不思議な体験ありますか? タイトル 連れ去り事件 by あくぼう 大学2年。旅行が大好きな俺は今年の夏ヨーロッパへ友達と二人で旅行に行った。 去年は中国へ行った。 一緒に旅行に行った友達は霊感があるらしい・・・。 俺には全く霊は見えないのだがそいつははっきり見えるという。 初め知り合ったときは疑っていたがどうやら本当のようだ。 彼が言うには耳鳴りがしたら近くに霊がいる。という話だ。 去年の中国旅行での話。 ふらふら道を歩いていると路上で絵を売っていた。 彼は一目惚れしたらしく女の肖像画を買った。 中国のどこかは、はっきり言えないがホテルに泊まった。 大学生が泊まるホテルは寝るだけの部屋だ。 飯無し、シャワーはついてたかな。 2人同じ部屋で仲良く寝ていた。 彼は言った。 「やべ。耳鳴りがする・・・近づいてくる」 俺 「耳鳴りはしたけど・・・近づいてくるの?」 「90%幽霊だ。足音からして男だな」 俺 ≪足音すんのか?・・・幽霊なのかそれ・・・≫ と俺は思った・・・。 俺には全くその気配はない。だが、彼がそういうのならいるのだろう。 そして・・・近づいているのだろう・・・・。 それから約1分が経った。 彼は言った。 「今、俺達の部屋の前でこの部屋に入ろうか迷っている」 俺 「マジかよ。入ってきたらどうする?」 「知らねえよ・・・」 俺 「塩でもまくか?・・・」 「塩なんて持ってきてねえし・・・そんなの中国で使っても効果ねえよ」 俺 「え?中国の霊は塩ダメなの?」 「知らねえよ・・・」 彼は言った。 「やべ、入ってきた」 俺は、目を閉じた。 このまま寝てしまおう。 隣で寝ている彼は、小刻みに震えている。 俺は無理矢理寝た。 そして次の日、彼は言った。 「霊がね、俺も一緒に旅行したいって言ってた」 俺 「・・・?」 彼 「嘘、嘘。冗談」 俺は冗談には聞こえなかった。 そんな中国のちょっと怖い話があって今年はヨーロッパへ行く。 一度中国であんな怖い目にあったらもう二度と中国へは行けない。 彼がいうには霊はどこにでもいる。 昼間は墓で寝ているが夜になると散歩するんだって。 そして今年行ったヨーロッパの話。 一人日本円にして800円のホテル。 シャワーすらついていない。 部屋の中には虫がいた。 そんなホテル、中国のときよりヤバそうな雰囲気は出ていた。 一人800円ということで別々の部屋に泊まる事にした。 彼の部屋と俺の部屋は廊下を挟んで反対側。 深夜12時。 耳鳴りがした。 「・・・。まさかな」 だんだん耳鳴りが大きくなってくるではないか・・・。 「キイイイイイイイイイーーーーーーーーーーーン」 ヤバイ。大きくなるほど近くにいるって言ってたな。 俺はさすがにびびって彼の部屋に行こうとした。 一人でいるより二人でいたほうが少しは気が落ち着くと思ったからだ。 「・・・。ドア開かねえ・・・」 ヤバイ。俺はベットに戻り毛布を頭までかぶった。 もうそれしかなかった。 「このまま寝よう」 それから約1分。 耳鳴りが収まった。 「あれ?どっかに行ったのかな」 俺は目を開けて彼の部屋に行こうとベットを立とうとした。 その瞬間、 俺の上に霊がいる。 男の霊だ。 兵隊のような服装。 顔は、外人。 俺は、目を閉じた。 「もうだめだ。これは夢だ。ありえない。なんで・・見えるんだよ!」 心の中で叫んだ。 兵隊は言った。 「こいつじゃねえ」 俺「いやいやいや・・・・なんで日本語やねん!!!ボケええええ!!!」 と、思った。そのときには兵隊はもういない。 今まであった上に乗っているという感覚がなくなり。 耳鳴りも完全に消えた。 「って待てよ。俺じゃないってことは・・・」 俺は友達だと思った。というか、彼しかいない。 中国のときの霊か? いやいや、中国人ではなかったぞ。ってか俺も霊見えるようになったのか・・・。 今、間違いなく霊は、彼の部屋にいる。 そんな状況で俺が彼の部屋に行けるはずもない。 俺はそのまま寝た。 次の日。 彼 「昨日さー、ヨーロッパ兵の霊が出た」 俺 「俺も・・・」 彼 「俺の体の中に入ってきて、俺の心に直接言ったんだ」 ≪もう逃がさない。彼女をどこへやった≫ 彼 「俺さ、なんでこいつが日本語話してるかわからなかったよ」 俺 「それでどうなったの?」 彼 「知らねえよ。気がついたらいなかった」 俺達は次の日、予定通り日本へ帰った。 このまま終わればたいしたことはない。 彼が家に帰って トランクを開けた。 トランクを開けた瞬間ものすごい耳鳴りがした。 気にせず彼は、トランクの荷物をトランクから出し後片付けをしていた。 「ありえない」 壁にかけてあった、中国で買った肖像画。 去年の中国旅行で一目惚れした女の人の肖像画・・・。 その中にかかれている 女がいない! 女だけがいない。 背景の風景はそのまま。 女だけがいない・・・・。 連れ去られたらしい・・・。 おしまい。 トップページへ戻る |