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ゼンを読む前に完全犯罪1部〜3部3ページまでを読んで下さい。
連載小説 完全犯罪ページ 



完全犯罪 〜ゼン〜

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東京生まれ、東京育ち。ゼン。

ゼンの父親は警察官だ。
さらにゼンの父は剣道5段で全国大会にも出場したことのある実力者だ。

ゼンは3歳のときから無理やり剣道を習わされていた。

父親は正義感溢れる人で小さな犯罪も許す人ではなかった
そのせいもあってゼンは幼いころから「道徳」や「悪」がどんなにいけないことかを耳にタコができるほど聞かされて育った。

ゼンは小学校1年生のときから小6までの少年の部の剣道大会は全て優勝という記録を持つ。

小学生のある日の朝。

ゼン 「おはようございます。お父さん」

ゼン父「おはよう」

家族に対して敬語を使うゼン。
物心ついたときから敬語を学ばされて育ったので自然と敬語が口から出るようになっていた。

それは同じ学年の子にはもちろん年下にまでそうなっていた。
そんな性格でもイジメられなかったのは剣道の腕前とまっすぐな性格がみんなに認められていたからだ。



ゼンが小学4年のときのこと・・・

ゼンはいつものように朝6時に起きて庭で剣道の素振りをしていた。

ゼン父「今日もやってるのか」

ゼンの親父が寝床から起きて朝刊を取りに外へ出てきた。

ゼン 「おはようございます」

ゼンの親父はゼンが自分の理想通り育っていることで自慢の息子だった。
ちなみにゼンは一人っ子。

ゼンは朝の素振りを終えるとランドセルを持って学校へ行った。

ゼン 「先生、おはようございます」

先生 「おはよう。ゼン君。今日も元気だね」

ゼン 「はい」

先生 「今日は算数のテストがあるけど勉強してきた?」

ゼン 「はい。2時間勉強してきました」

先生 「そっか。普段の授業も真面目に聞いてるのに偉いねえ」

ゼン 「普通ですよ」






そして算数のテストの時間。




ゼン 「あ、しまった。昨日勉強したときかな・・・家に筆箱忘れた」

ゼンは泣きそうな顔で周りを見渡すと・・・

隣の席にいたゆきがそっとえんぴつを貸してくれた。

ゼン 「ゆきくん。ありがとうござます」

ゆき 「この前消しゴム貸してくれただろ?そのお返しだよ」

ゼン 「貸しましたっけ?」

ゆき 「覚えてないのかよー。まあいいって」

先生 「そこ黙りなさい」

ゼン 「すいません」



・・・そうして算数のテストは終わった。

ゼンは過去に起こったことで自分には些細(ささい)もないことはすぐに忘れてしまう性格だった。




それから2年が経った。
ゼン小6。剣道の少年の部の全国大会で優勝した。

それは瞬く間に学校中に広がりもちろん近所の住民の耳にも届いていた。

小6のある日。

小6にもなればクラスに不良が出てくる。

朝の勉強の時間のことだった。

ゼンのいるクラスは38人で二人がドッチボールを教卓のある前と後ろで投げ合っている。

不良A 「お前等頭下げとけよー当たるぞー」

不良B 「勉強なんてしてられねえーよ」

その二人は先生がいないことをいいことに好き放題やっていた。

不良A 「おい、勉強なんかやめてここでセンコーが来るの見張っとけ」

そう言っては気の弱そうな子を廊下に出させ見張りをさせていた。

もちろんゼンは正義感が強いのでやめるように言うと

不良A 「うっせえなあ。関係ないだろ」

ゼン  「みんな嫌がってるからやめてくださいよ」

不良B 「みんな嫌がってるかー?」

教室は沈黙。

不良B 「誰も嫌がってるなんて言ってねえじゃん」

