トップページ




タイトル  子供の知恵  byあくぼう



小学4年生のダイスケは友達のマサルとその兄弟で2つ歳下のカズヒロとよく遊んでいた。


3人は、家でよくテレビゲームをして遊んだ。



ある日。ダイスケはマサルの家でテレビゲームをしているとマサルの両親はスーパーへ買い物に出かけた。




マサルの家には子供3人しかいなくなった。



マサルは、今から俺達も遊びに行こうと言った。


ダイスケはでもお金がないからこのまま家で遊ぼうと言った


マサル   「大丈夫だよ、お金ならある」


そういうとマサルは一人テレビゲームのあるリビングから部屋を出た。

ダイスケは2つしたのカズヒロと2人でゲームをしていた。

マサルが部屋を出て10分ほど経った。


マサルが帰ってきた。



マサル  「親の金庫から金取ってきた」


ダイスケは耳を疑った。


ダイスケ 「え?金庫ってカギしてないの?」


マサル  「してあるよ。でもね、カギの場所知ってるんだ」


マサルは親が金庫に大事なものをしまうとき一緒に見ていたことがあってカギの場所を知っていた。


カズヒロ 「お兄ちゃん、バレてもしらないよ」


マサル  「あれ?カズヒロはお金いらないんだ?」

マサルはカズヒロが前から集めているカードのことを知っていた。

マサル  「お前にも金やるから一緒にカード買いにいこう」


マサルはしっかり者でカズヒロにとっては尊敬できる兄だったので説得に応じた。


カズヒロ 「わかった」

マサル  「お前も共犯だからな、バレたらお前も叱られるんだぞ」


カズヒロは叱られるよりカードの方がほしかった。

ダイスケ 「って俺もかよ」

マサルはダイスケのことを心から尊敬していた。

力関係で言えば  ダイスケ>マサル>カズヒロ だった。


マサル  「ダイちゃんは、いいよ。家族内なら叱られるのもたいしたことないし」


マサルはそう言った。




マサルが金庫から抜いたお金は3000円だ。


カズヒロ 「わー。一回に1000円もカードしたことないよ」


カズヒロの目は本気で嬉しそうだ。


3人はゲームをやめて歩いて近くのスーパーへ行った。




駐車場にマサルの親の車がないことを3人で確認した。


マサル  「よし、大丈夫だ」


ダイスケ 「でもさ、近所のおばさんとかに見つかってもマズイよ」


マサル  「大丈夫だってお年玉って言えば」



3人はスーパーへ入った。

カズヒロは1000円をすぐ100円に両替した。


そして、すぐ使い果たした。


マサル  「カズヒロー。お菓子いらないの?」



カズヒロ 「うん」


カズヒロは満足していた。


ダイスケとマサルは菓子とスーパーボールを買った。


帰りにコンビニでからあげとおにぎりを買った。





小学4年にもなるとカードとか「残るもの」を買うのは危険だということを知っていた。

だから食いものが多い。









3人は金を使うことがこんなに面白いことだとは思っていなかった。


マサル 「カズヒロ、絶対親に言うなよ。絶対バレないから」



カズヒロ 「わかってるって」



こうして1回目の金遊びは終わった。











犯罪は、いじめと同じでエスカレートするものだ。



はじめは1人1000円だったのが1年も経つと



1人1万円。








そう、彼等はまだ抜いていた。





抜くペースも段々短くなった。





月に1回は1万を抜く。




まだ両親は気付いていない。


ダイスケは探偵マンガが好きでをよくみていたので

アリバイと証拠がないと犯人にはならないことを知っていた。


ダイスケ≪俺は、金庫に触れてないから指紋がない。つまりバレても俺が捕まることはない≫

ダイスケはそんなことを思っていた。




小学5年生が1人1万を使うのは大変な事だ。


自転車に乗ってマサルの家から3キロ離れたデパートまで行くようになった。

そのデパートにはコインゲームがある。



そのコインゲームで金を使う。

それが一番の金の使い道だ。


デパートのゲームセンターに行けば自然と友達は増えた。

小学生が1日で1万を使う。


