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タイトル    長年の夢    by あくぼう



老人「なぁ。言ったっけ?」

近所のばあさん「なんのことですか?」

老人「俺がなんで今この町に住んでいるか」

近所のばあさん「聞いた事無いです」

老人「そうか、教えてやるよ。あれは確か・・・」






































俺がな昔住んでた家の近所にな、頭のいい人がいたんだ。名前は確か、ユウスケ。
俺が40のときだったから、ユウスケは、50歳ぐらいだったかな。
ユウスケは、頭が良かったんだ。
でもな、家が貧しくて高校へ行く金が無かったんだ。
だからユウスケは中学卒業してからずっと家で農業の手伝いをしてたんだ。


それでな、ユウスケはロボットに興味があったんだ。
「いつかは、
今まで誰も創ったことの無いロボットを創りたいそれが俺の夢だ。」
って言ってた。
でもな、ユウスケの家には金が無かったからその夢は実現できずにいた。
でもな、ユウスケはその夢を諦めなかったんだ。
ユウスケは、農業を手伝いながら勉強をしていた。


そうしてな、20年ぐらい経ってユウスケは農業の仕事で貯めていたお金でロボットを創ったんだ。
自動で田んぼに来るすずめを追い払うんだ。
それは、すごいものだった。見た目は、しょぼかったけどな。
そしてな、それがある企業の目に留まって商品化させてほしいって言うんだ。
ユウスケは、喜んでた。


そして、そのロボットは商品化されてな売れたんだ。
ユウスケには、今まで見た事も無い金が入ってきてな。
俺達 後輩に飯をご馳走してくれたんだ。
2回ぐらいな・・・。
それでな、金持ちになったユウスケは、一人家に閉じこもったんだ。


俺はもっとすごいロボットを創るんだって言ってたな。
すずめを追い払うロボットはお世話になった企業に売ったんだ。全ての権利を。
そしてな、ユウスケはそれから10年ぐらい閉じこもったかな、俺もユウスケの存在を忘れるぐらいな。
俺はとっくに結婚して幸せな家庭を築いてた。
でもユウスケは独身でロボットの研究ばかりしてたんだ。

そしてついに完成させたらしいんだ。
ユウスケの夢だったロボット。
人のために働くロボット。
そしてすぐにユウスケは前お世話になった企業に電話したんだ。
でもな、その企業はユウスケの存在を忘れててまともにユウスケの話を聞いてくれなかったんだ。

キレたユウスケはその企業に乗り込んだんだ。
そしてようやく話ができるようになったんだ。
でもな、1週間待ってくれって言われたんだ。
こっちから会いに行くからって。
ユウスケは1週間待つことになったんだ。家で。

俺はなユウスケと仲良かったからな、みんなより一足先にそのロボットを見せてもらったんだ。

それは、もうすごかったぞ。
今、売られてるロボットなんか比じゃないな。
とりあえず、言葉を話してたな。


電池が切れそうになるとな、自分でなコンセントをさしてな充電してたな。
将棋とか囲碁とかも強かったな。
俺より全然頭よかったな。
というより、俺が頭悪かったんだな。
でもな・・・。事件が起こったんだな・・・。


1週間待ってくれって言われてなその1週間の間にな、ユウスケの家が燃えたんだ・・・。
そのロボットがな・・・充電するとき誤作動が起こって燃えたらしいな。
でもな、家にいたユウスケはすぐ気付いたんだな。
自分の家が燃えてることにな。
そしてな、ロボットだけを担いで外に出たんだな。


なんとか、そのロボットは助けることができた。
しかしな、家にあったロボットの創り方の書いてある紙をな無くしてしまったんだ。
でもな、ユウスケはたいしたことないって言ってたな。
それはな、ロボットの中に覚えさせてあるって言ってたな。
そしてな、企業が来る前日にな、また事件が起こったんだな。

ユウスケはな、俺んちに泊まってたんだな。家燃えてたからな。
んでな、もちろんそのロボットも俺んちにいたな。
んでな・・・。企業が来る前日の夜な俺とユウスケは酒を飲んでた。
そしてな、俺達は酔って寝てたんだな・・・。
んでな、俺は熱いと思ってな、ふと目を覚ましたんだ・・・。




































俺ん家、燃えてるな・・・































そうだな・・・忘れてたな、あのあほロボ・・・の仕業だな。
俺んちも燃やしたな・・・。
それはなユウスケの家と同じだったな・・・。
コンセントの誤作動な・・・。


俺はな、すぐさま嫁とユウスケを起こしたな。
んでな、急いで家から出たな。
ユウスケはちゃっかりロボットを抱えてたな。
・・・そしてな、俺の命より大事な子供がいないんだな・・・。
嫁はな、家に戻ろうとしたな・・・、でも俺は諦めたな・・・。


俺「この火の中戻るのは危険すぎる」

俺はそう言ったな。

嫁は、泣いてたな・・・。

俺はな、嫁がワンワン泣いてるのを見てたらな、
急に気持ちが高まってな家の中に入ろうと水をかぶったな。






ユウスケ「やめとけ!お前まで死ぬぞ!!!」


ユウスケはそう言ったな。

でも俺は言ったな。

「ユウスケさんがロボットを思う気持ちと同じぐらい俺は
息子を大切に思っている。行かせてくれ!!!」


ユウスケは俺を止めることができなかったな。

そしてな、俺が家へ覚悟を決めてはいろうとした時な。


ユウスケのロボットが、勝手に動いたんだな。

ユウスケはロボットの充電が少ないことに気付いてたな。

そしてな・・・ロボットは、俺の家に入ろうとしてたな。

ユウスケは止めたな。

でもな、ロボットの力はすごいものでな、ユウスケをぶっ飛ばしたな


んでな、ロボットはロボットの意思で俺の家に入っていったな。
んでな、俺の家はますます燃えてたな。
もう誰もが諦めてたな。


















でもな・・・。俺の子供はなロボットに助けられたんだ。



家の中からな「オーーイ イクゾ!!」って聞こえたんだな。





そしてな、ものすごいスピードでな、俺の子供がな家の中から俺の方へ投げられたんだな。

そうだな、ロボットが投げたんだな。



あとでユウスケに聞いたらな、残りの充電が無かったから最後の力で投げたらしいな。



そしてな、そのロボットは跡形も無く燃えたな。

ユウスケは泣いたな。

でもな・・・

その涙はな、嬉涙だったな。
ユウスケは自分の創ったロボットがこんなに役に立つものだと思ってなかったらしいな。
でもな・・・


自分で燃やした家で死んだロボットってな、
俺から言わしたらな・・・





























そうとうあほだな。









んでな、俺はなユウスケからな金をもらったんだな。


俺の家が燃えた弁償代だな。









その金で俺はこっちに住んでるんだけどな。
そしてな、次の日な、企業の係りの人が来たんだな。



ユウスケの家も、俺の家も燃えてたな。









だからな、ベンチのある公園で話してたな。


















ユウスケはな・・・そこでな・・・。



























番最初につくったな、すずめを追い払うなロボットをな、ちょっと改良してな、
水が出るようにしたんだな。



























でもな・・・。
企業の人はな、ユウスケになにも言わず帰ったな。

ユウスケはな、「やっぱだめか」って言ってたな。
でもな、ユウスケはな自分の夢を叶えることができて生きててよかって言ってたな。
でもな、また貧乏暮らしだな、今はもう自給自足の暮らしをしてるな、あいつ一人暮らしだからな。












老人「こういうことだな・・・」









近所のばあさん「へー。私寝てたからあんま聞いてないわ・・・もう1度お願い・・・」









老人「ガビーーン!!!」




   END...