」

アク「万引きするぐらいなら、なんでも買ってやるよ」

ミッキー「いやいや、別になんかほしいってことじゃないけど、何か1つ悪夢でやってみたいってこと」

ユージ「なるほどね。それで捕まったら完全犯罪なんて夢のまた夢ってわけか」

アク「そっか。やってみるか?」

けんた「でもさ、万が一バレて高校行けなくなったらどうする?」

ユージ「それはやだな」

アク 「じゃあ高校入ってからにするか?」


けんた「 俺いねーよ(笑)」
アク「そか・・・」
けんた「でも、俺夏休みとか帰ってくるから、そんときやろ?」
アク「ああ。みんなそれでいい?」
ユージ ミッキー 「あーいいよ」

それから、2ヶ月が過ぎた。

あきは、一足先に推薦入試で一星高校を合格していた。

あきは、少し浮かれていた。
アク、ユージ、ミッキーは、三星高校へ合格するため、けんたと毎日勉強していた。

たまにあきも一緒になってアク達に勉強を教えてた。

そのこともあって、アク達はどんどん知らなかったことを覚えていった。


3月。 高校入試!
アク、ユージ、ミッキーは入試を受けに三星高校へ。
3人は、『あらゆる手段』を使い手ごたえはあった。

無事、入試が終り、卒業式。
卒業生代表が・・・腹痛のため、答辞を言う代役がアクになった。
・・・それは、アクが答辞を言いたかったために、「腹痛で休んどけ」と・・・代表に言ったからだ。
軽い脅しだ。
そして卒業式が始まった。

アクが答辞を読む。
答辞の内容は、既に決まってあったが、アクは自分なりの言葉を言い出した。

アク「俺らはー、卒業し新しい世界へと飛び立ちます。
ここまで俺らを育ててくれた親、先生、地域もみなさん、本当にありがとうございます!」

けんた《・・・ああ・・・日本ともお別れか・・・》

アク母《あれ?なんで、うちのコが・・・》

アク「俺は、この友合中学を卒業できることをとても誇りに思います」

アク母《あのこ・・・紙見てないわ・・・心配》
アク「後輩たちよ、1年なんてあっという間だ!悔いのないように、中学生活を楽しんでくれ」
アク母《あのコも立派になったわね・・・》←涙

アク「俺は、頭わりーけど、世の中頭いいやつが必ずいい人生を送れるとは思ってない。

頭いいやつが金持ちとも限らない。

10年後誰が一番金持ってるか勝負しねーか?」



アク「俺は、勝つ自信があるぞ」
けんた「あれ・・・アク何言ってんだ?・・・」

アク「まーそれは、どうでもいいんだけどさ。最後に1つ!
後輩よ我らを超えよ!!!!!以上!おわり!!!」

けんた「おー」

アク母《あのこいつから、こんな人前で堂々と話せるコになったんだ・・・》

アクは悪夢ができて以来、自分にさらに自信を持って生活していたので人前で話すこともに何も抵抗が無かった。
そうして、卒業式は終わった・・・。
そして、数日が経ち、三星高校の合格発表!

3人とも・・・無事合格!!!!

けんた「よかったね」

アク ユージ ミッキー 「おう!」

ミッキー「ホントに テンションあがるわー!!」
アク「だなー!!!」
あき「よかったねー!!!」
ユージ「当然の結果・・・」

アク「けんた。フランス行ってもがんばれよ!」
けんた「おう!アクに心配されるなんて俺もまだまだだなー」
ユージ ミッキー あき「あははー!」

よしき「 今日は おごりだ!食え食え!!!」

アク「おー!!!」

合格が決まった日。
神様の楽園でみんな揃ってラーメンを食べた。

けんたは、数日後フランスへ飛んだ。

アク「よし!けんたから、カギも預かったし!!!」
ユージ「なんか、ワクワクするな」
ミッキー「いぇーい!!!」

3月末日。
3人はけんたの家で暮らし始めた。

そこでは、いくつかの問題があった・・・。

あきは、神様の楽園でバイトを始めた。
よしきがどうしてもと、あきに頼んだからだ。
あきは、週2回という約束でOKした。
あきを見にくる客が増えた。 

よしき《・・・作戦通り・・・》

そして、三星高校入学式!!!



1部。中学卒業までです。

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