ダイスケやマサルはそこでできた友達に当然金持ちだと思われていた。



ダイスケ達はコインゲームをする度にうまくなり1日1万を使うことができなくなった。

ダイスケ 「マサルいくら残ってる?」

マサル  「あと4000残ってる」


ダイスケ 「まあー今度使おうか」



金を2回に分けて使うようになった。





小学6年になった。







まだバレてないし、抜く量も増えた。



6年のときには一人2万だ。



小学生が2万でほしいものは全て買えた。


頭も良くなり完璧だった。















しかし、あるときマサルは親に抜いていることがバレた。















マサルは金を抜くことをやめた。


と、いうかもう 金庫のカギの場所すらわからない。









ダイスケ達は金のある生活をしていたため急に収入がなくなるとストレスが溜まり始めた。





ダイスケ 「そうだ! 今度は人の家に入って金を取ろう」



マサル  「それはやめといたほうがいい。バレたとき本当にマズイことになる」



ダイスケ 「じゃあさ、ジュースをパクろう」


ダイスケの家から歩いて5分のところに自動販売機がある。




その自動販売機は普通の家の人がジュースを補給しているのをダイスケは知っていた。



ダイスケ 「あそこの自動販売機さ、後ろのシャッターの中に補給するためのジュースがあるんだ」


マサル  「え?トラックの人がジュース運んできて補給するんじゃないの?」

ダイスケ 「違うんだ」




マサル  「俺よくここ通るけど結構あそこのシャッター開いてるぞ」


ダイスケ 「そう、あそこは車を駐車するためのシャッターだからよく開いてる」

カズヒロ 「ジュースほしー」



マサル  「じゃ、パクってみるか」


カズヒロは足が遅いので近くの公園でまたせることにした。




ダイスケ 「はじめはあせらず1本にしような」

マサル  「そうだね。とりあえず成功させないと」



マサルを先頭にして二人でシャッターの方へ歩いた。

ダイスケ 「マサル、ちょっと待て!」

マサル  「え?」

ダイスケ 「マサル、震えてるから、そりゃじゃ近所の人に見つかったときあやしまれるぞ」

マサル  「ゴメン。普通に歩く」


ダイスケ 「よし!」


シャッターは開いていた。

ダイスケ 「よし!誰もいない 入れ」


ダイスケは小声でそう言った。


「ガーッチャン!!!」


マサルはシャッターに頭をぶつけた。


ダイスケ 「バカバカ、いったん引くぞ!!!」

マサルとダイスケは走ってカズヒロの居る公園へ走った。



カズヒロ 「おー!とれたー?」



ダイスケ 「アハハハハハ!マサルがシャッターに頭ぶつけて見つかったと思ったよ」


マサル 「ゴメン」


マサルの頭はタンコブができていた。



ダイスケ 「頭、赤くなってるって!」


マサル  「よしもう一回行こう!」


ダイスケ 「よし!カズヒロはここでブランコでもして遊んでて」

カズヒロ 「わかった」


ダイスケとマサルはまたシャッターへ向かった。

ダイスケ 「よし、俺から行くから後ろから来て」


マサル 「わかった」



ダイスケはすんなりとシャッターの中へはいり、ダンボールに手を突っ込みジュースを取った。

ダイスケ 「よし!」


すぐにマサルも入ってきてダンボールに手を突っ込んだ。

マサル 「俺。カルピスがいいんだけどなあ」

ダイスケ 「うるせえ、はよ公園もどるぞ!(笑)」


2人は難なくジュースを盗んだ。


公園で戻った。

カズヒロ 「おおー!兄ちゃんたちすげえ」



1本カズヒロにジュースを渡した。



これをきっかけにジュースを盗むのはエスカレートした・・・。


カズヒロもできるようになった。


3人でジャンケンしてはだれか一人が3本持ってくるという遊びもできた。















それから半年がたった。







自動販売機の持ち主でジュースを補給している人はジュースがなくなってるのを気付いていた。





ダイスケ 「もう俺達も中学生だから今日が最後にしよう!」



マサル  「わかった」