嫌だなんて言えるわけがない・・・。

そんな日々が1ヶ月続いた。

先生は気付かない。

不良2人は毎朝ドッチボールで遊んでいる。

不良が怖いせいか誰もなんとも言わない。

わざと不良がボールを当ててもなにも言わない。



ゼンは心の底では嫌だったがたった20分の朝の勉強だし

「やめて」と言っても言うことの聞かない人を注意するもの嫌だった。

ある日。

不良A 「おい、ゆき。今日はお前がみとけ」

ゆき  「え。嫌だよ。なんで俺がしなくちゃいけないんだよ」

不良A 「は?嫌だと」

そういうと不良Aは持っていたドッチボールをゆきにぶつけた。

ゆき  「痛ってえなあ」

不良B 「お前が見張りに行かないからそうなるんだ」

そういうと不良Bも教室においてあるサッカーボールをゆきにぶつけた。



ゆきは半泣きになりうずくまった。

ゼン  「やめろ!!!」

ゼンは席から立ち上がるとゆきのところへ走って近寄った。

不良A 「ゼン。お前さあ。剣道強いらしいけど1対2じゃ勝てないよなあ」

ゼン  「勝てるけどケンカなんてしたくない」

不良A 「はぁ?勝てるだと? お前がしたくなくても俺がしたいんだよ」

そういってゼンを殴る不良Aそれを見て不良Bもゼンを殴りにかかった。



ゆき  「もういいよ。俺が先生見張っとけばいいんだろ」

泣き止んだゆきがそういった。

ゼン  「ダメだよ。嫌なんでしょ」

ゆき  「だってゼンが・・・」
ゼンは殴られ声がかすむ中ゆきに言った。

ゼン  「ゆきくん、覚えてますか?2年前えんぴつ貸してくれたこと。俺すごく嬉しかった・・・」

ゆき  「え?あの算数のテストのとき?」

ゼン  「うん。恩は返せってお父さんに言われてるから」

そういうとゼンは不良Aのキックを左腕と腹で受け止めるとそのまま前へ押し倒した。

不良Bの顔面へのパンチをかわすと腹へ一発パンチを入れた。

不良B 「痛ってえなあ」

ゼン  「そりゃ痛いですよ。痛くしたんですから」

不良Aは立ち上がって掃除道具入れから長いホウキを出した。

不良A 「ゼン許さねえ」

ホウキでゼンを殴ろうとした瞬間。



先生  「コラァアアアアアアアアアアアアア!!!!」

女子の一人が職員室へケンカしてるという連絡をしに

行っていたため先生が時間よりはやく教室に戻ってきた。

先生 「なにしてるの、あなたたちは!!」


ゼン 「すいませんでした」

不良A「スイマセンデシタ」

不良B「スイマセンデシタ」





ゆきのため身を犠牲にして止めにかかったのがゼンの最初で最後のケンカだった。



そんなゼンが中学生になった。

ある日ゼンは日曜日にもかかわらず朝から庭で竹刀を振り汗をかきシャワーを浴びると
リビングで腹筋をしていた。

ゼン父 「今日は剣道部休みか?」

ゼン  「今日は午後2時からです」

ゼン父 「そうか」

ゼン父はそういうとテレビをつけた。
しばらくすると・・・

ゼン父 「おい。ゼン3億円事件って知ってるか?」

ゼン  「3億円事件ですか?知りません」

ゼン父 「ちょっとテレビ見てみろ」

ゼン  「はい?」

ゼンは腹筋を止め立ち上がりテレビを見た。





ゼン  「こんな大金盗まれて犯人が捕まってないんですか?」

ゼン父 「・・・警察の恥の1つだ。」

ゼン  「父さんはこの事件の調査とかしてたんですか?」

ゼン父 「まさか、俺の上司がやってたらしいけど・・・。そのころ俺がいたら捕まえてるさ」

ゼン  「これってそんな古い事件なんですね」

ゼン父 「ああ、もう時効が成立してる」


ゼン  「時効ですか・・・」

ゼン父 「悔しいよな」

ゼン  「はい。もう二度とこんな事件が起きないように僕も警察官になって犯人を捕まえたいです」

