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家族を捨ててまで賭け事できますか



タイトル 賭×賭 〜家族〜        by あくぼう



「賭け事だけは絶対するんじゃない!」
俺は、おふくろに幼いころからそう言われ育った。
俺の家族は、賭け事で苦しい思いをしたからだ・・・。


























俺のじいさんは、もう死んじゃったけど、株をやってた。
日本では有名な相場師だった。
億単位の金を動かしてたという伝説が残っている。

















そんなじいさんが死んで、俺の親父は、じいさんの遺産をたんまり譲り受けやりたい放題していた。

親父は仕事をやめ、毎日遊んでいた。俺がまだ2歳のときだった。








親父は、普通に遊ぶことに飽きた。
そして親父は・・・
賭け事に興味を持った。





















親父「俺はあの伝説の相場師の息子だ。つまり俺も天才だ」
親父はおふくろの発言には一切耳をかさず賭け事をやりはじめた。
親父はまずスロットを打った。










親父は、スロットを半年ほどやっていたが、やめた。
お金があまり動かないからつまらなかったらしい。
親父は気付いていた。













俺には株は無理だと。
親父はじいさんの姿をずっと見てきたから知っている。
株はものすごく勉強しても上手く行かないと。















親父は、ルールも知らないのに麻雀をやりはじめた。
レートは点100ぐらいだ。
親父はなぜか、勝っていた。














腕のイイ人を見つけたらしい。
その人に教えてもらったんだ。
その人はプロだった。



















金さえあれば、なんでも教えてくれる。
親父は調子に乗っていた。
そんな親父は麻雀を覚えて1年ぐらいでヤクザとも麻雀をした。






































親父はカモられた。






親父は、数億という金をヤクザに取られた。
おふくろは、泣いた。
俺はまだ幼かったからなんのことかわからなかった。





それでも親父はおふくろの言葉を無視して最後の賭けにでた。
親父はじいさんみたいに伝説の人と呼ばれたかったのだろう。
親父「なぁ、お前。最後の賭けさせてくれないか?」




おふくろは、黙ってうなずいた。
親父はヤクザともう1度麻雀をした。
親父は麻雀の緊張感が好きだったらしい。




















親父はヤクザにまたしても負けた。


俺たち一家は、家を失った。















それから、おふくろは、親父と別れた。
俺はおふくろのもとで暮らすことになった。
俺が、4歳のときだった。











そんなことがあったため俺はおふくろに
「賭け事だけは絶対するな!」
そう言われていた。








俺たちは、今まで豪華に暮らしてきたが家を失ってからは本当に貧乏だった。
おふくろは、おふくろの母から金を借りていた。
もちろん、おふくろはやったこともないパートの仕事をするようになった。





幼い俺でも今の状況ぐらいはわかっていた。
そのとき俺は、俺の手でおふくろを前あった生活に戻すと決めた。
俺が中学生なったとき、



クラスでトランプが流行った。
大富豪というゲームだった。
1位がドベから100円もらうというルール。





俺は、おふくろから言われていたこともあってはじめはやらなかった。
そんな俺に友達はいった。















「おまえ、男らしくないぞ。びびってんのか?
たかが100円だぞ?」








俺は、キレた。
俺のじいさんは伝説の相場師だ!
俺も親父と同じでじいさんを誇りに思っていた。




俺は、その日から大富豪をやった。
それから、1年もたたないうちにあたらしいトランプゲームをするようになった。
そのゲームとは、



『カブ』だ。
カブはトランプのゲームで、2枚くばり合計が9に近ければ勝ちという単純なものだ。
俺はそれで勝ち続けた。



もちろんおれは、イカサマをしていた。ある時気付いたんだ。上手くやる方法を。















そんな俺は、賭け事にハマりだしていた。
もちろんおふくろには内緒だった。
俺が高校生になったとき、そのカブ仲間が麻雀をしようと俺を誘った。




俺は、かなり抵抗があったが、感覚がマヒしていたのか?
俺は麻雀を覚えやりはじめた。
俺《親父はこれで・・・》


























そう思うと俺は泣けてきた。
俺は麻雀の面白さに気付いた。
俺《麻雀って深いな・・・。今までのトランプゲームなんてクソだ》



俺はそう思った。
そしておれは、友達同士で麻雀をやるときは、9割以上勝っていた。
俺はプロになろうと思った。





しかし俺は、おふくろに麻雀のプロになるなんて言えるはずもなかった。
俺は黙って練習をしていた。
俺には特になりたい職業は無かった。








ただ・・・平凡なサラリーマンだけはなりたくなかった。
なにか俺は心のどこかで『普通じゃだめだ』といつも思っていたからだ。
俺は、おふくろを幸せにするんだ。



俺は、高校を卒業した。
もちろん大学へ行く金なんてない。
俺はフリーターを選んだ。就職はしたくなかった。


俺は毎日麻雀をした。
雀荘でバイトをした。
全部おふくろには内緒だ。






5年ほど雀荘でバイトしていた俺は、麻雀も強くなった。
店の人からもお客さんからも上手いと言われた。
そんなとき、突然おふくろが倒れた。









おふくろはガンにかかっていた。
俺は泣いた。
「クソ・・・金がない、手術もできない・・・」




俺は、どうしてもおふくろを助けたかった。
手術さえすれば治すことができる。
一刻も早く手術をしなくてはならなかった。時間との勝負だ。





次の日俺は、雀荘でいつもよりレートの高い麻雀をしたいと頼んだ。
いろんな人に頼んだがだれも相手にしてくれない。
俺の名前はそれほど有名であった。そこへ・・・






一人の男がやってきた。
「ぁー。金いらねーなー。今日はレートの高い麻雀を楽しむかなー」
その男は、初めて見る顔だった。




俺はその人に頼んだ。
俺「俺と打ちませんか?」
男「え?にーちゃん、金あるの?」






俺「あります」
男「みせてみ?」
俺「俺は今まで麻雀で勝ってコツコツ貯めてた現金30万をみせた」






男「たりんな!」
俺「じゃあ、俺ここでバイトしてるんで、バイト代をも負けたときはあげます、俺は逃げません」
男「まあーいいか。俺は金に困ってるわけでもないしな」




そしてその男はあと適当に店にいた客を2人誘って麻雀をすることになった。
適当に誘った客はなにも賭けてない。
ただ俺とその男の点差で金が動く。





俺は、男に勝つことができた。
男「にーちゃん、うまいじゃねーか。油断したぜ。また日を改めてやらないか?」
俺はOKした。






そのときもらった金は400万ほどだった。
とりあえずその金で手術をした。
おふくろは手術に成功し、元気になった。


















そして数日が経った。
俺はいつものように雀荘で働いていた。
そんなとき、あの男が現れた。





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