いつものように3人で公園で行った。



ダイスケ 「さっきチラっとみてきたけど、シャッター開いてたよ」



マサル  「よし。じゃあいこう!」




ダイスケは何かいつもよりシャッターが大きく開いていることに少々疑問を持っていた。



最後ということもあって3人でシャッターの中に入った。

ダイスケ 「中に入ったらこっちのもんだ。外からは見えない」

マサル  「よし、はやくとってでよう!」








「ガガガガガガガガガ・・・・・・・・・」



ジュースをとるのに夢中になっている3人は気付いていなかった。



動くはずのないシャッターが閉まり始めた!!!!!



ダイスケ  「ヤベエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!」



マサル   「とりあえず 車の下に隠れろ!!!!!!!」



3人は車の下に身を潜めた。



ダイスケ  「マジかよ、絶対絶命だ」


マサルとカズヒロは一度家でヒドク叱られているので本当に怖がっていた。




マサルとカズヒロは声も出ない。全身が震えている。



ダイスケ  「俺がどうにかしなきゃな・・・」




管理人  「おーい。車の下にいるのは誰かな?おじさん車動かしたいんだけど」



ダイスケ ≪優しい声だ・・・。この人なら・・・大丈夫だ・・・≫


心の中でそう思った。しかし、


ダイスケ ≪いや、待てよこれは演技だ・・・≫


ダイスケは気付いた。







































だが、カズヒロは車の下から出てしまった!!!!



カズヒロのポケットにはジュースが入っていて膨らんでいる・・・。



ダイスケ  「ああ・・終わった」



管理人   「他にもいるだろ。」



管理人は車の下を見た。


管理人   「でておいで」



仕方なく 2人は車の下から出た。


管理人  「ここで何してるんだ」

管理人は全てを知っているといった感じで聞いてきた。





ダイスケ達は黙っている。



マサルとカズヒロはダイスケを信じていた。


マサルとカズヒロは黙ることに専念し、ダイスケが何か言うのを待った。


黙ったまま3分がたった。



管理人 「おじさんも忙しいんだ。はやくなにかいってくれ」



3人  「・・・」




管理人 「ああ・・・おじさんもなここのジュースが減っていることは気付いていたんだよ」




そう言った。この言葉を待っていたかのようにダイスケは口を開いた。


ダイスケ 「ジュースって何ですか?俺達はこの辺で『かくれんぼ』してただけです」


マサル  「そうです!だからシャッターが開いてもみつからないように車の下にいたんです」


カズヒロ 「そうです!」


ただ・・・カズヒロのポケットには明らかにジュースが入っている・・・膨らんでいる。




管理人  「じゃあ、お友達かな?ここのジュースをとっているのは」

ダイスケ 「知らないですけど」


管理人も相手が子供だと思って許すことにしたようだ。

管理人  「わかった。じゃあ、帰っていいけど、もう2度とシャッターの中にはいるんじゃないよ」



ダイスケ 「本当にすいませんでした」

マサル  カズヒロ 「すいませんでした」


管理人  「君、ポケットの中何が入っているの?」



カズヒロ 「ジュースです。よくここの自動販売機で買うんだ」




ダイスケ ≪さすがに俺達と毎日遊んでることだけはあるな・・・≫




管理人  「そっか。また買ってね」





それ以降、ジュースが減ることはなかった。




その結果、管理人はあの3人がジュースをとっていたことは明らかだった。



だが、その管理人はダイスケ達に何も言わなかった。









ダイスケ 「あー。危なかったなあ」







マサル  「ほんとうにダイちゃんは、すごいよ、あそこで『かくれんぼ』とは思いつかない」




ダイスケ  「だろ?俺ってすげーだろ」







カズヒロは、何ごともなく盗んだカルピスを飲んでいた。






おしまい。





トップページへ戻る