ゼン父 「そうか。まあ金を奪うのもいけないことだが殺人はもっと許せないな」

ゼン  「そうですね」

ゼン父 「まあそんなこと言わなくてもわかってるか」



そしてゼンは昼食を家で取り少しはやめに学校へ向かった。


学校へ行く途中。

ゼン  「3億円事件か。やっぱり絶対許せないな」

このときゼンは漠然とではあったが人生の目的が決まった。それは・・・

この世から犯罪を無くすことだった。

そのためにゼンは自分の親と同じ警察を目指すようになりよりいっそう剣道や勉強を励むようになった。


それから1週間後。学校。
ゼンは学校に推理小説の本を持っていって時間が空いているときに読んでいた。

ゆき  「ゼンくーん」

ゼン  「ゆきくん。どうしました?」

ゆきは小6のあのケンカ以来ゼンと仲良くなりゼンのことをゼン君と呼ぶようになっていた。

ゼンとゆきは違うクラスで度々ゆきがゼンのクラスへ遊びにきていた。


ゆき  「ゼン君さー。何読んでるの?」

ゼン  「これは推理小説ですね。面白いですよ」

ゆき  「すいり小説?」

ゼン  「簡単にいえば探偵が犯人を見つけるって感じですかね。最近漫画とかでも結構やってますよ」

ゆき  「ああ、金田一とか?」

ゼン  「そうです。その小説だと思って下さい」

ゆき  「それ楽しい?」

ゼン  「楽しいですよ。もう読んでしまった本がいくつかあるので貸しましょうか?」

ゆき  「じゃあ今までゼン君が読んだ中で一番面白かったやつ貸してよ。読んでみるよ」

ゼン  「いいですよ」

そういってゼンはカバンの中から小説を出した。

ゆき  「結構厚い本だね」

ゼン  「それだけ書きたかったことがあるっていうことですよ。面白いですよ」

ゆき  「そっか。わかった読んでみるよ。ありがとね。読み終わったら返しにくるよ」

ゆきはゼンから本を借りて自分の教室へ戻った。


それから2週間一度もゆきはゼンの前に姿を現さなかった。

ゼンは昼休みにいつものように推理小説を読んでいると・・・

ゆきがゼンの教室にやってきた。

ゆき 「ゼンくーん」

ゼン 「あ、ゆき君」

ゆき 「あの本読んだよ!自分が思ってた人が犯人じゃなくてとっても面白かった」

ゆきは目を輝やかせゼンに小説の内容を話した。

ゼン 「面白かったでしょ。他の貸しましょうか?」

ゆき 「うんっ」


それからゆきはゼンの本を借りては読んで読み終わればまた借りてを繰り返していた。


それから数ヶ月経ちゼンは1年だけが出場する剣道の新人戦で優勝した。



さらに数ヶ月が経ちゼンは警察に入るために公務員試験の過去問題を解くようになっていた。


そんなある日ゆきがいつものように昼の休みの時間ゼンの教室にきた。

ゆき 「ゼンくーん」

ゼン 「おーゆきくん」

ゆき 「あれ、ゼン君もう期末テストの勉強してるの?」

ゼン 「あーこれは、公務員試験の過去問題です」

ゆき 「え?公務員試験?」

ゼン 「はい、警察官になりたいんですよ」

ゆき 「警察官って今ごろから勉強しないといけないの?」

ゼン 「そういうわけではないんですが・・・どんな問題が出るのか興味もありましてね」

ゆき 「どんな問題がでるの?」

そういうとゼンは本を見ながらノートに書き始めた。

ゼン 「これ解けますか?」

そういってノートを破りゆきに渡した。





【問題】
A,B,C,D,E,Fの6人でレースをした。
順番を答えなさい。

■ヒント

・Aは1位でもなく6位でもない。
・EはAより先にゴールした。
・BはFより後にゴールした。
・Cは5位か6位のどちらかである。
・Dは4位だ。
・Eがゴールした後二人ゴールしその次にBがゴールした。
・FはDより先にゴールした。


ゆき 「え?なにこの問題?」

ゼン 「これは簡単な推理問題です」

ゆき 「こんな問題出るの?」

ゼン 「はい。解けます?」

ゆき 「ちょっとこの紙貰ってくね。解いてみる」

ゼン 「待ってます」

そういってゆきはその紙を持って教室へ帰って行った。


そしてその日の授業が終わり部活へ行こうとしているとゆきがゼンの元にやってきた。

ゼン 「解けました?」

ゆき 「これ当ってるかなあ?」

ゆきはゼンにノートの切れ端を見せた。

そこにはF,E,A,D,B,Cと書かれた文字が並んであった。

ゼン 「ちょっと待って下さい」

ゼンは過去問の答えを見て確認した。

ゼン 「おっ!当たってますよ」

ゆき 「やったー。解くのに1時間ぐらいかかったよ」

ゼン 「そうですか。まあ最初だしそんなもんですよ」

ゆき 「他に似たような問題ないの?」

ゼン 「やりたいのならこの本貸しますよ」

そう言ってゼンは過去問題の本をゆきに渡した。

ゆき 「ありがとー。俺も警察になろっかなー?」

ゼン 「んー。なんかゆきくんは警察っていうより探偵の方が向いているような気がしますよ?」


ゆき 「探偵かー。確かに推理小説に出てくる探偵はみんなカッコ良いしなー」

ゼン 「ゆきくんが探偵で僕が警察でコンビ組んだら面白そうじゃないですか?」

ゆき 「それいいねー」

ゆきが本気で探偵になろうか、なんて思うようになったのはこの頃からだった。

ゆき 「そういえばさゼン君いつも敬語だよね?俺と話すときぐらい普通に話そうよ?」

ゼン 「んーそうですね。できる限りやってみます」

ゆき 「ってそれがもうカタイよ・・・(笑)」

ゼン 「あはは・・・」

ゆき 「まあいいや。いきなりは無理だから徐々にね」

ゼン 「はい。それじゃあ僕は部活に行きますね。1年生は早く行かないと先輩に怒られるから」

ゆき 「うん。じゃあまたね」


ゼンは駆け足で校内の武道場へ向かった。


部活が終わりゼンは後片付けをして武道場を後にして家へ帰ろうとすると・・・

密かにゼンに思いを寄せるゼンと同じクラスの愛華知恵(あいかちえ)が話しかけてきた。
愛華知恵(通称ちえ)はゼン達と同じ小学校でその頃からちえはゼンのことが好きだった。


またゼンも好きな人がいないわけではなかった。

ゼンの好きな人もまた・・・愛華知恵だった。

そう二人は両思いなのだが・・・


ちえ 「ゼン君?」

ゼンは部活終わりにちえがいるのが不思議だった。

ゼン 「あ、ちえさんどうしたんですか?」

お互い何気に緊張しているのは外からみればバレバレだった。

ちえ 「実は・・・私の友達が・・・」

ゼン 「どうしたんです?」

ちえ 「ゼン君のことが好きだって・・・これその子が書いた手紙です。渡してって頼まれて」

ちえはカバンからその友達が書いたという手紙を取り出しゼンに差し出した。

ゼン 「え?あー。」

ゼンは初めて女子から手紙というものをもらったのでどうしていいか分からず。

ゼン 「わざわざありがとう」

と一言いうとちえはゼンの前から走り去っていった。

ゼン 「ちえさんの友達って誰からだろう・・・」

ゼンはちえから貰った手紙を学校の帰り道に読んでみた。

ゼン 「えーっと・・・」

【手紙内容】
---
ゼン君へ
 
私は隣のクラスのかおるです。
一度も話したこと無いけどゼン君を見てるだけで幸せです。
これからも剣道がんばってください。
もしよかったらメールしませんか?
kaoru-mail@・・・        
---

ゼン 「え・・・。」

ゼンは手紙をカバンの中に入れ帰宅した。

ゼン 「・・・って僕携帯持ってないんだけどなぁ・・・(汗」


それから何事も無く1週間が過ぎテスト週間に入った。

ゼン達中1にとって初めての中間テスト。

今自分が何位にいるのか。1年全240名の中で順位がはっきりとする。

ゼンはもちろん1位を狙っていた。

部活は全て無くなり学校が終わるとすぐに家へ帰りゼンは勉強に打ち込んだ。


かおるのことは・・・勉強に打ち込み過ぎて記憶から離れていった。

かおるからもゼンに声を掛けにくくなり・・・かおるとゼンとの進展はこれ以上なかった・・・。



そして2週間が過ぎた。

中間テストが終わり結果が出た。

ゼンはもちろん自分が1位だと思っていた。が・・・

ゼンはおしくも2位だった。

国語99点数学100理科98社会96英語100

この成績で2位。

ゼンは2位でもうれしかった。
自分の実力がわかったし結果も不満は無かった。


ゼン 「誰が1位なんだろう」

当然気になるのは1位だった。

学校の帰りにゆきがゼンの元へやってきた。

ゆき 「ゼン君、テストどうだった?」

ゼン 「良かったですよ」

ゆき 「えーまさか1位?」

ゼン 「いやー2位でした。ゆきくんはどうでした?」

ゆき 「えっとー150位・・・」

ゼン 「・・・」

ゆき 「テスト期間中に推理問題解いてる場合じゃなかったー」

ゼン 「あはは。本当に好きですね」

ゆき 「だってさー。三角形の面積分かったって探偵の仕事には使わないでしょ?」

ゼン 「分かりませんけど」

ゆき 「まー終わったことは仕方ないっ。でも1位って誰なんだろう」

ゼン 「そのうちうわさで誰か分かると思いますよ」

ゆき 「うわさかー」


翌日。

ゼンが廊下を歩いているとゼンとは違うクラスの人の話し声が聞こえた。

男「中間テストの1位は愛華知恵らしいよ」

女「知ってるよ。私知恵と友達だもん。先生におめでとって言われたんだって」


ゼン ≪ちえさんが1位か・・・小学校のときも頭良かったしなあ≫


知恵の成績は。

国語100数学99理科100社会100英語99

ゼンは数学と英語が100点だったがちえはゼンが満点ではなかったところが満点だった。

ちえも気付くことがあった。それは教科別順位。

数学99点なのに2位。英語も99点なのに2位。

ちなみにちえの父親は大学の先生で母親は高校で英語の先生をしている。


ちえはゼンが数学と英語で100点を取っているのではないかと思いゼンに確かめることにした。


ゼンの部活終わり帰ろうと武道場を出ると
武道場の玄関のところにちえが一人で座って待っていた。


ゼン 「ちえさん誰か待ってるんですか?」

ちえ 「あーゼン君待ってたの」

ゼン 「!」

ゼンは一瞬心臓が止まったような感覚になった。

ゼン 「僕になにか?・・」

ちえ 「ゼン君さこの前のテスト数学と英語100点だったでしょ?」

ゼン 「はい」

ちえ 「私それ以外全部100点だったのになあ」

ゼン 「ちえさんが1位だったんですね」

ちえ 「うん。そうなんだ」


ゼンとちえはこれ以来自然と仲良くなっていき中3の夏
ゼンが剣道部の最後の大会で個人で全国優勝をした際に
ゼンからちえに告白し付き合うことになる。

ゆきはゼンに刺激され徐々に順位を上げていき中3の夏にはトップ20にまで
上がっていった。

そのおかげでゼンはたまにゆきの家に遊びにいくとゆきの両親から
いつもなぜか褒められていた。


時間は過ぎゼン中3の10月。
ゼンもゆきもちえも偶然同じクラスになりそれぞれが今までの人生で最高に楽しい日々を過ごしていた。

ゼンは部活には出なくてもよかったのだが先生に頼まれ
後輩に剣道を教えて過ごしていた。

ゆきは両親に本気で探偵になりたい!というと
親からは笑われて相手にさえしてもらえなかった。


そんな10月のある日放課後。

ゆき 「あー親に探偵になりたいっていうとさ。あんたはゼン君じゃないんだからやめときなって・・・」

ゼン 「僕は警察なんだけどなあ・・・」

ゆき 「親からみたら警察も探偵も同じなんだよ」

ちえ 「ゆきくんさー本当に頭良くなったよねー」

ちえはゼンと付き合うようになってからゆきとも仲良くなっていた。

ゆき 「みんなのおかげだよ」

ゼン 「自分の力だと思いますよ」

ゆき 「ありがと」


そんなとき。中3で初めて同じクラスになったヨネというやつが・・・

ヨネ 「あー俺もう死にてー」

と大きな声で言いながら教室に戻ってきた。

ゼン 「ヨネ君どうしたんですか?」

ヨネ 「あーゼンか。聞いてくれよ。今な先生と進路について話してたんだけど・・・」

ゼン達は真面目な顔になった。

ヨネ 「その前にこの前のテストゼン1位だったよな?」

ゼン 「はい」

ヨネ 「どうだ?人生楽しいか?」

ゼン 「え?・・・まあそれなりに楽しいですけど」

ヨネ 「やっぱ先生じゃ話にならないな」

・・・少し沈黙を置き・・・




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